Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

Tweed

2020-10-13 | 生地
今週末再び11月なみ、という予報です。
前回急に下がった時は、例年のことですがほっとしたような寂しいような気分が入り混じりました。
この先も上がったり下がったりを繰り返しながら、気がつくと重いものを着てるかも知れません。

仕事がら、色々な自然素材を扱ったり着たりします。
もちろんカシミヤのように滑らかな手触りが心地良いのは言うまでもありませんが、正反対の手触りを持つツィードの好ましさは年とともに増して、偏愛は募るばかりです。

海外の方があげていた画像で、少し山の中のような景色がありました。
石造りの橋がさほど大きくない緩やかな流れに架かり、周辺は苔や草木の緑が基調になって、紅葉し始めた黄から朱までのグラデーションを引き立てています。
それを見て、朱は入ってませんがすぐこの生地を思い出しました。



ツィードメーカーのひとつ、1826年創業のLovatというミルはこう記しています。

"The designing echoes the slate greys, blues and browns of the stone buildings and cobbled street of the historic Scottish border town."

何といっても、まずその自然や街に溶け込む色合いが良いです。
またフランネルやコーデュロイ、カバートのような素材でうまく色の合ったパンツと合わせた時、引き立て合うコンビネーションも良いですし、さらにセーターを合わせ心地よいハーモニーのような効果が得られた時は楽しく知的な作業ともなります。






 
上の朱で思い出しましたが、何年か前イギリスの小さなマーチャントが「映画の衣装に使って残ったから」というので全量、といってもほんの数メートルですが引き取ったのが下の生地。
あえて作らなくてもどこかのバンチにありそうなオーソドックスな色柄で、どこかイギリスの田舎を舞台にしたテレビ映画のことかななんて妄想も働きますが、何の作品か定かではありません。


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