Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

The Man in Charcoalgray Tweed.

2011-09-04 | Others
 世界陸上を観ていたら、ミフネビッチという砲丸投げの選手がいました。
「世界の」とか冠もつかないし、「うーん、寝てみたい」とかも言ってません。
ただ、砲丸を投げるだけなんですが.......

ここ二週間ほど、欠かさず飲んでいたのは葡萄酒でも麦酒でもなく、風邪薬でした。
飲み過ぎで気持ち悪いです。
健康第一でございます、季節の変わり目につき、皆様もご自愛ください。



先日、三年振りくらいの人に会うと、その間あった様々な出来事を聞かせてくれました。

学生の頃、アルバイト先で出会った営業マンがいます。
彼は社会人一年目でしたが、必要な相手には驚くほど如才ない、そして普段はちょっと生意気なくらいプライドの高い男でした。
初対面の日もその後も、その頃DCブランドと呼ばれたメーカーの、チャコールにペインのかかったツィード・ジャケットをよく着ていました。
気位が高くとっつきにくいながら、次第に口をきくようになってからかったりすると、はにかむ中にいい味を持っていることが分かってきます。

しかし基本的には、他社より楽に業績を上げ出世してみせる、と酒席で言えるような会ったことのないタイプでした。

ある日、私より若いけど私の上司と呼んでいた女子と、デートしたいけど橋渡しを頼めないかと、ほんの少しだけテレながら言ってきました。
それから数年の紆余曲折をへて結婚し、女児をもうけます。

仕事では言葉通り、日経に名前が載るていどには着実に出世を遂げたそうです。

その日聞いた話のひとつは、その彼の訃報でした。
身体の不調に気づいた時には、手遅れだったとのこと。

小学生の娘をのこして逝くのは、心残りだったでしょう。
しかし、知らない人からは不遜なくらいに受け取られたに違いない態度も、人知れず努力して得たであろうポジションも、みんなあの社会人一年目に言っていたとおりなのでした。



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