Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

熊本市長、「熊本市電と熊本電鉄との結節は必要」。

2006-12-09 06:45:57 | 鉄道(路面電車)
かなり前から構想は存在していた、熊本電鉄と熊本市交通局との接続。
具体的には熊本電鉄道を改軌・LRT化した上で、熊本電気鉄道藤崎宮前と熊本市電水道橋電停を結ぶ新線を建設して両者の直通運転を行うもの。
この構想が実現しなければ、熊本電気鉄道は鉄道事業からの撤退を表明しているだけに、今後の動きが気になっていた。

その続報が12月8日の毎日新聞熊本版に掲載されていた。
7日に開催された「熊本電鉄のLRTを考える市民研究会」に熊本市長自らが出席して「市電との結節は必要、国道3号の渋滞など、市域だけでは解決できない問題が多いが、なんとか解決し、前進したい」と前向きに発言。
これに対して熊本電鉄側からは「経営的には大変厳しいが、今年度いっぱいに方向性だけでも示してほしい」と熊本市へ要望が出された。

前回紹介した時から計画の検討が続けられていたことがわかる。
そのことがわかっただけでも良しという気持ちと、果たして熊本電鉄が現状の検討状況に満足しているかどうか疑問を持った。
記事中から読みとれる問題点を挙げてみると次のようになる。
・「LRT」という概念、そして必要性の理解
・LRT新線を敷設する国道3号線の渋滞問題
・熊本市と熊本電鉄の費用負担、国の補助規模

一つ目については「LRT」が未だに路面電車と誤解されている所があるが、それはシステムとしてのLRTが日本では富山ライトレールしか存在しないことに起因する。
つまり、実際にLRTに触れた人が熊本市の中でも少ないのげ原因だろうと思う。
二つ目については、3号線が一桁国道であることから国管理。拡幅するにしても改修するにしても国が動く必要があるが、その調整がどこまで進んでいるか。
三つ目については説明は不要だろう。
熊本市のトップが前向きな発言をしている以上、主体的に費用負担するものと思うが、大変厳しい経営状況の熊本電鉄が費用を出せるのか。また、国がどれだけ補助できるのかが未知数。
費用面については計画の熟度が高まれば具体的な話を聞くことができるだろうと思う。

ただ、計画自体は遅れが出ているようで熊本電鉄の意向通りに事は進んでいない模様。
本来の目標だと早い時期でのLRT化に道筋がつかなければ「撤退」を示唆していただけにトーンダウンした、もしくは常識的な線で話を進めていこうという印象がある。
「今年度中に方向性だけでも」という所に、そこに望みを繋ぎたいという同社の姿勢が見て取れる。
逆に構想断念、という事態になれば鉄道事業からの撤退、という基本線には変わりはないのだろう。

現時点では計画検討が少しでも進んでいることがわかっただけでも収穫、というべきか。
計画の実現予定時期は九州新幹線博多開業の2011年頃。
それまでにどのような道筋をつけてくるのか。
果たして熊本市外から熊本駅前までLRTが直通する日は来るのだろうか。

にほんブログ村 鉄道ブログへ

最新の画像もっと見る