昼休みの廊下。
バッグを背負っている先輩とタイミング悪く出会ったので、
午後から休むんですか?
と話しかけてみたら、
え?何のこと?
今から出勤よ、出勤。
何言ってるの?
どうしたの?
と目を見開いて矢継ぎ早に返してきた。
やれやれ…。
重たそうなバッグですね〜
と切り返してみたが、これまた、
え、何?
全然重たくないよ。
地球の感覚で言ったらダメよ。
月にいる感覚にならないと。
???
うかつにも私の思考は停止してしまった。
ダメだなあ。
地球と月のスケールで会話ができないとー。
それが先輩の最後のセリフで、
私は苦笑すらできず、
会話が終了した。
先輩は相手によって態度が変わるが、
私に対する、この受け入れなさには
心底驚かされる。
喋りかけるんじゃなかった…
と後悔したのは言うまでもない。
モヤモヤしながらタバコを吸いに公園へ。
帰ってしばらくすると、
さっきのやりとりの反省なのか、
全くそうでないのか、
珍しく私に腰痛の話をしてきた。
それが何と、
〇〇さんが鍵バットで腰打ってくれたら、
腰治るかも。
何じゃそりゃ。
せっかくの貴重な声かけなので、
さっきのことは忘れて、
いつものように同調し、共感して返すことに徹したら、
意外や意外、
やりとりが続いた。
その流れで、
先輩が取り仕切っている校正業務の、
私の担当分がちょうど終わったため、
他の分も手伝いましょうかと切り込んでみたら、
とても好意的に対応してくれた。
その流れのおかげで、
ひとまず今日のモヤモヤは吹っ飛んだ。
何だかよく分からないが、
運良く
先輩の声かけと、
私自身の業務遂行に助けられたような結果となった。
分かっている。
先輩は、
かまってちゃん。
自己承認欲求の塊。
分かっているが…
私にはやっぱり扱いが難しいなあ。
やれやれ。