富山きのこクラブ

富山のきのこ情報・きのこ料理の情報が集まります。

2007年最後の薬勝寺池

2007年12月31日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様
年末になり大きな寒波が到来しているようですが、今年を締めくくりに積雪4~5㌢の薬勝寺池を歩いてきました。
いつもエノキが発生している倒木(かなり古く木の名前が解りませんがゴンズイ?)にナメコと思われるものが発生しておりました。薬勝寺池でナメコを初めて見ます。とっても美味しそうでしたが確信がもてずそのまましてあります。どなたか教えてください
薬勝寺池Cimg8001 今日のナメコCimg8002Cimg8003 今日ののヒラタケ、Cimg8004 12/15のムキタケCimg8005
先週の日曜日に、薬勝寺池の藪の中を歩いてみました。(これから深雪が積もるまでは、多少衣類が汚れるのを覚悟すればどこでも歩ける絶好のチヤンスです。)
今までに歩かなかったところを重点に歩いた結果、ヒラタケが倒木、切り株に大量に発生しており冷凍保存するつもりで沢山持ち帰りました。(一部白いつぶつぶ付も有りました)ところがそれを妻が見るなり、いきなり大声を出し小さな虫が大量におり気持ちが悪いとの事で全部捨てられてしまいました。
インターネットで調べるに以下のとおりでした。
ヒラタケに白こぶができる仕組みキノコバエの一種(ナミトモナガキノコバエ;Rhymosia domestica)が線虫の一種(ヒラタケシロコブセンチュウ;Iotochium ngulatum)をヒラタケの子実体に運んできて、線虫が虫こぶ(=白こぶ)を形成させると考えられています(津田,2000ほか)。
結局は、白い粒々が付いているようなヒラタケは持ち帰らず付いていないものでも塩水にしばらくつけることが重要と思います。
白こぶ付きヒラタケCimg8006 Cimg8007 キヒラタケCimg8008 Cimg8009 不明種 どなたか教えてくださいCimg8010 今年は、愚妻ともども大変お世話になりありがとうございました。
虚礼廃止のおり年賀状を割愛させていただきますが来年もよろしくお願い申し上げます。またスライド観察会も楽しみにしております。
_/_/_/_/_/ 四ツ木 _/_/_/_/_/


滑川ヒラタケ

2007年12月24日 | きのこ
冬のきのこ、フユヤマタケ、エノキタケ、ヒラタケが盛んに出ているようです。
071224_hiratake1_takeda071224_hiratake2_takeda071224_hiratae3_takeda



今年の初めに検察庁前の街路樹プラタナスに発生したヒラタケが話題になりましたが、昨日、滑川のプラタナスに立派なヒラタケが出ていました。
アクアポケットの前の通りです。アクアポケットの写真左側の<印の前のプラタナスです。そのまま残してありますが、いつまで見られるか???
アクアポケットの職員の方にお話しして、見守ってもらっています。
_/_/_/_/_/ 上市 武田宏 _/_/_/_/_/

