ゆみねこ日記

日常日記です。

4月の読書記録

2023-05-01 05:39:02 | ブックレビュー
4月の読書メーター
読んだ本の数:30
読んだページ数:9728
ナイス数:3329

猫にならって猫にならって感想
猫と人の関わりを淡々と綴ったお話。病弱な芳子ちゃんの部屋でお産をしたミーコ。ミーコが誰にも頼らず仔猫を産み育てる姿から生きる力を貰う芳子ちゃん。芳子ちゃんの次男ミカズさんはガラス作家に。ミカズさんの工房で野良猫が仔猫を産み…。まあ、猫好きなので楽しく読了出来たけど、少し物足りなさを感じた。表紙の猫たちは可愛かった。
読了日:04月01日 著者:佐川 光晴
君といた日の続き君といた日の続き感想
10歳の一人娘美玖を亡くし、失意のうちに妻ともすれ違い離婚した譲。ある日譲の前に現れたのはちぃ子と名乗る不思議な女の子。昭和の小学生ちぃ
が未来を知る驚き、娘を亡くした喪失感から少しずつ立ち直る譲。やがてちぃ子の正体に気付き、別れの時が近づいて…。過去とつながり未来への光が感じられて読み心地は良かった。
読了日:04月01日 著者:辻堂 ゆめ
あなたはここにいなくともあなたはここにいなくとも感想
恋人に紹介したくない家族「おつやのよる」職場で酷い扱いを受け心に大きな傷を負った女性「ばばあのマーチ」リセット症候群の看護師「入道雲が生まれるころ」不倫相手の妻が食べるために栗の渋皮煮を作る女「くろい穴」幼馴染の男の子が突然不可解な行動を「先を生くひと」。5つの作品、全部が好き!澪さんの生き方に涙が…。町田さんの巧さに唸らされた。お薦め本!
読了日:04月02日 著者:町田 そのこ
悪魔の羽根悪魔の羽根感想
7つの短編。ちょっとしたホラー。表題作は日本人の銀行員に嫁いだフィリピン人女性マイラが夫の転勤で新潟へ。初めての雪国の暮らしで心を蝕まれて…。冬の新潟はマイラでなくとも憂鬱になる。マイラが元気になれそうで良かった。
読了日:04月02日 著者:乃南 アサ
日本ゲートウェイ日本ゲートウェイ感想
コロナ禍で頼みのインバウンドのあてが外れ苦境に陥った老舗百貨店。銀行からの融資を断られ倒産のピンチに。そこからの再生のアイデアは面白く、実現したらかなりの集客が見込めるかも?プラチナタウン・和僑の続編に食王をプラス。
読了日:04月04日 著者:楡周平
茜唄(上)茜唄(上)感想
今村翔吾のシン平家物語。文章は読みやすいのだが、この時代はほとんど知識がないので苦戦。感想は下巻で。
読了日:04月06日 著者:今村 翔吾
茜唄(下)茜唄(下)感想
平家物語に秘められた謎と平知盛と妻・希子の絆。源平合戦は数多の命を奪い平家は滅亡へ。歴史は常に勝者の側から綴られるが、平家物語は敗者の物語。下巻で語り手が明かされ一気に面白くなった。後白河法皇、頼朝の陰険さと義経の悲劇。滅びゆく平家と1000年の未来へと託されたもの。満足の1冊でした。
読了日:04月07日 著者:今村 翔吾
野火の夜野火の夜感想
血塗れの旧五千円札が次々に見つかり、大量に両替していた人物が見つかる。時を同じくして一人のジャーナリストが大雨の中、川に転落死する。2つの事件はどうつながるのか?ライター・木部美智子は、ふとしたきっかけで取材するが、愛媛の田舎で起きた25年前の事件に行き着く。更に戦中戦後の悲劇が絡み複雑さが増すことに。真相が明らかになるまで一気に読めたが、切なくて悲しい事実だった。木部美智子の取材力、恐るべし。
読了日:04月09日 著者:望月 諒子
あやし、おそろし、天獄園 銭天堂 番外編あやし、おそろし、天獄園 銭天堂 番外編感想
銭天堂番外編。心に闇を持つ人の前に現れる(怪童)。1枚のチケットを手渡されシルクハットを覗くとたちまち不思議な遊園地・天獄園へ。行ったきり戻れなくなったり、ちょっと怖いけれど、銭天堂の世界観が好きならば楽しめるかな。よどみさんも登場する。
読了日:04月09日 著者:廣嶋玲子
警視庁FC警視庁FC感想
軽く楽しめる1冊。本格刑事ものを期待してはいけません(笑)やる気のない警視庁地域部地域総務課の楠木くんが特命「警視庁FC」に配属、警備についた六本木の撮影現場で謎の変死体が発見。殺人事件の捜査にあたるが…。まさに映画の世界には何でもあり?
