隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0580.新・事件 ドクター・ストップ

2005年04月12日 | 脚本
新・事件
ドクター・ストップ
読 了 日 2005/04/12
著  者 早坂暁
出 版 社 大和書房
形  態 単行本
ページ数 180
発 行 :日 1982/09/25
ISBN 4-479-54004-0

 

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リーズ第3作。ドラマは昭和57年の9月から10月にかけて放送された。
東京都下の無医村の離島へ赴任した若い医師が、診療所で働く看護婦を崖から突き落として、殺人未遂に問われた裁判の模様を描くドラマの脚本である。
この若き医師・相沢を演じたのが今は亡き松田優作氏だ。その他レギュラー陣のほかには、看護婦に松尾嘉代、若者の集まるスナックの経営者に松任谷正隆、島の若者たちに田中美佐子、時任三郎、病気で苦しむ女性患者に生田悦子らの各氏が扮し重厚なドラマを形成している。

 

 

ところで、菊池弁護士を演じる若山富三郎氏と松田優作氏に関しては、面白いエピソードがある。
作者の早坂氏か、それとも演出の深町幸男氏かどちらかの談話(NHKのテレビ番組ではなかったかと思うが、定かでない)で、このドラマの撮影の期間中、その日の撮影が終ると、出演者たちが一緒に食事に行ったり、あるいは一杯飲みに行ったりするのだが、若山氏は松田氏を決して誘おうとしないのだそうだ。
若山氏は言ってみればチームのリーダー的存在なのだから、スムーズな進行のためのコミュニケーションをとるためにも松田氏も誘ってくれと深町氏(あるいは早坂氏)が言っても、とうとう終るまで誘わなかったと言う。

この話を聞いて、僕は、以前にも若山氏に関して、似たようなエピソードがあることを思い出した。
その時の相手は山崎努氏だった。若山氏を中心に演技の勉強会のようなものを発足させたときに、山崎氏が仲間に入れてもらいたいという申し出をしたのを、若山氏が断ったということだった。
思うに、松田優作氏も山崎務氏も俳優として、演技に対する共通項のようなものがあり(例えば、体当たり的な演技とか)、若山氏はそうした俳優が嫌いだったのではないか、と思われる。
しかしながら、僕は、そうしたところも含めて何というか一途な若山富三郎氏が好きだ。惜しい俳優を亡くした。

 

 

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