No.2813のつづきです。
先週の「たまご新聞」から本文を転載します。
前号で書きかけ中途になってしまった話題のつづきです。
同じ事件を報じている同じ時刻での同じ新聞の記事が、インターネット上に2つ存在していることを紹介しました。読んでみると、冷凍ギョーザで問題となった農薬ジクロルボスについての解説が次のように変わっているのが気になりました。
前の記事では、
「農林水産省によると、農作物の残留農薬基準は、キャベツやニラ0.1ppm、小麦の胚芽10ppmという。」
それが後の記事では、
「国内での残留農薬基準は、キャベツやニラ0.1ppm、小麦0.2ppm。毒性はメタミドホスと同程度かやや弱いという。」
おやっ? 前の記事によれば、ジクロルボスの残留基準が、小麦の胚芽のばあい、葉菜類より100倍も緩いということがわかりました。ところが、なぜか後の記事では、その部分が別の基準例に置き替わっているのです。
不思議に思って、もう少しインターネットを検索してみたら、下のような記事も見つかりました。上記の2つと同じ“アサヒ・コム”の画面で、ジクロルボス検出の第一報のようです。このとき紹介されているのも、やはり100倍も緩い小麦の胚芽の基準値のほうでした。その部分を引用してみると・・・
「ジクロルボスが濃度10ppmで検出された。皮と具で分けた検査では皮から110ppm、具から0.42ppmだった。農薬、殺虫剤として、日本や中国でも広く使われている。2個食べると、体重50キロの人でみた場合の1日の許容摂取量を超える濃度という。農作物の基準では、キャベツやニラで0.01ppm、小麦の胚芽の場合10ppm。」
う~ん、どう読んだらいいのか迷うけど、ギョーザへの残留で大騒ぎになっている農薬が、小麦胚芽なら問題なしとして認められているということかなぁ。
少なくとも、そんなふうに読める数値を一度ならず記事にしたのに、いつのまにかこっそり書き替えられてしまっているという事実だけはまちがいありません。
ここからは勘ぐりですが、輸入小麦のばあい、たっぷりポストハーベスト(収穫後の農薬)がまぶされていて、葉菜類と同じ基準ではとてもクリアできないので、実態に合わせて緩い基準が設定されているのかもしれません。
待てよ、そしたら小麦のフスマ部分もいっしょに製粉した“全粒粉”というものがあるけど、あれって健康食どころか農薬たっぷりの可能性があるってことかぁ!?
さらに、小麦がそうなら、大麦の胚芽の基準値ってどうなっているんでしょうね。ビールを飲んでたらジクロルボスたっぷりってことはないんだろうなぁ?
と、輸入食品と農薬をめぐる疑問はつきません。日本人が「1億総半病人」なんて言われ方をして久しいけど、それが輸入農産物の増大との関係がないはずはないと個人的には思っています。
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先日はお米+αありがとうございました。早速振り込んでおきました。
フライドポテト用のジャガイモは、輸入品が多いですね。これには、よくクロルプロファムという除草剤(芽つぶし剤)が使われています。かつては残留農薬基準値という明確なものはなかったそうですが、目安になる基準で0.05ppmというものがありました。それが、50ppmという残留農薬基準値に、なりました。優に1000倍です。
分析をすると、0.05ppmの基準では収まりきらないのです。31さんのジクロルボスの話は、あながち嘘ではないようですね。
まったくです