読了日:04月10日 著者:今野 敏
カットバック 警視庁FC2カットバック 警視庁FC2感想
警視庁FCシリーズ第2弾。大森署管内で人気映画のロケが行われるということでFCメンバーが招集される。大森署は竜崎の後任・美しすぎるキャリア署長の藍本に。署長シンドロームを読んでからFCシリーズを手にしたが、こちらも美人署長にメロメロになる男たちに笑える。ロケ現場の殺人事件はあっさりと解決。映画「危険なバディー」は「危ないデカ」に脳内変換しながら読了。
読了日:04月11日 著者:今野 敏
ぬくもり<動物>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)ぬくもり<動物>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)感想
動物がテーマの時代小説アンソロジー。田牧大和さん「色男、来たる」西條奈加さん「紅蓮白峯」は既読だが面白く満足。櫻部由美子さんは初読み、「カチカチ山」最高の面白さ!小松エメルさん「犬に仏」も良かった。宮部みゆきさん「迷い鳩」、どこかで読んだ記憶はあるけれど記録していなかったらしい。5編とも良くて大満足の1冊。
読了日:04月13日 著者:宮部 みゆき,西條 奈加,田牧 大和,小松 エメル,櫻部 由美子
犬を盗む犬を盗む感想
一人暮らしの資産家老女の殺人現場に残されていたのは犬が飼われていた痕跡。事件の捜査にあたる犬アレルギーで犬嫌いの刑事と犬好きの刑事のバディ。犬を飼っている女性作家、最近急に犬を飼い始めたコンビニ店員。何故老女は殺されたのか、飼われていた犬はどこへ?途中に挟まれる犬のひとり(一匹)語りが良いアクセントに。とても面白く満足の1冊。お薦め!
読了日:04月13日 著者:佐藤 青南
風の値段風の値段感想
今作の主人公は新橋署の刑事・天木淳、学生時代ややマイナーな準硬式野球の選手という経歴。洋上風力発電の最新技術データの流出事件の内定捜査で、鍵を握る人物が元チームメイトだと知る。20年ぶりに再会した2人は取調室で刑事と容疑者として対峙する。研究者の矜持と一般人の常識との乖離、亡くなった女性研究者。地味な印象の天木だが、新しいヒーロー誕生かな?シリーズになったら嬉しい。
読了日:04月16日 著者:堂場 瞬一
母は死ねない (単行本)母は死ねない (単行本)感想
母であること、母に対しての理想と現実とのギャップ。様々な母を取り上げたドキュメントは、つい最近報道された事件事故の当事者も取り上げられていて読むのが苦しかった。「かくあるべき姿」に囚われる不幸、母もまたひとりの人間、理想と現実の間で悩みもがく母は私もまたそのひとり。河合香織さん、初読み。
読了日:04月16日 著者:河合 香織
スパイシーな鯛 ゆうれい居酒屋2 (文春文庫 や 53-6)スパイシーな鯛 ゆうれい居酒屋2 (文春文庫 や 53-6)感想
新小岩駅南口、商店街の路地裏にある居酒屋・米屋。夫に先立たれた女将・秋穂が営むこのお店、お手軽で美味い料理を目当てに常連さんが訪れるが、時折新顔のお客さんが現れて…。まさに一期一会、米屋を訪れたお客さんはきっと幸せになれるでしょう。
読了日:04月17日 著者:山口 恵以子
犬小屋アットホーム!犬小屋アットホーム!感想
丘の上にそびえるニーシャシャンは、入居に際しての条件は犬とペアになること。様々な事情のある入居者といぬたち。「ピアノ犬」が特に良かった。
