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きのうを思い、きょうを実感し、あすに想いを馳せよう。
若年性或いは老人性痴呆症にならない為にもね?

songzhaoのボケ封じ数学講座第61講

2007年12月10日 | Weblog
 国語的発想で信頼度が増すと言えば、信頼性が高まるという意味ですが、統計で信頼区間を大きく採るということは、棄却域を狭めることであり、どうしようもない石ころと高価な玉が混在する可能性が増すことを意味します。前講の問題で棄却域を0.05とか0.10に広げて試してみてください。

 さて、今回の演目は『2種類の誤り』とします。

 一般に、仮説H0について検定するとき、棄却域5%(0.05)でH0を棄却したということは、

 (1)H0が正しいのに棄却してしまったという誤りをおかす確率が0.05に等しいということにほかならない。

 (2)H1が正しいのに、H2を採択してしまった誤りをおかす可能性がある。

 (1)の誤りを第1種の誤り、(2)の誤りを第2種の誤りという。
 第1種の誤りをおかす確率は棄却域によっておさえることができるが、第2種の誤りをおかす確率については別に考えなければならない。

 例えば、1つのサイコロを30回投げたとき、そのうち6回だけ1の目が出たとする。このとき、仮説

 H0:p=1/6 に対し、対立仮説H2:p>1/6
 をとれば、片側検定の方法によって、仮説H2は棄却域(有意水準)5%(0.05)で採択される。x=6は棄却域x=>8.35に入らないからである。

 ・・・・それでは、忙しい時間を割いてこしらえた前講までのプログラムをONしてみましょう。
 
 メニュー画面から1を選択して、30C6*(1/6)^6*(5/6)^24
(サイコロを30回投げて、1の目が6回だけ出る確率)を計算してみると、二項分布から求めた確率は、0.1600・・、 平均5、 標準偏差2.04、 このときのxは 5.5<x<6.5 Zの指標は 0.24<Z<0.73 となります。・・・・メニュー画面に戻って、5を選択して、棄却域(有意水準)を0.05とし、片側検定を選択して、xの平均5、 xの標準偏差2.04 から棄却域を求めると、x>=8.34となります。
 したがって、仮説H0は有意水準(棄却域)5%(0.05)で採択されます。故に、第1種の誤り、すなわち、サイコロが正しくできているのに正しくないと誤りをおかす確率は0.05等しい。

 ところで、この場合の第2の誤り、すなわちサイコロが正しくできていなかったのに正しいとしてしまう誤りはどうだろうか。たとえ、サイコロが正しくできていなくても、「30回中6回だけ1の目が出る」ということは起こりうるのだから、この誤りをおかす可能性も残っている。
 しかし、対立仮説がH2のままではこの誤りをおかす確率を見積もることはできない。対立仮説をもう少しはっきりした形で立てておく必要がある。

 例えば、対立仮説を H3:p=1/3 としてみよう。

 この変なサイコロ(1の裏側が1、2の裏側が2、3の裏側が3の立方体)を30回投げたとき、1の目が出る回数をxとすれば、xの平均は10、 xの標準偏差は約2.58となります。

 ・・・・さてここで、メニュー画面より3を選択してxの範囲 0<x<8.34、 xの平均10、 xの標準偏差2.58を入力して確率を求めると、0.2610・・・となります。・・・・これが第2種の誤りをおかす確率だといいます。(私は統計を扱う現場に身を置いたことがないので、第3の対立仮説H3の設定がどのような基準で立てられるのか全然分かりません)