日和田高原に於けるきのこ観察記録

2007年12月19日 | きのこ

皆さんから聞きながら纏めた日和田リストですが、学名の間違い(IとLの小文字・属名の間違い・ダブり等)がたくさんあり、皆さんから指摘を受けました。申し訳ありません。
手直し訂正をしましたので再度送ります。何度か見直しをしましたがまだ間違いがあれば訂正して使用してください。
_/_/_/_/_/ 栗林 義弘 _/_/_/_/_/
日時:07’10月7日~8日 (天候7日晴れ・8日雨)
参加者(細谷、井口、後藤、谷口、安藤、伊藤夫妻、宮田夫妻、佐々木、栗林、)
観察記録
1 ヌメリアカチチタケ[Lactarius hysginus]
2 アワタケの仲間[Xerocomus sp]
3 ネズミシメジ[Tricholoma virgatum]
4 ミヤマタマゴタケ幼菌[Amanita imazekii]
5 シロナメツムタケ[Pholiota lenta]
6 シデチチタケ[Lactarius sp]
(ひだが密なタイプ、学名があるかもしれない)
⇒Lactarius circellatus Fr. f. circellatus、すなわちヒロハシデチチタケの基本品種に当たるものだと思います。日本新産種。
7 スミゾメシメジ[Lyophyllum semitale]
8 カクミノシメジ[Lyophyllum sykosporum]
9 クダアカゲシメジ[Tricholoma vaccinum]
10 ムラサキフウセンタケ[Cortinarius violaceus]
11 カラマツシメジ[Tricholoma psammopus]
12 キンチャワンタケ[Aleuria rhenana]
13 タマゴタケ[Amanita hemibapha]
14 サクラシメジモドキ[Hygrophorus purpurascens]
15 ナメニセムクエタケ[Phaeocollybia christinae]
16 ウツロイモタケ[Gyrocratera ploetteniana (仮)]
17 タマツキカレバタケ[Collybia cookei]
18 イロガワリベニタケ[Russula rubescens]
19 カラハツタケ[Lactarius torminosus]
20 キンチャフウセンタケ[Cortinarius aureobrunneus]
21 チャツムタケ[Gymnopilus liquiritiae]
22 コテングタケ[Amanita porphyria]
23 キツネタケモドキ[Laccaria ohaiensis]
24 アイシメジ[Tricholoma sejunctum]
25 ホテイシメジ[Clitocybe clavipes]
26 キチチタケ[Lactarius chrysorrheus]
27 ミネシメジ[Tricholoma saponaceum]
28 イボテングタケ[Amanita ibotengutake]
29 ツバフウセンタケ[Cortinarius armillatus]
30 ゴヨウイグチ[Suillus placidus]
31 クロラッパタケ[Craterellus cornucopioides]
32 コタマゴテングタケ[Amanita citrina]
33 アカカバイロタケ[Russula compacta]
34 ヤマイグチ[Leccinum scabrum]
35 クロチチタケ[Lactarius lignyotus]
36 ウスカワホウキタケ[Ramaria ephemeroderma]
37 カンバタケ[Piptoporus betulinus]
38 シロカイメンタケ[Piptoporus soloniensis]
39 ウスフジフウセンタケ[Cortinarius alboviolaceus]
40 ササクレフウセンタケ[Cortinarius pholideus]
41 アセタケ属[Inocybe sp]
42 ホンシメジ[Lyophyllum shimeji]
43 ヒメコナカブリツルタケ[Amanita farinosa]
44 ヒメベニテングタケ[Amanita rubrovolvata]
45 ベニテングタケ[Amanita muscaria]
46[Hysterangium sp]
47[Tremella sp]
48 ニガクリタケ[Hypholoma fasciculare]
49 ヒロハノキカイガラタケ[Gloeophyllum subferrugineum]
50 ジンガサドクフウセンタケ[Cortinarius pseudosalor]→Cortinarius rubellus Cooke
51 .ミドリガンタケ(仮)[Amanita sp]
Dscn2308(A. rubescensより青みががったもの)⇒Amanita rubescens var. annulosulphurea Gilletという、ガンタケの一変種ではないかと思います。つばが淡黄色を呈する点以外では、基本変種とあまり変わらないような気がします。               
52 アカヒダササタケ[Dermocybe semisanguinea]
53 カワムラジンガサタケ[Phaeocollybia sp]
54 ヌメリスギタケモドキ[Pholiota aurivella]
55 チシオタケ[Mycena haematopoda]
56 ムササビタケ[Psathyrella piluliformis]
57 カバイロツルタケ[Amanita vaginata]
⇒Amanita fulva (Schaeff.) Fr. 分子系統学的検討によって、これも独立種とされたようですので、表記の学名を用いるのが適当でしょう。
58 クリフウセンタケ[Cortinarius tenuipes]
59 オオツガタケ[Cortinarius claricolor]
60 ツチグリの幼菌[Astraeus hygrometricus]
61 ツノシメジ[Leucopholiota decorosa]
62 キブリイボタケ[Thelephora multipartita]
63 ヤマドリタケモドキ[Boletus reticulates]
64 オレンジガサ[Hygrocybe croceolutea]
65 カワリハツ[Russula cyanoxantha]
66 スミゾメヤマイグチ[Leccinum griseum]
67 シロキクラゲSP[Tremella sp]
68 ミヤマアシイグチ ???
69 タマウラベニタケ[Entoloma abortivum]
70 ヒトヨタケ[Coprinus atramentarius]
71 キッコウスギタケ[Pholiota destruens]
72 カワムラフウセンタケ[Cortinarius purpurascens]
73 クサハツ[Russula foetens]
74 ケショウシロハツ[Lactarius controversus]
75 フジイロタケ[Cortinarius largus]
76 タマゴテングダケモドキ[Amanita longistriata]
77 ニガイグチモドキ[Tylopilus neofelleus]
78 ウスタケ[Gomphus floccosus]
79 ツバアブラシメジ[Cortinarius collinitus]
80 コガネテングダケ[Amanita flavipes]
81 シミイッポンシメジ[Entoloma sp]
82 ヤブレオオフウセンタケ[Cortinarius infractus]
83 マムシフウセンタケ[Cortinarius trivialis Lange]
84 オオキヌハダトマヤタケ[ Inocybe fastigiata]
85 クリタケ[Hypholoma sublateritium]
86 Hypomyces菌[Hypomyces transformans]
⇒採取佐々木さん常盤さん同定