読了日:04月18日 著者:大山 淳子
あきらめません!あきらめません!感想
定年後夫の故郷に移住した東京生まれの霧島郁子は、閉鎖的な地方と男尊女卑という現実に愕然とする。ところが銀髪の女性議員・市川ミサオとの出会いが郁子の日常を劇的に変えてしまう。市政に挑み町の空気をどんどん変えてゆく郁子と、旧弊に縛られた老害議員たち。こんなに上手く行くのは難しいだろうけど、スカッとして面白かった。クォーター制度の導入だけで若い女性の転入者激増は出来ないだろうな…。
読了日:04月19日 著者:垣谷 美雨
タスキメシ 五輪タスキメシ 五輪感想
タスキメシシリーズ第3弾。コロナ禍で1年延長された東京五輪、大手食品会社に入社した元箱根ランナーの仙波千早と勤務先の廃業で職を失った伊坂都の選手村レストランでの奮闘記と、眞家兄弟やライバル助川・藤宮のこと。賛否両論の中開催された五輪を影で支えた数多のスタッフの奮闘は実際にあったエピソードも折り込み読み応え満点。パリに向けて更なる努力を重ねるランナーたちの姿に涙で読了。シリーズ最初から読み返したい!お薦め!
読了日:04月20日 著者:額賀 澪
私たちはどこで間違えてしまったんだろう私たちはどこで間違えてしまったんだろう感想
閉鎖的な田舎町の秋祭りで起きた毒物混入事件。祭りで振る舞われたおしるこに農薬が入れられ4人の命が奪われた。犯人は誰なのか?互いを疑う町民たち。真相が知りたくて頁をめくるのを止められず一気読み。
読了日:04月20日 著者:美輪 和音
虚心虚心感想
埼玉県秩父地方で土砂崩れが発生し一人が行方不明に。瓦礫から大量の産業廃棄物が発見され、崩落発生地はかって町を二分した最終処分場建設反対運動の末、反対派のリーダー殺人事件が起きた場所だった。16年前事件捜査に当たり容疑者逮捕の直前まで迫った奈良刑事は、運びこまれた産廃の出どころを追いながら再び16年前の事件と向き合う。疑惑の産廃業者は悪なのか?彼らを庇う警察関係者は本当に金で操られていたのか?読み応え満点、お薦めの一冊!
読了日:04月22日 著者:吉川 英梨
光のとこにいてね光のとこにいてね感想
異なる環境で育つ2人の少女は小2で出会い、高1で再びの出会いをする。母親に振り回される2人はやがて10数年の時を経て和歌山の海辺の町で再会する。ああ、感想まとめにくい。とても良い本だったけど、果遠が瀬々と離れることを選ぶのが少々理解し難い。2人の母親たち、特に結珠の母の身勝手さは腹立たしいばかり。
読了日:04月22日 著者:一穂 ミチ
植物少女植物少女感想
植物状態の母深雪は一人娘の美桜を出産した時に脳幹出血を起こした。美桜の知る母は病院のベッドに寝たきりの状態。幼い頃の美桜は母の胸を探り乳を飲み、学校帰りに毎日病院に通い、母に様々なことを言う。元気だった深雪を知る祖母や父は美桜とは違う思いで接する。思春期の美桜、やがて結婚し母となり祖母を見送り、母との本当の別れが。現役医師の作とのことでリアルな描写はなまなましく切なく感じた。もし我が身が深雪のようになったら、生かしておいで欲しいとは思えない。色んな意味で忘れられない1冊。
読了日:04月23日 著者:朝比奈 秋
いのちの十字路いのちの十字路感想
「いのちの停車場」の続編。前作でまほろば診療所のバイトをしていた野呂くんが、医師国家試験に合格し戻って来た。コロナで様変わりした医療現場に新米医師として飛び込んだ野呂くんの成長譚でもあり、在宅医療の抱える問題をあぶり出すものである。お薦め本!
