「お縫い子テルミー」栗田有起著(集英社)を読みました。
主人公はテルミーこと照美。彼女は依頼主の家に住み込み、服を仕立てる「流しのお縫い子」。生まれ育った島をあとにして歌舞伎町を目指して上京した16歳のテルミー。彼女はそこでホステスとして働き、店で歌う女装の歌手・シナイちゃんに恋をします。表題作のほかにアルバイトをして「ひと夏の経験」を買う小学五年生、小松君の夏休みをつづる『ABARE・DAICO』も収録されています。
テルミーの布への愛情、ひとつひとつ手縫いでつくるドレスを想像してうっとり・・・。テルミーのどうしてもかなわない恋心は私にはとても共感できました。
シナイちゃんに恥ずかしくないように生きていきたいと思い、その気持ちを抱えていく度量があるテルミーはすごい。私が16歳の時はとにかく恋愛を成就させようとやっきになって的外れなことをしていたような気がします・・・。
もっともっとテルミーのつくる洋服の世界に浸っていたい、続編が読みたいと思う作品でした。
『ABARE・DAICO』も小学校5年生にしては家の事情から、家事などをこなすしっかりした男の子が登場しますが、語り口がとぼけていて肩の力をぬいて楽しめます。
周囲の誤解から小松君が抱えたお腹の中のどろどろは、本当につらい体験だったろうと思いました。
でも「乗り越える」とか「回復する」とかじゃなく、心の傷は抱えていくお腹の広さをもたないといけないのかな・・・両作品を読んでそんなことを思いました。
主人公はテルミーこと照美。彼女は依頼主の家に住み込み、服を仕立てる「流しのお縫い子」。生まれ育った島をあとにして歌舞伎町を目指して上京した16歳のテルミー。彼女はそこでホステスとして働き、店で歌う女装の歌手・シナイちゃんに恋をします。表題作のほかにアルバイトをして「ひと夏の経験」を買う小学五年生、小松君の夏休みをつづる『ABARE・DAICO』も収録されています。
テルミーの布への愛情、ひとつひとつ手縫いでつくるドレスを想像してうっとり・・・。テルミーのどうしてもかなわない恋心は私にはとても共感できました。
シナイちゃんに恥ずかしくないように生きていきたいと思い、その気持ちを抱えていく度量があるテルミーはすごい。私が16歳の時はとにかく恋愛を成就させようとやっきになって的外れなことをしていたような気がします・・・。
もっともっとテルミーのつくる洋服の世界に浸っていたい、続編が読みたいと思う作品でした。
『ABARE・DAICO』も小学校5年生にしては家の事情から、家事などをこなすしっかりした男の子が登場しますが、語り口がとぼけていて肩の力をぬいて楽しめます。
周囲の誤解から小松君が抱えたお腹の中のどろどろは、本当につらい体験だったろうと思いました。
でも「乗り越える」とか「回復する」とかじゃなく、心の傷は抱えていくお腹の広さをもたないといけないのかな・・・両作品を読んでそんなことを思いました。