Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

見たことないなぁ

2013-04-29 | Others
 一緒に歩いていた仕立屋の親方(普段は社長と呼ばれています)が、その辺の店の男性に近づいて行って何を言うのかと思ったら、「バラが似合うね」と小さく声をかけました。
初対面の相手は、もちろん怪訝な顔をしています。
少し行ってから、私が「あれ、母の日用の作りもののカーネーションですよ」と言ったら、
「ハッハッハ、そうか」ですって。
オカシイネ、サッチャン。



店の人が「お客さんが色々ないものを言ってくるのは、買う気がない時なんだよ」と語っているのが聞こえました。
確かに、昔からそんなことを言います。
でも待てよ、という気持ちが頭をもたげてきたのは、自分がどこかで見たことがあったり、過去に持っていたものを捜す場合、相手になかなか通じないと自分も同じような応対をうけたような気がしたからでしょう。

数か月前も、他所でちょっとした物を作ってもらおうとした時、工場との間にはいった人が「そういうのは見たことがないですねぇ」とか言うので、昔はいくらもあった型らしいですよ、となだめすかしながら何度か説明を繰り返してどうにか形になってきました。

しかし、どうしても出来ないという箇所があって、そこだけ他所にお願いました。
やはり人の力と申しますか、人の手先が生み出すものなので、最終的には経験や勘のすぐれた人に頼ることになります。

しかし、またもやどんなに説明しても、
電話の向こうの職人さんが、「納得いかねぇなぁ」とかコワイこと言ってるので、
「じゃあ、明日見本に現物送りますよ。でも、基本的にその指図書どおりで」
と根気よくお願いします。
案の定、指定した部分がどちらかといえばサンプルとして送った現物に似て上がってきました。
「ダカラ見セタクナカッタノヨ、アレホドイッタジャナイ.......」
でも最終的に納得してもらえたようで、それが良かった。
そんなこんなで、やはりこの道は職人気質の人に助けられて今日も暮れていきます。

数日後、アーヴィング・ペンの写真集をパラパラめくっていたら、私が説明していた型とほとんど同じものを着て写る人物写真を見つけます。
すぐに相手に見せられないのを残念に思いながら、思わず「ほら、こんなとこにもありますよ」と心の中で呟きました。


この画像を作った週は、ラッキー・カラーが黒だったんです。

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