読了日:04月23日 著者:南 杏子
つる子さんからの奨学金つる子さんからの奨学金感想
99歳の曾祖母つる子さんから、ひ孫のわかばと樹に「奨学金」を出すという提案が。条件は今の実力より1つ上の学校を目指すこと。部活との両立、親からのプレッシャー、クラスメイトたちとの関係、重圧に押しつぶされそうになりながら努力するわかば。幼い頃からの夢に挑む樹。女子であるが故に学びの場が狭められた曾祖母や祖母の時代。今も残るジェンダーギャップ。YAジャンルの本ですが、親や祖父母の世代にも一読を勧めたい。わかばの決断、つる子さん譲り!
読了日:04月24日 著者:まはら三桃
空を駆ける空を駆ける感想
「小公子」の翻訳を初めて行った若松賤子さんの31年の生涯。会津藩士の娘として生まれ戊辰戦争を生き延びた大川カシは、横浜のフェリス・セミナリーと出会い、文学者若松賤子として歩む。女性の地位は低く欧米に習って始められた女子教育は政治に翻弄される時代、妻や母としてだけでなく人間として生きた短い生涯は切なくも今の時代を生きる私達にカシさんのメッセージはキチンと伝わっていると思う。
読了日:04月26日 著者:梶 よう子
相続人はいっしょに暮らしてください(祥伝社文庫さ23-1) (祥伝社文庫 さ 23-1)相続人はいっしょに暮らしてください(祥伝社文庫さ23-1) (祥伝社文庫 さ 23-1)感想
高3の佳恵に突然の遺産相続の話が。既に他界した母の代わりに祖母・雅子の遺産を相続することに。受け取るものは現金と猫、しかしその条件は複雑で他の相続人と暮らすこと。初めて会う義理の伯母・利沙子、女装姿の叔父・幸太郎、遺言執行人の祖母のハトコ・環。4人と1匹の奇妙な共同生活と相続を巡るお話は、面白くて一気読み。利沙子のバカさ加減と佳恵の父のクズっぷりにイライラしたが、読み終える頃にはスッキリ。お薦め!
読了日:04月26日 著者:桜井美奈
白い闇の獣 (文春文庫 い 107-3)白い闇の獣 (文春文庫 い 107-3)感想
雨の夜、傘を持たずに出かけた父親を迎えに出た12歳の朋美を襲った悲劇。誘拐し暴行の上殺害したのは15歳の少年3人。少年法に守られ獣たちはすぐに野に放たれた。4年後犯人の1人が転落死し、その直後にもう1人も同様に死ぬ。不審な死には朋美の父・俊彦が関わっているのか?朋美の元担任・香織とフリーライターの秋山は俊彦の行方を追う。この種の事件が起きる度に、被害者はすべてを曝されるのに加害者は少年法を盾に守られる。理不尽さに憤るばかり。読み心地は良くないが先が気になり一気に読了。
読了日:04月27日 著者:伊岡 瞬
ほろよい読書 (双葉文庫)ほろよい読書 (双葉文庫)感想
5人の作家さんのお酒にまつわる物語のアンソロジー。どれも出てくるお酒が美味しそう!洋酒たっぷりのボンボンショコラと大好きなと伯母の秘密=織守きょうや、手作りの果実酒を大切にするアラフォー女性=坂井希久子、農大醸造科に入学した造り酒屋の一人娘=額賀澪、お酒の飲み方を巡り夫とすれ違う妻が居酒屋でバイトを=原田ひ香、コロナ禍のオンライン飲み会でカクテル指南をするバーテンダー=柚木麻子。柚木さんのが特に好き。面白かった。
読了日:04月28日 著者:織守 きょうや,坂井 希久子,額賀 澪,原田ひ香,柚木 麻子
残酷依存症 (幻冬舎文庫)残酷依存症 (幻冬舎文庫)感想
大学生のサークル仲間3人が何者かに監禁され、凄まじい拷問を受ける。しかし、この3人の所業は胸糞悪く同情の余地は無い。そして山中で遺体となった女子大生、こちらも最低の女。性犯罪の犠牲になる側とやりたい放題の側、金の力でもみ消そうとする親。最初に彼らの毒牙にかかった子の悲劇。まさかの浜真千代登場!櫛木さんの術中に見事にハマった。
読了日:04月29日 著者:櫛木 理宇

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