【今朝の５本】仕事を始める前に読んでおきたい厳選ニュース 2024年7月9日 6:00 JST

【今朝の５本】仕事を始める前に読んでおきたい厳選ニュース
大塚美佳
2024年7月9日 6:00 JST

バイデン氏が選挙戦継続を表明、米株は選挙までに10％下落も
米インフレ期待低下、フランス政治混迷へ、ＴＳＭＣ１兆ドル



US President Joe Biden speaks at Mt. Airy Church of God in Christ in Philadelphia, Pennsylvania, US, on Sunday, July 7, 2024. Photographer: Hannah Beier/Bloomberg

「私はどこにも行かない」。バイデン米大統領は民主党議員に充てた８日の書簡でこう言明。どう前進するのかという議論はそろそろ終わりにするべきだとし、別の候補者擁立を模索する党内の動きを改めて強くけん制しました。モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は米大統領選などを巡る不透明感を背景に、株式相場の調整に備える必要があると指摘しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい５本のニュース。
「戦い抜く」

バイデン米大統領は民主党議員に充てた書簡で「私はこのレースに残り、最後まで戦い抜き、ドナルド・トランプを打ち負かすことを固く誓う」と表明。ＭＳＮＢＣにも予定外に電話出演し、党内から不満の声が漏れていることに苛立ちを見せるとともに、過去数日に行った集会を通じて有権者が自身の選挙戦継続を望んでいることを確信したとも述べた。週末には、民主党有力下院議員のうち数人がバイデン氏撤退を望む考えを新たに示していた。
10％調整も

米株の見通しについて、モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は「大統領選挙までに10％の調整が入る可能性は高いだろう」と発言。７－９月（第３四半期）は「平たんではない」との見方を示した。「これから年末にかけて株価が上昇する可能性は非常に低い。通常よりもはるかに低いだろう」とブルームバーグテレビジョンのインタビューで述べ、年末の株価が現在の水準を上回る確率は20－25％と予想した。
連続で低下

米消費者の今後１年間のインフレ期待は、６月に２カ月連続で低下した。住宅価格やその他の生活費上昇に対する見通しが軟化した。ニューヨーク連銀のデータによれば、１年先のインフレ期待は６月に３％と、前月の3.2％から低下。昨年12月から今年３月までの水準に戻った。この調査結果は、今年第１四半期に予想以上に根強かったインフレがここ数カ月に減速したことを示すデータと一致する。
政治的混迷

フランス国民議会（下院）選挙決選投票の結果、明確な多数派を持たない分裂議会が誕生したことで、同国は長期にわたる政治的混迷へと向かっている。マクロン大統領は総選挙について、フランスの政治状況を明確にするためのものだと述べていたが、むしろ可能な政権の形を探る数週間にわたる交渉の幕開けとなった。政治アナリストのアントニオ・バローゾ氏は「極端な事態は回避された。しかし問題は、政権成立への簡単な道がないことだ」と話した。
時価１兆ドル

台湾積体電路製造（ＴＳＭＣ）の時価総額が一時１兆ドルに達した。８日のニューヨーク株式市場でＴＳＭＣの米国預託証券（ＡＤＲ）は一時4.8％上昇。年初来では80％を超える値上がり。複数の金融機関が同社の目標株価を引き上げている。アップルやエヌビディアに重要な半導体を供給するサプライヤーとして、ＴＳＭＣは人工知能（ＡＩ）に投資する世界の投資家から選好されている。
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米国株、ダウ反落し31ドル安 FRB議長発言など見極め ナスダックは最高値 米国・欧州株概況 2024年7月9日 5:47

米国株、ダウ反落し31ドル安　FRB議長発言など見極め　ナスダックは最高値
米国・欧州株概況
2024年7月9日 5:47

【NQNニューヨーク=川上純平】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比31ドル08セント（0.07%）安の3万9344ドル79セントで終えた。週内にはパウエル米連邦準備理事会（FRB）議長の発言機会や物価指標の発表があり、持ち高調整の売りが優勢だった。半面、米株相場の上昇に対して出遅れ感のある銘柄への買いが目立ち、指数を下支えした。

FRBのパウエル議長が9〜10日に上下両院で議会証言に臨むほか、11日には6月の米消費者物価指数（CPI）が発表される。市場では「物価指標がインフレの高止まりを示せば株高の継続に問題が生じる」（ミラー・タバックのマシュー・マリー氏）との指摘がある。一連の重要日程の内容を見極めようと、多くの投資家が慎重姿勢を強めた。

もっとも、ダウ平均は上昇する場面があった。インテルが6%高となり、投資家心理を下支えした。アナリストが今後の出遅れ修正が期待できる人工知能（AI）関連銘柄としてインテルを挙げたことが材料視された。ホーム・デポやダウにも出遅れ感に着目した買いが入った。

