ゆみねこ日記

日常日記です。

3月の読書記録

2023-04-01 10:12:22 | ブックレビュー
3月の読書メーター
読んだ本の数:35
読んだページ数:10742
ナイス数:3857

みつばの郵便屋さん そして明日も地球はまわる (ポプラ文庫 お 12-12)みつばの郵便屋さん そして明日も地球はまわる (ポプラ文庫 お 12-12)感想
みつばの町をバイクで走る町の郵便屋さん平本秋宏。9年間走り、町の住人との繋がりも強く皆に愛される郵便屋さん!とうとうあの人と!そしてそれをあっさりと上回る人気者の兄・春行😆みつばを走る秋宏とはお別れだけど、小野寺作品のどこかでまた会えたら良いな!
読了日:03月01日 著者:小野寺 史宜
新! 店長がバカすぎて新! 店長がバカすぎて感想
まさかの続編だったけど、復帰した元店長にはイライラさせられ、京子の怒りはとどまるところを知らず。新登場のジュニアに京子が切れるところは笑えたけど、アナグラムマジックは今ひとつ乗れず。うーん、第3弾が出ても読むかどうかは不明。
読了日:03月01日 著者:早見 和真
ロータス (実業之日本社文庫)ロータス (実業之日本社文庫)感想
タクシードライバーさんが乗せたお客さんはワケありの…。ひき逃げで命を落とした飼い主をひたすら待ち続け、仇を打った猫のお話「サナダ」が良かった。前作「カスタード」、機会があれば読んでみたい。
読了日:03月02日 著者:加藤 元
満天の花満天の花感想
幕末の長崎出島のオランダ商館員と丸山遊女との間に生まれた青い目の少女・梶花が8歳から出島で蘭語を学び英語露語もマスターし、通詞として生きたという設定。勝海舟メインの幕末史ととらえた。長かった。
読了日:03月04日 著者:佐川光晴
六法推理六法推理感想
霞山大学の片隅に法学部4年の古城行成が運営する「無料法律事務所」通称(無法律)がある。ほとんど訪れる人もなく閑古鳥が鳴くような場所に突然現れた経済学部3年の戸賀夏倫。住んでいるアパートに深夜に赤ん坊の泣き声がして窓に真っ赤な手形がつくと。いわゆる事故物件のアパートの問題から、リベンジポルノや放火事件、毒親問題カンニング騒動など。古城と夏倫の凸凹コンビが大学内の問題を解決へ。まずまずの面白さ。
読了日:03月05日 著者:五十嵐 律人
直木賞をとれなかった名作たち (単行本)直木賞をとれなかった名作たち (単行本)感想
小谷野敦さん、初読み。直木賞をとれなかった名作の紹介かと思ったら、文壇の裏話的な話題やら、著者自身の好みに合うか合わないかが基準の批評の羅列であまり参考にならず。残念!他の皆さんがおっしゃるように「人命」を冠した文学賞は残念な誤植。
読了日:03月05日 著者:小谷野 敦
明日の私の見つけ方 (ハルキ文庫 な 22-1)明日の私の見つけ方 (ハルキ文庫 な 22-1)感想
就活中の大学4年生の時両親を亡くした霜鳥夕子は、旅館を営む両親がお客様の為に懸命に働いていた姿を思い、都内の洋食店・オオルリ亭に就職した。配属されたのは夕子の憧れの支配人がいる渋谷店。慣れない仕事に悪戦苦闘しながら夕子が見る光景、厳しくも温かな先輩たち。社会人1年生の夕子の成長譚は清々しいものでとても良かった。
読了日:03月06日 著者:長月天音
ここでは誰もが嘘をつくここでは誰もが嘘をつく感想
医療刑務所では患者である受刑者は高齢化し、医療と介護が必要になる。過去の罪と患者としての現在、医師2年目の金子由衣は当直の夜に急死した受刑者の死因に不審な思いを抱く。高齢化する受刑者のことはTVの特集で観たことがあり、何ともなり切れない。目の前の患者を救うのが医療者の使命とはいえ、とても大変な仕事だと感じた。
読了日:03月07日 著者:嶋中 潤
朝星夜星朝星夜星感想
幕末の長崎で洋食屋を始めた草野丈吉。五代友厚・亀山社中の若者たち、陸奥宗光・後藤象二郎・岩崎弥太郎、贔屓客は明治の日本を作り上げた錚々たるメンバー。やがて大阪へ進出し激動の時代の外交を西洋料理ともてなしで支えた「自由亭」。丈吉の妻ゆきの視点で綴られた物語はとても読み応えあり。ゆきという人物がとても魅力的、朝ドラになりそうなストーリーだった。
