降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★最終版で「馬棚」が消えていた。

2014年07月20日 | 新聞


「おーーい、19日付の朝日新聞夕刊(東京本社版)見たかぁ?
『活版印刷じわり再評価』(←これは3版の見出し)の記事」=写真左
と知人3人からLINEトークが来た。
LINEで連絡、ありがとうございまーす!
(→ただ、同夕刊、配達エリアによってアタマを替えていたので、
「左カタの特集?」
「ん?トップだろ」
と3人と話が噛み合わないことも、笑)。
持つべきものは、活版仲間だよねぇ。

同記事にも出ていた凸版印刷の「印刷博物館」(東京・文京区)。
僕も行った。
実際に鉛活字を手拾いし、インテル(行間をつくる金属片)を挟んで、手作りカードを印刷する体験ができるのだ。
新聞社の活版で編集整理をしていた割には、僕は文選の活字棚から文字をうまく拾えなかった。
まあ、
同博物館は雑誌や書籍で使った「ポイント活字」、
僕たち新聞社組み版は「倍数活字(*1)」だから、多少大きさが違うのだけど。

「へぇー、細かいねぇ」と感じたのは、同夕刊の写真とエトキ(写真説明=キャプション)を一部差し替えていたこと。
最終版では「馬棚」がなくなっている。
朝日活版製作局にいらした年配者からのレクチャーかしらん。

3版=(上)「馬棚(うまだな)」から一つ一つ活字を選ぶワークショップの参加者=東京都文京区(右下)活版で印刷した名刺やカードは人気が高い(左下)「馬棚」に並んだ活字

4版=(上)4本足で支え馬の背のように見えることなどから、通称「馬(うま)」と呼ばれる棚。ワークショップの参加者は活字拾いを楽しんだ=東京都文京区(右下)印刷所で働き始めた石井裕美さん(左下)築地活字が考案した新・活字ホルダー


(*1)倍数活字=ばいすうかつじ
新聞社では活版組み版時代、「倍」という単位を使い、地紋・見出し・写真・組み版などを製作した。
現在でも人事欄などで使っている、小さな扁平活字の縦サイズが
1倍=88ミルス
1980年代以降に登場したコンピューター組み版CTSでは、11ミルスを1Uと換算し、8U(ユー=ユニットの略)とした。
つまり、1倍=88ミルス=8U。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。