Simplex's Memo

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堺市、LRTの経営予定者公募へ。

2007-02-20 06:36:02 | 鉄道(路面電車)
2010年に一部区間の開業を予定している堺市のLRT計画。
このLRTと阪堺電気軌道が相互乗り入れすることは既報のとおりだが、そのLRTの経営予定者を公募することとなった。

「堺市、新型路面電車の経営予定者を募集・2010年度に開業」(NIKKEI.NET、2/17)

堺市のLRT計画は市が軌道を敷設し車両を購入、民間が運営を担当する「公設民営型」を想定している。
それを踏まえた公募条件は次のとおり。
○安全運行と安定経営ができる既存の鉄道・軌道事業者
○会社更生法、破産法、民事再生法の適用を受けていないこと 等

「既存の鉄道・軌道事業者」となると、真っ先に候補として挙がってくるのが相互乗り入れ先の阪堺電気軌道。
しかも会社更生法等の適用は受けていない。
まずは同社を念頭に置いていると考えれば良いのだろう。

公募自体は3月1日~5日にかけて応募受付、事業計画書を市に提出。4月に経営予定者を決めた後、市民に説明し、合意を得たうえで基本計画を作るという。

阪堺電気軌道が堺市内に路線を持っているため、つい忘れがちになってしまうが全線新線のLRTは堺市の計画が国内初。そのことを記事を読んで改めて認識する。

経営予定者の応募から決定までのプロセスを見ると国土交通省が13日に国会に提出した「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案」での枠組みを先取りする形で進んでいると思える所もある。
例えば、経営予定者の決定に市民を関与させる等といった点に。

また、現行の軌道法では「公設民営」型のLRTは認められていない。
しかし、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案」が国会で可決・成立すれば認められるというから、こちらでも初の事例となる。

個人的にはLRTの経営予定者は相互乗り入れ先の阪堺電気軌道でほぼ決まりだと思っているが、それに対抗できる鉄道・軌道事業者が現れるかどうかに注目してみたい。
複数の事業者が現れれば、競合となるため「練られた」事業計画が出てくる可能性もある。

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