読了日:03月09日 著者:朝井 まかて
東大に名探偵はいない東大に名探偵はいない感想
6人の東大・東大大学院の卒業生によるミステリーアンソロジー。市川さん・結城さん・浅野さんは初読み。好きな作品は伊予原さんと辻堂さん。新川さんは○ンコ連発し過ぎ。浅野さんはこれがデビュー作と言うことで楽しみ。
読了日:03月10日 著者:市川 憂人,伊与原 新,新川 帆立,辻堂 ゆめ,結城 真一郎,浅野 皓生
羊子と玲: 鴨居姉弟の光と影羊子と玲: 鴨居姉弟の光と影感想
下着デザイナー鴨居羊子と画家鴨居玲。姉弟共に才能に恵まれ活躍するが、パワフルで逞しい姉に対して繊細で内にこもりがちな弟。共依存とも言える姉弟関係と支えた盟友司馬遼太郎。羊子がガーターベルトにヒントを得て下着屋を立ち上げ、世間知らずが故に騙される辺りはハラハラしながらも面白く、晩年の姿は切なく、しかし力強く生きたその人生は心に響く。
読了日:03月11日 著者:植松 三十里
銀座に住むのはまだ早い銀座に住むのはまだ早い感想
小野寺さんのエッセイは初読み。不動産情報サイトSUUMOとのコラボで東京23区内で上限5万で住める物件を探しつつ町を歩きランチを楽しみ美味しいコーヒーを飲む。その町の図書館を訪ねて自作の蔵書数を確認したり、過去の作中の登場人物の住む場所やエピソードもあったり、小野寺ファンは楽しめること間違いなし!掌編小説も含め堪能しました。
読了日:03月12日 著者:小野寺 史宜
数学の女王数学の女王感想
博士号を持つノンキャリ警部補・沢村依理子シリーズ第2弾。大学院大学に仕掛けられた爆弾、爆発で女性2人が犠牲に。沢村は突然の人事異動で捜査一課配属となり爆破事件の捜査に加わる。公安との駆け引き、警察官の働き方改革、女性である依理子への反発。前半はやや冗長に感じたが後半は読み応えあり。だがこのタイトルは一考の余地…、ネタバレでは?前作より読みやすく、第3弾に期待。
読了日:03月13日 著者:伏尾 美紀
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂18ふしぎ駄菓子屋 銭天堂18感想
今作は紅子さんの過去から墨丸との出会いを招き猫さんたちとの会議で語る。戦国時代から現代まで、時代は変わっても人の欲望は変わらない。過去の失敗作やお菓子で幸せをつかんだ人まで、今後のお菓子のアィディアに。今回登場しなかった六条教授がまた何か企んでいるようなので、次がまた楽しみに。
読了日:03月13日 著者:廣嶋玲子
白ゆき紅ばら白ゆき紅ばら感想
志道と美奈子が運営する行き場のない母子を守る「のばらのいえ」。幼い頃から手伝いをさせられる祐希と、「お前には無理だから何もしなくて良い」と言われる紘果。束縛され未来のない現実から高校卒業と同時に逃げ出した祐希。逃げなかった絋果。重い読書になったが、最後は少し光も。
読了日:03月13日 著者:寺地 はるな
君に光射す君に光射す感想
元小学校教諭の石村圭斗は商業施設の警備員として働く。小学校教諭をやめるきっかけになった出来事、人との関わりを避けるように夜勤もある仕事に就いた。ある日ひとりの少女が置き引きをしようとする現場に居合わせてから圭斗の日常に変化が。今どきの先生は大変だと思うし、辞めるのは勿体ないと感じてしまう。圭斗に果子という相談相手が出来て良かった。
読了日:03月14日 著者:小野寺 史宜
今夜、ぬか漬けスナックで今夜、ぬか漬けスナックで感想
20年も音信不通だった母が亡くなり、小豆島へ赴いた槇生。そこには自分より歳下の母の夫・伊吹がいた。仕事も住むところもなくした槇生は伊吹が営むスナックに転がり込む。島の住人の不躾な視線や噂話、槇生の体調不良。この先どういう展開になるのかと思ったらあっと驚く結末。古矢永塔子さん、初読み。面白かったです!
