富山きのこクラブ

富山のきのこ情報・きのこ料理の情報が集まります。

ニセショウロ属の和名

2007年12月12日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様へ
植物園の橋屋です。
昨日、送られて来た日本菌学会会報に、山口の勝本先生が書かれた「ニセショウロ属きのこ2種の正しい和名」という資料が載っておりました。
これには、これまで不適切な語が入っているとして和名の変更が望ましいとされていた、ツチグリカタワタケとザラツキカタワタケの出典を探ると、それぞれはツチグリカタカワタケ(土栗硬皮茸)とザラツキカタカワタケ(ざらつき硬皮茸)で、不適切な語は入っていないことを書かれています。
ですので、これまで使われていたツチグリニセショウロやショウロダマシは「別名」ということにするのが望ましいということです。
以下に整理すると、
Scleroderma polyrhizum Pers. ツチグリカタカワタケ
   別名:ツチグリニセショウロ
   誤名:ツチグリカタワタケ
Scleroderma verrucosum (Bull. : Pers.) Pers. ザラツキカタカワタケ
   別名:ショウロダマシ
   誤名:ザラツキカタワタケ
ということになります。
また今回の菌学会会報には、糟谷・竹橋・山上 各氏による「日本から再発見された3種のスッポンタケ属菌」があり、ここには富山県で採られたアカダマノオオタイマツの標本引用がされています。
また同封されて来たMycoscienceの資料には、竹橋・糟谷・柿嶌 各氏による「Marasmiellus mesosporus, a Marasumius-blight fungus newly recorded from sand dunes of the Japanese coast」があり、ここには富山県と石川県で採られたスナジホウライタケ(元のカヤネダケ)の標本引用があります。

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


氷見市島尾のアラナミケシボウズタケ

2007年12月11日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様へ
植物園の橋屋です。
2007 一昨日(9日)、黒川さんらが氷見市島尾の海岸でアラナミケシボウズタケを採られ、昨日橋屋も標本をいただきました。
氷見市では過去に泊と宇波で栗林さんが、島尾に接した柳田で伊藤さんが同じ種類を採っておられますので、広い地域に発生するのかもしれません。
しかし、ケシボウズタケの仲間は海岸などの砂地に発生するため、環境の変化ですぐに発生しなくなるようです。
このMLを読まれて、「あれはナガエノケシボウズタケ(=ナガエノホコリタケ)ではなかったのか?」と思われる方があるかと思いますので、再度書かせていただきます。
これは先日書きましたシモフリヌメリガサとフユヤマタケと同じ関係で、アラナミケシボウズタケという「種」の中にナガエノケシボウズタケという亜種があるのです。この2種(正確には2亜種)は生育環境が異なることで、狭義のアラナミケシボウズタケが砂浜に見られるのに対し、亜種のナガエノケシボウズタケは草の生えた砂地の草原などに見られるようです。ですから、橋屋はこの2亜種を区別せず、一括した名前(広義の)のアラナミケシボウズタケを使っています。
きのこの分類は難しいですね。

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


シモフリヌメリガサ?

2007年12月10日 | きのこ

きのこクラブの皆様こんにちは
黒松の下の草むらに群生していました。
場所は富山市草島
Img_11962_2 Img_12031 傘:表面は粘性、オリーブ色.。柄:不完全なつばあり、中実、下方は淡黄色、粘性有。ひだ:垂生、疎、淡黄色。肉:白。
北陸のきのこ図鑑 P6 の記述とぴったり一致します。臭いについては私にとっては旨そうな普通?のきのこの臭いですが、こういうのを無味無臭と表現したほうが誤解を招かなくてよいのでしょうか。(臭いの表現は難しい)
少しかじってみましたが無味でした。
可食とありますが、食した方はいらっしゃいますか。
_/_/_/_/_/ 12月8日 野澤 眞一 _/_/_/_/_/

フユヤマタケでしょうか。今が盛りのようですね。
毎年たくさん採って、食べています。
ゆでて冷凍し、正月のお雑煮のダシによろしいようです。
サッと湯がいておろし和えも美味しいです。
_/_/_/_/_/ 上市 武田 _/_/_/_/_/

武田先生ありがとうございます。
フユヤマタケとシモフリヌメリガサは大きさの違いで区分されているようですね。
ちなみに、写真のものは傘の直径が約3.5センチメートルあります。これ以上大きくはならないようです。
_/_/_/_/_/ 野澤 _/_/_/_/_/