「今回の標本はアミタケ(Suillus)を寄主とするHypomyces transformans と考えられます。本菌は無隔壁の子嚢胞子を特徴とし、富士山や八ヶ岳のやや高層部で採集されていますが胞子発芽や培養が難しく、長期保存をした菌株が出来ておりません。多くの子嚢殻がまだ未熟ですが暫く追培養して基礎データーを取らせていただきます。…」

井口さんより
カワリハツについてですが、少なくとも本州(特にやや標高が高い地帯)では、ひだがまったく分岐しないタイプと、ひだが繰り返し二叉分岐するタイプとが区別されます。ともに肉は無味無臭で、胞子紋は純白色を呈し、硫酸第一鉄にはほとんど反応しません。従来、特に北米では、前者を狭義のカワリハツとし、後者を Russula variata の学名で扱う人が多いようです。ただし、最近では、ひだが分岐するものをカワリハツの一変種(var. variata Banning ex Sing.)として扱う意見が主流のようです。 ついでに、アオムラサキハツなども、カワリハツの変種として扱う見解がだんだん浸透してきているみたいです。
Dscn2303  ついでに。 日和田高原で採集された Phaeocollybiaは、真正の「カワムラジンガサタケ」ではなかったようです。かさにかなり強い粘性がある(顕著なゼラチン層がある)ことや、胞子が小型(大きさ 6.3-8.8×3.8-4.6マイクロメートル)であることなどからすると、本郷博士が、その生涯最後の論文で日本新産種として記述した「アカアシナガタケ(P. ligubris [Fr.] Heim)」ではないかと考えられます。ちなみに、本郷博士は、この論文の供試標本を日和田高原で採集されたとのことです。


「兵庫のキノコ」出版されました

2007年12月14日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
昨日、注文していました「兵庫のキノコ」が届きました。
編著は兵庫きのこ研究会で、出版社は神戸新聞総合出版センターです。

この本の良い点は非常に写真が美しいということです。きのこの種類紹介に加えて、別の章では「見て楽しむ」と題してきのこの美しさを引き出した写真と、写真の撮り方についての説明があり、きのこ写真にチャレンジされる方には一読の価値はあるかと思います。
また「食べて楽しむ」章では、きのこの採取や下処理に加えて美味しそうな料理とそのレシピが載っており、きのこを味わって楽しみたい人は興味深いでしょう。
私などは「図鑑にあまり載っていないキノコ」の章が面白いですね。ワカクサウラベニタケやヨソオイツルタケ、オオオニテングタケなど一度は自分の目で見たい種類が美しい写真で紹介されており、中には北陸地域で富山県の八尾町や大沢野町でしか見つかっていないシロキツネノサカヅキモドキも載っています。

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


エノキタケが発生しています

2007年12月12日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様へ
植物園の橋屋です。
ここ数日、何度も続けてエノキタケが植物園に持ち込まれるようになりました。
ここ数日の寒さと雨でよく発生しているようです。

エノキタケは、
1.傘に粘性があること
2.ヒダは白~うすいクリーム色
3.ヒダの柄に着き方は上生(柄の手前で内側でへこんだように見える)
4.柄の下部は焦げ茶色(時に薄いことあり)で、表面に非常に細かい毛がビロード状に密生する
の全ての条件を満たせば比較的簡単に同定できます。

エノキタケと似てる毒きのことしてはコレラタケがありますが、これは
1.柄につばがあること
2.成熟したヒダがサビ色をすること
で上のエノキタケと区別できます。
(富山県ではまだコレラタケの記録がないので、見つけた人はぜひ植物園にお持ちください。富山にもきっと分布していると思います。)

きのこの同定には何度かの経験を積むことが大切です。くれぐれもわからないきのこは絶対に口にしないでください。

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/