読了日:03月15日 著者:古矢永 塔子
ガウディの遺言ガウディの遺言感想
1991年のバルセロナ、サグラダ・ファミリアの尖塔に男の死体が吊り下げられた。聖堂の石工をしている父が姿を消し、行方を探す娘の志穂。ガウディが遺した聖堂の設計図と暗号、スペインの歴史、何だか盛り沢山でお腹いっぱい。
読了日:03月16日 著者:下村 敦史
熱風団地熱風団地感想
東南アジアの小国ベサール(架空)でクーデターが起こり日本人の第二夫人と王位継承者の王子が日本に滞在中。しかし王子はかなりの悪ガキで家出中。王子の行方を探すことを依頼されたのは旅行ガイドでベサール語が話せる佐抜と元女子プロレスラーのヒナ。アジア系の住人が多く住む団地を舞台に中国人、ベサールのレジスタンスグループ、外務省が入り乱れながら王子を追う。かなり面白かった。
読了日:03月18日 著者:大沢 在昌
私たちの金曜日 (角川文庫)私たちの金曜日 (角川文庫)感想
7人の女性作家のお仕事小説アンソロジー。津村さん有川さんは既読、綿矢さんは初読み。久々に読んだ田辺聖子さん、時代は少し古いけれど私が勤めていた頃の職場の雰囲気が伝わって面白かった。今なら表現上の問題を指摘されそうだけどあの時代ならではのこと。恩田さん、有川さんはやはり外れなし。津村さんも面白かった!
読了日:03月18日 著者:有川 ひろ,恩田 陸,桐野 夏生,田辺 聖子,津村 記久子,山本 文緒,綿矢 りさ
恋愛の発酵と腐敗について恋愛の発酵と腐敗について感想
とある商店街、不倫に疲れ会社をやめてカフェを開いた万里絵、夫を亡くしてスーパーのレジ打ちをしている早苗、女癖の悪いパン職人の虎之介と歳上の妻でスナックのママ・伊都子。ひとりの男と3人の恋愛模様だが、ドロドロの様相を呈しているのにどことなく可笑しくて、男女の仲とパンの発酵を比喩したりで面白かった。錦見さん、2作目だけどちょっと追いかけたい作家さん。
読了日:03月18日 著者:錦見 映理子
シャドウワークシャドウワーク感想
江ノ島近くにある風変わりなシェアハウス、そこはDV被害者たちのシェルターになっていた。夫の暴力から逃れてシェアハウスに逃げ込んだ紀子の視点の章。千葉県警の刑事・薫はひとりの女性の死亡事案の捜査でシェアハウスにたどり着くが薫もまた夫のDVから逃れている身だった。凄まじいDVと妻を所有物としか見ない夫。こんなシャドウワークがあったら救われる女性たちがたくさんいるだろうと思えた。
読了日:03月20日 著者:佐野 広実
完全なる白銀完全なる白銀感想
バスケ少女だった藤谷緑里は1冊の写真集でアラスカに引き付けられ、温暖化で沈みゆく島の2人の少女に出会う。故郷が沈むことを憂い世界にアピールするため北米最高峰・デナリに挑んだリタ。登頂後に消息を断ったリタにかけられた不名誉な疑惑。リタを慕うシーラと共に緑里は冬のデナリに挑む。彼女らが観たのは「完全なる白銀」、読み応えある山岳小説。一気読みの面白さ!お薦めです。
読了日:03月21日 著者:岩井 圭也
パルウイルスパルウイルス感想
コロナの収束が見えてきた頃、アメリカCDCの遺伝子工学研究者のカールは旧知の医薬品企業の副社長・ニックの依頼でシベリアの永久凍土から発見されたマンモスの肉片を調べた。そこにあったのは未知のウイルス。凶暴なエボラウイルスに似たそれの感染を阻止し、事態を収束させようと奔走するカールとバディのジェニファー。帯の「歴史上もっとも多く人の命を奪ったのは、戦争ではなくウイルスだ」との文章に納得。お薦め本!
