そろそろ

路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信のブログ

身を切るような痛みを感じる「お別れ」

2023-08-26 12:26:17 | お茶の水博士と歩く楽器街
脳科学者の中野信子さんが、
異常な楽器コレクターについて語った時、
以下のような考え方を提示していた。

「自分が所有する」のではなく、
「長い美術史のなかで今、一時的に
自分がお預かりしているのだ」と捉える
雰囲気があるそうです。

自分がその作品を迎えるというのは、
それを大切に維持し、
次世代に繋いでいく歴史的な使命を全うする

青柳さんは、大してお金はないけれど、
「欲しい」と思ったギターは、
機会を待ち、無理に作って手に入れてきた。

ギター貧乏という言葉を使う人も
いるが、正に、それか?

ギターを買うために、無理して、
無理して働いてきたと言ってもよい。

それは、結構、苦しい毎日で、
若い頃は、電話をとめられることなど、
1回や2回ではなかったし、
手に入れるために、
安飯で凌ぐのは当たり前であった。

でも、ここ数年、楽器が異常に高騰して、
昔、無理して手に入れた楽器が
2倍、3倍になり、ちょっと発想も変わってきた。

今、57歳。
後、何年、生きるのかを
リアルに考えるようになって、
「この子達をいつかお返しする時がくるのか」と
思うと、中野jさんの話した考え方も
「まぁ、そうかな」と思える。

でも、いつ、どんな形で、その時を迎えるのか。
突然、自らの身体が果てて、
親族がその作業を行うのか。

どうせであれば、自ら、その作業をした方が
よいのだろうか。

でも、それって、身を切るような感情になるのだろうね。
嗚呼(笑)。

路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信


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