絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

「覇者」下巻 読了

2013-08-06 | 読書
「覇者」下巻を読み終えました。

井沢元彦さんの本は、「逆説の日本史」で知っていましたが、小説は初めてでした。
知人から、井沢さんは小説家でしょう?と言われてびっくりしました。

実にうまい文章で、読むのが苦手な私でも、読んでいることを忘れるほどでした。
大体の史実は知っているつもりでしたが、やはり、知らないことがたくさんありました。



武田信玄の息子の勝頼がどのように死んだのか、知らなかったので、これを読んでよかったです。
意外な死に方だったので、予想外でした。4万もいた兵がみんな逃げてしまって、最後は裏切られることの
連続で、自害でした。

織田も最後は戦わずして勝ったような形になりました。

結局、直江兼続の策略によって、上杉と組んだのが、致命傷になったようです。
織田、徳川、北条の連合によって、武田が危うくなります。それを上杉は助けなければならないのですが、
直江兼続が、援軍を送る際、勝頼にどこへ何人送ったらいいかの命令を出してくださいと使者を出します。

そのときの、言いぐさが、武田滅亡の危機という言葉を使って、勝頼を怒らせます。
そして、勝頼が、援軍なんかいらないと突っぱねるのです。
兼続の狙い通りになりました。

立場上、上杉は武田を助ける必要がありました。だから、しらばっくれているわけにはいきません。
しかし、一緒に戦いたくないのです。だから、援軍はいらないと勝頼に言わせる作戦を立てたのです。

益々、兼続に興味がわいてきました。
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武田には、松姫という人がいました。
織田信長の息子信忠の嫁になるはずの人でした。
織田が武田の脅威から逃れるために、信長は信玄に多くの贈り物をしたり、
幼い子供を後に結婚させる約束を取り付けました。
それが、この松姫だったのです。

この松姫は、その後、織田と武田の関係が悪くなって、結婚はできなくなりましたが、
それでも自分は織田信忠の嫁になるものだと言って、誰とも結婚せず生きてきました。

その松姫をめぐって、いろいろな場面が生じました。
それが描かれていました。
最後に源五郎が登場して松姫を助けるところは、痛快でした。
アンドロメダ姫をペルセウスが助ける場面を想像しました。

この部分は、脚色でしょうか?
しかし、捕まった松姫を望月誠之助が助けるあたりは、どうなのでしょう?
そうなら面白いなとは思います。

織田信長が本能寺の変で殺されるところで、この小説は終わりました。
続きを書いてほしいです。あるのかな?






コメント
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