前週末発表の6月の米雇用統計は労働需給の緩和を示した。賃金インフレが落ち着き、FRBが利下げに転じやすくなるとの見方が根強いのも支えとなった。

そのほかの個別ではナイキやセールスフォース、ビザが下落した。マクドナルドやシスコシステムズにも売りが出た。半面、トラベラーズやIBM、プロクター・アンド・ギャンブルは上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。前週末比50.979ポイント（0.27%）高の1万8403.738で終え、連日で最高値を更新した。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス（AMD）といった半導体関連の上昇が目立った。

多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は前週末比5.66ポイント（0.10%）高の5572.85と連日で最高値を更新した。主力株の一部には利益確定売りが出やすく、指数の上値は重かった。

電力予備率、一時３％割れ＝猛暑で使用急増―東電・関電管内 2024/07/08 19:51時事通信

電力予備率、一時３％割れ＝猛暑で使用急増―東電・関電管内
2024/07/08 19:51時事通信

　東京電力パワーグリッド（ＰＧ）は８日、管内の電力供給の余力を示す予備率が、最低限必要とされる３％を同日午前に下回ったと発表した。猛暑で冷房の使用が急増し、一時２．７％まで低下した。他エリアからの電力融通や火力発電所の追加稼働などにより、正午前には３％超に回復した。関西電力送配電管内でも一時３％を割った。

　３％未満は政府による「電力需給逼迫（ひっぱく）警報」の発令基準に相当する。東電ＰＧは午前に、関西電力送配電は午後に、それぞれ中部電力パワーグリッドからの電力供給を受けた。９日は東電ＰＧ管内で一時４．２％に低下する見通し。　

ウォール街の為替トレーダー、アルゴリズムで代替可能－新時代に突入 2024年7月8日 12:36 JST 更新日時 2024年7月8日 15:31 JST

ウォール街の為替トレーダー、アルゴリズムで代替可能－新時代に突入
William Shaw、Alice Atkins
2024年7月8日 12:36 JST 更新日時 2024年7月8日 15:31 JST

為替スポット市場取引の75％余りがアルゴリズムで処理されている
ヘッジファンドの半数近くが為替取引の執行にアルゴリズムを用いる

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フランスの銀行ＢＮＰパリバでは、「バイパー」という名前のトレーダーが同行の為替取引業務を今や幅広く担当している。

　　バイパーと「イグアナ」、「カメレオン」は、ＢＮＰのシステムに依存する何百ものヘッジファンドマネジャーや企業の財務担当者を楽にするために開発されたアルゴリズムのコードネームだ。

　　爬虫（はちゅう）類にちなんで「レックス」と呼ばれるトレーディングツールは、１日７兆5000億ドル（約1205兆円）の資金が動く外国為替市場でＢＮＰの優位を確立したが、三つのアルゴリズムはその内部で作動する。

　　ＢＮＰだけではない。ＪＰモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループのようなライバルもアルゴリズムテクノロジーを導入している。シタデル・セキュリティーズやＸＴＸマーケッツといった新興のマーケットメーカー（値付け業者）が最近数年で為替に次々参入しており、ウォール街の古参の金融機関にとって、アルゴリズムは顧客の満足のために不可欠な要素となっている。

　　ＢＮＰで外為アルゴ・エクセキューションサービシズのグローバル責任者を務めるアシフ・ラザク氏は「１人のトレーダーが価格を知るために10の異なるスクリーンを見るのはやや難しい。執行が必要な注文のバスケットをレックスにアップロードすれば、クライアントに約定プランが示される。 この注文にはカメレオン、この注文にはバイパーを用いようという具合だ」と説明した。
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ＢＮＰパリバは第５世代のアルゴリズムトレーディングシステム「レックス」を用いる
Photographer: Vivian Wan/Bloomberg

　　データ不足のため株式市場のようには為替市場を自動化できないと銀行は何十年も嘆いてきた。しかし、最近数年でアルゴリズムの採用が急速に進んだ結果、状況が変化しつつあり、そのペースも速い。新型コロナウイルス禍前の段階で、為替取引の執行にアルゴリズムを用いるヘッジファンドは全体のわずか22％に過ぎなかったが、今では半数近くが利用する。

　　イングランド銀行（英中央銀行）を 「オールドレディー」、対米ドルで10億ポンド（約2055億円）を買い上げるプロセスを「ヤード・オブ・ケーブル」と呼ぶスラングを多用し、ビッドを叫ぶ日々を過ごした陽気なトレーダー、バローボーイズの時代は遠い昔の話になってしまった。

　　為替スポット市場の取引の75％余りがアルゴリズムで処理されるようになり、コンピューターが発する音とキーボードの操作音が、トレーディングフロアの日常的なＢＧＭとなった。
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ＢＮＰで外為アルゴ・エクセキューションサービシズのグローバル責任者を務めるアシフ・ラザク氏

Photographer: Vivian Wan/Bloomberg

　　新たな時代は、ウォール街の巨人にとってマイナス面がないわけではない。仕事の多くの部分を機械がこなし、トレーディングデスクが為替取引で毎回稼ぐ金額は過去に比べるとかなり減る。人間が介在しないことは、ボラティリティーが極端に高まる場合は特にそうだが、何かうまくいかなくなるリスクを高める。

