降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★昭和の整理記者も達筆だった。

2012年03月21日 | 新聞
【20日付の続きというか、関連です。写真は本文と関係ありません】
伊集院静さん(62)も達筆だけど、ごくごく身近に達筆な人がいたことを忘れていた。

僕が新聞編集の仕事を始めた昭和のころ。
整理部の先輩記者は全員、達筆だった。
端末入力となった現在と違って、活字組み時代は
見出し、エトキ、凸台サイズ(←自分で書いて驚いたけど、CTS化以前はコレを組み版に用意してもらっていた!)
を半紙に手書きして製作局に出していた。

先輩記者たちは、赤サインペン、赤ボールペンが多かったけど、数人
つけペン! 赤いインク壺に浸して書くやつ!
のかたがいた。
この「赤インクつけペン」整理マンは実に達筆だった。365日毎日毎日、字を書いていたからだろうか。
スラスラスラスラ、たぶん伊集院さん以上。

原稿の手入れも赤つけペン、
見出し伝票も赤つけペン、
大組みゲラ直しも赤つけペン。
そのKさんの手・腕・シャツ・ズボンはいつも赤インクがついていて、僕は「カッコいいなぁ。職人だなぁ」と思っていた。

………………だけど、達筆な整理マンが「うまい紙面構成」をしたかというと、
そうではなかった(笑)。
(カッケーけど、もう少し段取りよく仕事できないかなぁ。また、降版遅れじゃん)
と、クソ新人の僕はクソ生意気にも思っていた。
天は二物を与えず。


(^-^)/