こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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さようなら、先生。

2009-08-24 22:45:26 | 訪問看護、緩和ケア
長年この地域で、町のお医者さんをされていた、N先生が亡くなられました。
このステーションの立ち上げの時から、とても大切にして下さった先生です。

「なかよくしなさいね。」「元気で頑張ってくださいね。」

以前はよく、お顔を見せに来てくれました。

「長生きの8カ条」とか「古武術の介護法」とかの紙を届けてくれたり、季節の果物をわざわざ持ってきて下さったり・・

いつも穏やかで、会議でも看護師の立場を、いつも守ろうとしてくれました。

「生涯現役」
そう言って、87歳の今までお医者さんをやっていました。

一週間前まで、診療をしていて、具合が悪くて病院へ行く日の朝まで、自分の患者さんの処置をしていました。

ご家族が、どんなに引退を勧めても、入院をすすめても「患者さんが待っているから」と言うことを聞かなかったそうです。

それでも、自分の最後を分かっていたのか、自分の葬儀のことから、連絡先、電話番号、手はずなど全部書きのしてあったそうです。

前任の管理者は、ずっと父のように尊敬していましたので、辛そうでした。

同じ年代のY先生が、「みんないなくなっちゃうね・・・」寂しそうにつぶやきます。

前理事長H先生と、N先生の親友のY先生、私と前任の管理者上原さんの4人で出棺を見送った時、
上原さんがH先生に「先生、絶対死んじゃいやですからね!」腕を揺さぶって言いました。
「そうです!絶対死なないでくださいね!」私も言いました。
ステーションの危機を救ってくれた先生たちです。
涙がぽろぽろこぼれました。

H先生は、一時はメディアでも騒がれた病院の元理事長です。
国のシステムに問題はあっても、H先生は頑張っていたのに・・
全部自分が責任を取って、辞職された立派な先生です。
本当に大変な時代を生き抜き、夜中もいとわず医師としての使命を全うされた先生たち。
今は、ビル診療で時間がきたらさっさといなくなっちゃう先生が多い中、本当のお医者さんがまた一人、いなくなってしまった・・・

N先生。
いつも温かく見守って下さいました。
いろんな役員を、人の嫌がる仕事を、率先してこつこつとされてきました。
ご家族を愛していました。
このステーションも愛していました。
長い間本当にありがとうございました。
どうぞ、やすらかに、お眠り下さい。