読了日:03月22日 著者:高嶋 哲夫
ソロキャン! (朝日文庫)ソロキャン! (朝日文庫)感想
仕事のストレス発散のため子どもの頃から楽しんできたキャンプを再開した千晶。焚き火を眺めることが最高の癒やしという千晶、そこは秋川さんの描く絶品料理とお酒も加わり美味しそうな情景が目に浮かぶ。私も一人で過ごすのは好きだけど、キャンプは遠慮しておく。
読了日:03月23日 著者:秋川滝美
僕たちの月曜日 (角川文庫)僕たちの月曜日 (角川文庫)感想
お仕事小説の男性版アンソロジー。5編中既読が3編…。でも既読の3つは全部好きなものだったので満足。古市さんと小山さんは初読み、編者の吉田さんは良いチョイスをしている。
読了日:03月24日 著者:彩瀬 まる,一穂 ミチ,小山 健,夏川 草介,古市 憲寿
君のクイズ君のクイズ感想
クイズは大好きなのでとても楽しく読了出来た。クイズ番組の決勝で対戦相手がまだ一文字も問題が読まれないうちにボタンを押し正解し優勝。なぜ彼は正解出来たのか?八百長ではないのか?クイズにのめり込む人の心理や、クイズ番組の裏側など興味深く読めた。2023年本屋大賞ノミネート作。
読了日:03月24日 著者:小川 哲
逆転のバラッド逆転のバラッド感想
松山市内の港町にある古びた銭湯に集まるアラ還の男たち。銭湯の釜を買い替える為に融資を担当してくれた若い銀行員・丸岡の不審な死亡事件。ある日彼の同僚で婚約者だった礼美が銭湯に現れ、彼は殺されたのではないかと話す。その陰には大病院への不正融資が絡み、そのために消されたと。全国紙の記者・宮武を中心に男たちが動いて明らかになった真実。かなり面白く読了出来た。
読了日:03月26日 著者:宇佐美 まこと
奇跡奇跡感想
何だかなあ…。「僕たちは出会ってしまったんだ」かあ。梨園の妻で母親の博子と世界的な写真家桂一。うん、私には全く理解が及ばない遠い世界の方々の恋愛物語。才能あるこの奥さまご自身で自伝小説として書かれたほうが良いのでは?と言うのが正直な感想。
読了日:03月26日 著者:林 真理子
四日間家族四日間家族感想
ネットで繋がり山中で自殺しようと集まった老若男女。練炭に火をつけようとしたその時に聞こえた赤ん坊の泣き声。この子を生かそうと抱き上げた瞬間から4人の運命は変わった。誘拐犯の汚名を着せられネットで炎上、そして身元を特定され追われることに。悪意あるネットの書き込み、赤子を食い物にする組織、夏美を執拗に追うヤクザ。畳みかけるようにストーリーが展開して一気に読了!面白かった!
読了日:03月27日 著者:川瀬 七緒
家族家族感想
不在がちで兄を厳しく叱りつける父、兄を溺愛し心が不安定な母、今の時代なら何らかの発達障害と言われるであろう多動の兄。愛情に飢え怒声に怯える娘の視点で語られる家族。「兄の終い」を読んでいたので村井さんの家族のことを読めて良かった。
読了日:03月27日 著者:村井 理子
審議官審議官感想
大森署長から神奈川県警の刑事課長へと異動した竜崎を巡るスピンオフ9編。竜崎家の妻や子供たちの話もあってとても良かった。能力が無いのに威張る「審議官」を上手くあしらう話が面白い!竜崎の後任・藍本署長も登場、次作の「署長シンドローム」も手元に有るので読むのが楽しみ!
読了日:03月28日 著者:今野 敏
署長シンドローム署長シンドローム感想
竜崎という無二の署長の後任としてやってきたのはキャリアの藍本小百合。会う人を一瞬にして魅了する美貌と、とびきりの笑顔でお偉い方々を味方にしてゆく。羽田沖の海上で麻薬と武器の取引が行われるとの報で大森署はテンヤワンヤの事態になるも藍本署長は淡々と事に当たる。面白くて読みながら何度も笑った!竜崎さんの後釜は、やはりこのくらいインパクトがないとね!大森署シリーズとして続いたら嬉しい。
読了日:03月29日 著者:今野 敏
菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム (だいわ文庫)菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム (だいわ文庫)感想
菜の花食堂シリーズ第5弾。相変わらず靖子先生の推理は冴えている。木曜日のカフェタイムに現れる怪しい男性客、近所で頻発する空き巣事件、婚活女性の愛犬行方不明事件。優希は相変わらず天然だけど、それにしても川島さんとのやり取りはいつの時代の恋愛?まあ次が出たらまた読むと思うけど。
読了日:03月30日 著者:碧野 圭
此の世の果ての殺人此の世の果ての殺人感想
数カ月後に小惑星テロスが衝突する、しかも日本に。大混乱に陥った世界、そんな時にただ一人自動車学校に通い教習を受けるハルと教習を担当するイサガワ先生。年末に教習車のトランクから女性の他殺体が見つかり、ハルとイサガワ先生は謎を追うことになる。先が気になり一気に読了。第68回江戸川乱歩賞受賞作、荒木あかねさん初読み。
読了日:03月30日 著者:荒木 あかね

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