「プリンセス・トヨトミ」万城目学著(文藝春秋)を読みました。
五月末日の木曜日、午後四時。大阪全停止。
長く閉ざされた扉を開ける鍵となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の空堀商店街に生まれ育った大輔、幼馴染の茶子でした。
内容について触れますので、未読の方はご注意ください。
万城目さんの最新作。京都、奈良につづき舞台は大阪です。
前二作が式神・言葉を解する鹿のように、精霊のような存在と現代の交差だとすれば、今回の話は「人間」が営んできた裏の歴史と現代の歴史との交差。
そして相変わらず、思いっきり「けったいな話」です。
大阪城の下にある大阪国議事堂。
大阪の男のふたりにひとりは大阪国の人間。
でも独自の文化を持つ町だから、ありえる・・・?ありえる!と思わず信じかけてしまうような空気、大阪ならでは。
同じように日本国内に独立国を樹立、という設定の井上ひさしさんの小説「吉里吉里人」では村の中に独自の財源がありましたが、大阪国では年間5億のお金が国から補助されているのです。ほら話もここまで来るとすごいスケール!
豊臣家の末裔を守る、という設定は「ダ・ヴィンチ・コード」に出てくる、キリストの末裔を守る秘密結社を思わせました。
旭は女性なのに大阪国と松平の対決の場面に同席していたし、プリンセスというあだ名もあったので、実は徳川側についたどこかの武家の末裔という設定で、プリンセス・トヨトミと対決!?なのかと思ったのですが、それは私の深読みしすぎで、なかったです。
坂道にある空堀商店街は面白い名前だし、フィクションなのだろうと思ったら実在するのですね。行ってみたいです。
登場人物の名前も万城目作品らしく凝っていて面白かったです。
「鹿男」に登場した南場先生も登場。
五月末日の木曜日、午後四時。大阪全停止。
長く閉ざされた扉を開ける鍵となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の空堀商店街に生まれ育った大輔、幼馴染の茶子でした。
内容について触れますので、未読の方はご注意ください。
万城目さんの最新作。京都、奈良につづき舞台は大阪です。
前二作が式神・言葉を解する鹿のように、精霊のような存在と現代の交差だとすれば、今回の話は「人間」が営んできた裏の歴史と現代の歴史との交差。
そして相変わらず、思いっきり「けったいな話」です。
大阪城の下にある大阪国議事堂。
大阪の男のふたりにひとりは大阪国の人間。
でも独自の文化を持つ町だから、ありえる・・・?ありえる!と思わず信じかけてしまうような空気、大阪ならでは。
同じように日本国内に独立国を樹立、という設定の井上ひさしさんの小説「吉里吉里人」では村の中に独自の財源がありましたが、大阪国では年間5億のお金が国から補助されているのです。ほら話もここまで来るとすごいスケール!
豊臣家の末裔を守る、という設定は「ダ・ヴィンチ・コード」に出てくる、キリストの末裔を守る秘密結社を思わせました。
旭は女性なのに大阪国と松平の対決の場面に同席していたし、プリンセスというあだ名もあったので、実は徳川側についたどこかの武家の末裔という設定で、プリンセス・トヨトミと対決!?なのかと思ったのですが、それは私の深読みしすぎで、なかったです。
坂道にある空堀商店街は面白い名前だし、フィクションなのだろうと思ったら実在するのですね。行ってみたいです。
登場人物の名前も万城目作品らしく凝っていて面白かったです。
「鹿男」に登場した南場先生も登場。