野澤さん、武田先生
富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
シモフリヌメリガサ(Hygrophorus hypothejus (Fr.:Fr.) Fr.)は本郷先生の図鑑によりますと、傘の径が3~5cmで、晩秋から初冬に、アカマツ・クロマツ・コメツガ林に発生するとあり、その分布は北半球温帯以北とされています。
本郷先生はこのシモフリヌメリガサに似てはいるが、これより小型で明らかに分けられると思う種類を日本で見つけられ、最初これにフユヤマタケという名前を与えられ、学名をHygrophrus pinetorum Hongoと命名されました。
後にこのきのこは、別種と考えるより、シモフリヌメリガサ(Hygrophorus hypothejus (Fr.:Fr.) Fr.)の品種と考えるほうが良いと思われ、Hygrophorus hypothejus (Fr.:Fr.) Fr. f. pinetorum (Hongo) Hongoとされました。和名については、母種のシモフリヌメリガサとは大きさで特徴があるため、Hygrophorus hypothejus (Fr.:Fr.) Fr. f. pinetorum (Hongo) Hongoの学名で表される種をフユヤマタケと呼んでおります。
つまり、母種のシモフリヌメリガサ(Hygrophorus Hypothejus (Fr.:Fr.) Fr.)はフユヤマタケを含んでおり、もし狭義のシモフリヌメリガサ(傘のサイズが3~5cmだけのもの)をフユヤマタケと区別したい時は、その学名の最後に同じ種小名を繰り返しつけてHygrophorus hypothejus (Fr.:Fr.) Fr. f. hypothejusとします。(この繰り返しで付けられた名前を「自動名」と言います)
富山の松林で採れるきのこですが、径が3cmを超えるものもあるものの、私が見る限りですが、分かれて分布しているのではなく小さなものといっしょに生えているように思えます。
ですので、これを本郷先生が言われるようにフユヤマタケ(シモフリヌメリガサの小型品種)として考えるか、それともこんな分類は考えずにシモフリヌメリガサの一つの形質として捉えるか、は名前をつける人にまかされているのです。
今のところ、橋屋は前者の考えでフユヤマタケを認めていますが、それとてもしっかりした考えがある訳でなく、日本の一般?に使われているから程度でしかありません。
皆さんへのお答えになったでしょうか?
きのこの名前は絶対こうだと決まっているものでなく、研究が進めばいろいろと変わってきます。
_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


恵比寿マッシュルーム

2007年12月09日 | きのこ

東京在住の姪2人とフレンチレストラン マッシュルームで食事をした。
Dscn2485 Dscn2484 夜の席は満員だったので昼からのコースをお願いした。

一品目は[エノキタケのキッシュ エノキのピュレ添え]⇒天然のエノキタケがトッピングされている。写真より手が先に出てしまったので画像が残っていない。

Dscn2475魚料理は[スズキとキノコのマリネ]⇒キヌガサタケ(瞬間冷凍して保存する)、アミタケ、クロカワ、ナメコが乗っている…透明感のある美しい一品、キヌガサタケの美味しさに一同ビックリ!

Dscn2476[美味しいきのこ達のソテー]⇒ハナビラタケを中心にササクレヒトヨタケ、ヒラタケ、ヤナギマツタケ、トキイロヒラタケ、原木シイタケ、ピエブルー
Dscn2477[マッシュルームのオリジナルビール]⇒泡の出方が少なく回収されてしまった(^^;

Dscn2478[鮑と秋田のシロマイタケの炭火焼]⇒やっぱりきのこは炭火焼だよね…とても美味しかった!

[温泉卵とフォアグラ トリュフソース]⇒これも写真を撮り忘れた一品。来年は富山産トリュフで…!
Dscn2479肉料理[山形産和牛のグリエとセップのロースト、セップソース]⇒小ぶりのセップ(ヤマドリタケ)が乗っている、これもとても美味しい!

Dscn2480[シロキクラゲのオレンジ煮とフルーツのカクテル]⇒なるほど!こうやるのか


Dscn2486[プティフール メレンゲとチョコレートのガナッシュ キノコ仕立て]⇒妹の方の誕生日のお祝いを兼ねていたので申し出たら、最後にきのこの形をしたお菓子がでてきた。一つは傘はメレンゲ・柄はチョコの普通のきのこ、もう一つはマユハキタケ風。どれもみんな美味しかった。


パソコン復活

2007年12月05日 | 日記・エッセイ・コラム

修理に出していたパソコンがやっと戻ってきた。
自宅で悪戦苦闘した時間も含めると、1カ月半もかかってしまった。
この間、メールはぜんぜん使用できなかった。ブログは(肩身の狭い…使いにくい)妻のパソコンを借りてアップした。
Windowsの再インストールとモデム基板を交換したとのこと…インターネットには繋がっていたのに
もとの使用状態に戻すのにはもっと時間がかかるのだろう…憂鬱になってくる