いっぽいっぽまたいっぽ

今年度44歳。14年前に地元の役所に就職した田舎者が、巨大組織で働きながら、日々思うことを綴る日記です。

申請したけれど取り下げたAさん

2010-08-17 21:38:29 | 日記
生活保護の申請をしたけれど、

何らかの原因があり、申請を取り下げるということが時々あります。



わたしは今回、初の取り下げを経験しました。



40代のAさんは、

車を持っていた方でした。

過去にもブログで触れたかと思いますが、

生活保護を受ける場合、自動車などの、

いわゆる資産となるものの保有は認められません。



生活保護の大前提として、

その人の、持っている資産を全部使い切って、

それでも生活できない場合しか、適用されません。

ただし、その人が自立しそうな場合、その自立を促すことにつながるようであれば、

一定の条件のもと、資産の保有を認める場合があります。



Aさんは現在無職なので、自動車を持つ理由がなく、基本的に保有は認められません。

ただし、すぐに就職して自立するため、しばらく保有を認めてほしいと訴えがあったため、

しばらくは保有を認める予定でした。

しかし、もし何ヶ月も就職が実現しない場合は、

売却、廃車などの処分をしてもらわねばならないことも伝えていました。


申請時からAさんは、そこがずっと引っかかっていたようで、

就職できない日がずっと続いた場合、処分しないといけなくなることに、

「納得がいかないな~」と不満そうにつぶやいていました。


申請してから1週間後、

Aさんから「よく考えてみるから、1週間考えさせてよ」と言われ、

待つことちょうど1週間。

改めてAさんに、申請をどうするか確認したところ、

「就職が見つかりそうだし、もういいよ。車手放したくないし。」

と、生活保護の申請を取り下げるとの返事をもらいました。



おそらく現時点で、Aさんは生活保護を受けられる経済状態ではあると思います。

ただし、本人に受ける意思がない以上、こちらが強制して受けさせるものでもありません。

世の中には家計が苦しくても、努力して生活しておられる方もいるわけですから。

あくまで申請行為であり、受けるのはその人の意思です。



なので、Aさんから辞退書を書いてもらいました。

近々取り下げの処理が完了する予定です。


Aさんが無事就職し、これからまた相談に来ることのないよう、願うだけです



コメント
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