こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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在宅緩和ケアの取材で考える。

2009-08-10 23:19:27 | 訪問看護、緩和ケア
今日は、めぐみ在宅の小澤先生からのご紹介で、雑誌AERAの特集記事のための取材がありました。

小澤先生との連携で、在宅で見取りまでするケースがとても多いのはなぜなのか、
改めて考えてみました。

かなり長いお付き合いの中で、お互いの利点欠点がよくわかっている上で、信頼関係が出来上がっていることは、とても大きいと思います。

終末期に、痛みや苦しみに対して、すぐに対応してあげられないことは、本人はもちろんのこと、見守るご家族も、支援する私たちにもつらいことです。

小澤先生の場合は、予測指示として、痛いときはこれ、もっといたいときはこれ、
眠れないときはこれ、不穏のときはこれ、吐き気のときは・・・
など、患者さんの状況によって、おこりうる症状緩和のお薬を、事前に出しておいてくれます。

その中から、ご家族や私たち看護師が、ある程度使っていくことができるので、
真夜中に「先生を起こしては悪いんじゃないか」「先生が捕まらないから、我慢しないと」と言うことが少ないんです。

お薬のインターバルも、副作用もちゃんとお話されてはいますが、私たち訪問看護師が、その使い方や、使うタイミングをお知らせすることも多く、そのことに関しても、報告しながらも信頼されている上で、任せていただいていると思っています。

医師の中には報告しても、「自分で見ないと薬は出さない。それまで待たせて」と平気で言う先生がとても多いんです。病院じゃあないんですけれどねー

「自分がまたされたら、我慢ができるの?」と、思わず言いたくなりますが、法律を盾に取られれば、なすすべはありません。

普段からの痛みのコントロール+レスキュー

そして、そこにいる私たちを信頼していただけるか。

これがうまくいくことで、年間30から50件のお看取りを一緒にできるんですよね。

さらに、褥創を含めた皮膚のトラブル。
在宅では、私たちの腕の見せ所です。
そこを、ヘルパーさんも巻き込んで、いかに改善するか。
その辺の采配や、ある程度の治療の方向性も、任せていただいています。
必要により、皮膚科の先生をおつれしたり、耳鼻科の先生をお連れしたり、
そういうことも、全部受け入れて下さるので助かります。

全部自分ひとりで囲ってしまって、自分がすべての司令塔にならないときがすまない先生では、ついていけません。

小さな湿疹に、軟膏ひとつつけるのも、全部お伺いを立て、往診を待たないといけない先生もいると聞きました。

信頼されていないんですね。

病院と在宅とでは、時間の流れがぜんぜん違うんですよ。

そんな話で、結構盛り上がってしまいました。

「できない」ではなく「どうしたらできるか。」

患者さんの支えを太くするために、どうしたらいいかを、同じ目線で考えられるような、在宅医療チームであればいいと思います。