隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1659.希望荘

2016年08月21日 | 連作短編集
希望荘
読 了 日 2016/08/21
著  者 宮部みゆき
出 版 社 小学館
形  態 単行本
ページ数 460
発 行 日 2016/06/25
ISBN 978-4-09-386443-5

 

上の著者名をクリックすると、今まで読んだ著者の作品一覧へ移動します。

 

に何回か息子の入所している福祉施設において、利用者の保護者並びに家族の会合が催され、しばらくぶりで会う仲間から、「毎日どうしてますか?」などという話が出る。お互いに歳をとって現役から遠ざかって何年にもなるから、毎日が日曜日の身分としては、暇を持て余すことも多いのだろう。
「まあ、何とかやってますよ。」などとどうでもいいような返答をするのだが、お互い深く追及することがないことが、分かって居ての会話だ。僕は退屈を持て余すなどということは、以前からなかったので趣味を持たない人の、一日の過ごし方が想像できなく、何にもすることがないのもいいのではないかと、勝手なことを思ってしまうのだ。
そんな僕も、パソコンに向かって、たまにパズルをすることもあり、マイクロソフトが無料で提供している、「ソリティアコレクション」の中の、スパイダーというパズルが面白い。どんなに難しい局面でも、時間をかければ(たまには1時間を超す思考時間と、試行錯誤の繰り返しを要することもある)ほぼ100%に近い成功を収めることができるパズルで、時間つぶしにはもってこいのパズルである。
暇のある人にはお勧めしたいが、同じ年代の仲間には、パソコンと聞いただけで敬遠する人も多いから、なかなか難しい問題だ。

近づく台風の影響か、こちらの方(千葉県木更津市)はまだ今のところ(17時30分現在)雨も時々ぱらつく程度だが、降る所では雷も伴って豪雨のところもあるようで、自然の脅威は凄まじい。しかし、この蒸し暑さは何とかならないものか。気温はさほど高くはないのだが、高い湿度はじっとりとした汗を出させて、蒸し風呂を思わせる。

 

 

今月5日金曜日にメール(Outlook)を開くと、木更津市立図書館の名前が目に入った。僕は直ぐに予約してあった宮部みゆき氏の「希望荘」の順番が回ってきたのだな、と分かった。だいぶ遅くなるのだろうと思っていたのだが、予約の人数が思っていたより少なかったのだろうか?
それはともかくとして、最新作が読める嬉しさに、すぐ図書館に向かった。
何度も利用しているから、図書館員の中には顔見知りの人もいるが、読書好きのくせに、僕が図書館を利用し始めたのは、ずいぶんと遅く、1987年に典厩五郎氏が「土壇場でハリーライム」という作品で、サントリーミステリー大賞を受賞した年だった。
というのも、木更津市立図書館は当時木更津市在住だった典厩氏が、ミステリー文学賞を受賞したことを記念して、典厩氏の講演会を催したのだ。僕は典厩氏という人が、どんな講演をするのか興味がわいて、その時初めて図書館を訪れたのだった。もうずいぶん昔のこととなった。
典厩氏の講演の内容はすっかり忘れたが、同じ街に住んでいることやおとなしい話し方など、好感の持てる講演だったと記憶している。
そうしたことが根底にあるせいか、木更津市立図書館には、典厩氏の作品を数多く在庫しており、彼の著書は1冊残らずあるのではないか?そんな感じもする。というのは余分な話だ。

 

 

mazonのサイトで本書の刊行を知ったのは、6月初旬かあるいは中旬に差し掛かったころではなかったか。直ぐにも図書館にリクエストカードを出そうと思いながら、ズルズルと日にちが過ぎていった。Amazonの広告を見て、本書が杉村三郎を主人公としたシリーズの最新刊であることを知り、これはぜひ読まなくては、そんな思いで大分遅くなってからリクエストカードを出したのだ。

さて、宮部みゆき氏の新作は小泉孝太郎氏の主演でドラマ化もされて、お馴染みとなった杉村三郎のシリーズ最新刊である。2003年に刊行された「誰か」がシリーズ第1作だから、もう13年も経つのかとまたまた月日のすぎる速さと、歳をとったことを実感する。
本書は下表で分かるように、4篇からなる短編集だ。前作で離婚した杉村三郎が私立探偵となって、いろいろと持ち込まれる事件を解決するために奮闘するのだが、私立探偵となった経緯なども、エピソードとして描かれている。

 

初出
# タイトル 紙誌名 発行月・号
1 聖域 STORYBOX 2014年12月号~2015年3月号
2 希望荘 STORYBOX 2015年4月号~11月号
3 砂男 オール讀物 2015年6月号・8月号
4 二重身
(ドッペルゲンガー)
STORYBOX 2015年12月号~2016年5月号

 

 

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