Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

豊橋の路面電車、世代交代いよいよ始まる。

2005-07-15 06:10:11 | 鉄道(路面電車)
現在、元名古屋市電の電車が主力となっている豊橋鉄道軌道線。
ここに3月一杯で廃止になった岐阜の路面電車が8両譲渡された話は既報のとおり。
これら8両は4月末~5月初旬にかけて豊橋鉄道赤岩口車庫に搬入され、整備・改造を行っていたが、このうち2両の運転開始日が明らかになった。
岐阜の路面電車は豊橋も含めて全国3カ所へ譲渡されているが、ここが一番早い稼働開始となる。

「来月2日、「豊橋市電」に部分(半)低床車両『モ801号』デビュー」(東海日日新聞、7/15)

まず、タイトルの正確さに驚く。
ほとんどの新聞記事が部分低床車も広島電鉄5000形(グリーンムーバー)のような完全低床車も一括りにして「低床車」と表現している事が多い中で今回はこの両者を区別して表記している。この記事を書いた記者は同好の士か、そうでなければよく勉強している人だなと思う。

それはさておき、話を元に戻す。
豊橋鉄道は、豊橋市の市制施行100周年を祝う「とよはし100祭提案イベント」の一環として名古屋鉄道から購入した「モ801」の営業運転を8月2日から開始する。
また、同時に購入した780形7両のうち1両も合わせて営業運転に投入する。
なお、記念発車式は8月2日午前10時30分から駅前停留場で開催する予定となっている。

また、これらの車両投入に合わせてダイヤも改正し、午前9時から午後3時までの運用車両を現在の時間当たり7両から8両に増やした上、運行間隔をすべて7分間隔に改める。
「モ801」は高齢者の利用が多い昼間帯を中心に駅前~赤岩口間に導入し、1日12往復程度を予定しているが、井原交差点を曲がることができないため、駅前~運動公園前の系統には投入されない。
ダイヤ改正により、運行本数は平日上下292本で現行から2本増、土休日は278本で現行から4本増となる。

8月2日に2両がデビューした後は順次車両の整備を行い、最終的には来年3月末までに整備が整った車両から順次投入していく予定となっている。

モ801については、塗装が岐阜時代と同じ塗装となったほかは外装の一部変更、ネームの変更といった若干の手直しを行っている。内装も岐阜時代からほとんど変更はないが、降車ブザーが新たに設置された。確かに美濃町線では必ず各駅に停車していたので必要のない装備だった。

780形については、既に画像掲示板等で改造中の781の姿を見る機会があった。
まず目についたのが名鉄時代に装備されていた連結器が完全に撤去され、そのスペースが完全に埋められている点。
これによって「普通の路面電車」に近づいたという感はなくもない。
しかし、大きなスカートはそのまま、連結器のあった場所を単に板で埋めただけであるため、いかつさは相変わらずという印象を持っている。
また、「Maruei」のラッピングが施されているため、名鉄時代の印象は大幅に薄れている。
「新車」と言われれば信じてしまいそうなぐらいに。
内装については800形と同様、降車ブザーを新たに装備していると思われる。
 
かくして、豊橋鉄道へ譲渡された元名鉄車の活動がいよいよ始まる。
それは今まで主役だった元名古屋市電車の「終わりの始まり」でもある。
9月以降、元名鉄車を1ヶ月1両ペースで入れて行けば確かに来年3月末には導入が完了する。
入れ替えが完了すれば、元名古屋市電の車両は全廃となる公算が高い。
元名古屋市電の車両が残るのはここだけだから、遂にその姿を見ることができなくなる日も近い。

今まで福井鉄道の方ばかりに目が行っていたが、そろそろ元名古屋市電車の記録に本腰を入れないといけないと思う。
これまでは「豊橋に寄ったついで」、「渥美線に乗ったついで」で豊橋の路面電車を撮っている事が多かったので。



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