十八の夏 | ||
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読 了 日 | 2003/09/13 | |
著 者 | 光原百合 | |
出 版 社 | 双葉社 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 269 | |
発 行 日 | 2002/10/10 | |
ISBN | 4-575-23447-8 |
京創元社の文庫で、安楽椅子探偵ものとして「遠い約束」(332.参照)を読んで著者のファンになり、かねてより種々のミステリーランキングで上位にランクされている本書を、文庫化されたら読もうと思っていた。
しばらくぶりで立ち寄った木更津駅近くにある古書店で、たまたま単行本の棚を見ていてこの本を見つけ、思わず買ってしまった。
気になっていた本が思わぬところで見つかったときは嬉しいものだ。
帯には四つの花が彩る連作ミステリー、となっているが花がモチーフとなってはいるものの内容に関連性はない。
4月から予備校生となる春まだ浅いある日、三浦信也は日課のジョギングの途中で、スケッチをしていた年上の女性・蘇芳紅美子(すおうくみこ)と出会う。風で飛んだ彼女のスケッチを?まえようとして手のひらをすりむいた彼を、彼女は近くのアパートに連れ帰り手当てをする。殺風景な彼女の部屋に不似合いな鉢植えの朝顔が。 こうした出会いに信也は次第に彼女に引かれていくが・・・。「朝顔」をテーマにした表題作。
妻に死なれ、子育てに義父母の力を借りるため、大阪に越してきた父と息子。その父に恋人が出来た?同業の書店の女主人だ。「金木犀」をテーマにした「ささやかな奇跡」 小さな劇団に所属して役者を目指す兄貴と高校生の弟、その兄貴が事もあろうに“オレ”の中学時代の先生の若い奥さんを、娘と間違えて恋をした!「ヘリオトロープ」をテーマにした「兄貴の純情」
浩介が“魔女の一撃”でギックリ腰になったところへ、元・塾生だった相田史香が訪ねてきた。史香は中学生の頃次々と家族の不幸に見舞われた。「夾竹桃」がテーマになっている「イノセント・デイズ」
ミステリーの味付けをした恋愛小説といったほうがいいかもしれない。どれも爽やかな読後感を覚える秀作である。表題作は第55回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。
# | タイトル | 発行月・号 |
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1 | 十八の夏 | 01年12月号 |
2 | ささやかな奇跡 | 00年8月号 |
3 | 兄貴の純情 | 01年3月号 |
4 | イノセント・デイズ | 02年8月号 |
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