　　ロンドン大学クイーン・メアリー校を卒業したラザク氏は、ＵＢＳグループとシティグループで勤務した後、人工知能（ＡＩ）の上級学位を取得し、ＢＮＰ入りした。トレーダーがポジションのヘッジやリスク管理をより適切に行えるようアルゴリズムの構築に当初は力を注いだ。

　　その後間もなく、ＢＮＰはそれらのアルゴリズムをリパッケージし、顧客が利用できるようにしようと決めた。バイパーとイグアナ、カメレオンの誕生だ。

FX Has Grown to Become World's Largest Financial Market

These days, volumes are 14 times bigger than they were 30 years ago

Source: Bank for International Settlements



　　国際金融市場で最大の規模を誇る外為市場において、これを金融機関が正しく理解する重要性は誇張してもしきれない。ウォール街のトレーディングデスクは、このビジネスから四半期ごとに数十億ドルを稼ぎ出しており、ヘッジファンド大手や企業の財務担当者とも強いつながりが持てる数少ない市場の一つだ。

　　アルゴリズム取引に期待する顧客が増えており、技術開発可能なチームを編成する金融機関の競争が既に動き出したことをそれは意味する。

　　ニュー・チェンジＦＸのポール・ランバート最高経営責任者（ＣＥＯ）は「銀行にとっては考えるまでもないことだ。兵器開発競争と分かっているからテクノロジーに資金を注いでいる」と指摘した。

Technology Advancements Create Fierce Competition

Number of currency trading venues climbs to around 90 from 20 in 2012

Source: ION Markets

　　ＢＮＰでは、三つのアルゴリズムはいずれも異なる特徴を備えている。バイパーは、取引に積極的であることを望んだり、リスクの高いポジションから素早く手を引きたいと考えたりするケースで利用できる。カメレオンは、より規模の大きい取引を実行し、大きな変動を起こさずにゆっくり市場に流れ込ませる場合に適している。

　　最後に構築されたイグアナは、顧客が特定の時間軸で特定の取引を実行したいことは分かっているが、その時間軸の範囲内でいつ取引を行うのがベストか確信が持てないケースに向いているという。

原題：Traders Are Being Replaced by Algos Like Viper in New FX Era（抜粋）
(三つのアルゴリズムの特徴を追加して更新します)

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バイデン氏撤退を望む民主党下院議員、じわり増加－米大統領選 2024年7月8日 11:59 JST

バイデン氏撤退を望む民主党下院議員、じわり増加－米大統領選
Billy House、Erik Wasson、Akayla Gardner、Alicia Diaz
2024年7月8日 11:59 JST

下院民主党トップのジェフリーズ院内総務がオンライン会合開催
９日には民主党下院議員の全体会合開催とＮＡＴＯ首脳会議開幕

米下院民主党トップのジェフリーズ院内総務は７日午後、非公開のオンライン会合を開催し、同党有力下院議員のうち数人が11月の大統領選で再選を目指すバイデン大統領に撤退を望む考えを新たに示した。

　　会合の様子に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、バイデン氏撤退を求める民主党下院議員はこれで計９人に増えた。その中には下院の各委員会で党トップの筆頭理事を務める議員も含まれている。

　　先月27日のトランプ前大統領との討論会でバイデン氏のパフォーマンスが精彩を欠いたことを契機に、比較的重鎮とされる議員の中にも同氏以外の新たな候補擁立を望む動きが徐々に広がりつつあることが示された。
Biden Pushes On To Pennsylvania As Pressure From Democrats Rises

フィラデルフィアの教会を訪れたバイデン米大統領（７月７日）
Photographer: Hannah Beier/Bloomberg

　　バイデン氏はこうした撤退要求にもかかわらず、立候補を辞退する考えはないと繰り返し表明している。だが討論会以降、年齢や職務執行能力について民主党内でも懸念が増したバイデン氏は、今週もクリアしなければならないハードルを幾つか抱えている。

バイデン氏に撤退迫れるか－激戦州の支持率は改善、苦境深まる民主党

　　議会休会明け８日には、議員がワシントンに戻ってくる予定で、９日午前には民主党下院議員全員が参加する定例会合が開かれる。

　　７日のオンライン会合の参加者は11月の下院選で議席を失うリスクが小さい議員が大半だったが、９日の会合には激戦が見込まれる議員も含まれ、同党下院全体としてのムードが一段と明確に示されると考えられる。

　　現在少数ながらも民主党が多数派となっている上院よりも、11月の選挙での多数派奪還に強い期待を抱いていた下院の方が同党議員の間の焦りが濃厚となっている。ジェフリーズ院内総務の報道官は７日の会合について、非公開であることを理由にコメントを控えた。

　　９日からはワシントンで北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）首脳会議が開催され、バイデン氏は開催国として会議を取り仕切る。会議に参加する首脳や当局者の一部は、先月にイタリアで開催された主要７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）の際、バイデン氏の高齢や注意力について舞台裏で懸念を表明していた。

バイデン氏がペンシルベニアを訪問－民主党議員からの撤退圧力強まる

原題：More House Democrats Want Biden Out of Race as Tension Rises (1)（抜粋）

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