富山きのこクラブ

富山のきのこ情報・きのこ料理の情報が集まります。

プロとアマ

2010年12月19日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

 今日は良い天気でしたね。立山連峰はすっかり雪景色になり、「白い山」がすぐそばまで来てしまいました。
伊藤家はインターネットを観ながら「松の剪定」をやりました(一本しか無いのだけれど…)。タイヤはスタッドレスに代えましたし…何時でもOKです。

 一ヶ月ほど前の日経夕刊のコラム「あすへの話題」に、東洋英和女学院大学/村上教授から「プロとアマ」と題する文章が寄せられていました。きのこの分類の世界でも、この話題をたびたび耳にするのですが、このような論議の根本に違和感を覚えていました。
 この記事は、そのような私の「違和感」をすっきりと解消してくれるものでした。全文を載せたい所なのですが…当局が煩いので、要約すると以下のようになります。

・アマチュアという単語は日本語になってしまった。「素人」の意味。
・対立語は「プロ」で、そのことを職業にしている。
・「アマチュア」のもともとの意味は「素人」ではなく、ラテン語の最もポピュラーな動詞「愛する(amo)」の派生語で「愛する人」が原義だろう。
・そのことが好きで好きでたまらないからやる、それがアマチュアの本来の姿。
・そうだとすれば、いわゆる「プロ」のなかににも「アマ」がいて当然だし、逆に「アマ」でない「プロ」は不幸な事になりかねない。
・かつて科学者は、自然の神秘を愛し、それを解き明かすことに生涯をかける「アマチュア」だったが、職業化した現在の科学者のなかには「アマ」でない人もいるのでは?

本来的に「プロ」と「アマ」は、斥反する概念ではないと言うのが根本にあるようです。私の知り合いの「きのこの研究家」でもキノコが嫌いな方がおられるので、的を得ているように思われます。

要するに
プロ-アマ:幸せになれる
プロ-ノンアマ:不幸なことになりかねない
アマ-ノンアマ:私は一人知っています
アマ-アマ:もともと幸せ
…という訳で、この論議は主としてプロを対象にしていることが明らかになりました。きのこを愛している私はアマチュアで幸せです。どうよ?

では。

_/_/_/_/_/  Sola1one _/_/_/_/_/


フユヤマタケ

2010年12月17日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

今回はシロフクロタケに続きフユヤマタケ?です。
NO1,フユヤマタケの大型のもの。(シモフリヌメリガサの小型)0001

No2,普通の大きさ(左)と大きいタイプ(右側)0002

No3,普通のもの(No2に登場)と、右側4個は色が赤みがかったものです。0003
いずれも黒松の下に発生、(場所は異なります)。ヌメリ、ヒダの特徴は同じです。
NO3の赤みがかったものは、柄の長さがやや短い点を除くと、北陸のきのこ図鑑 P6 シモフリヌメリガサの老成した物の特徴に似ています。

いかがでしょうか。

_/_/_/_/_/ 野澤 _/_/_/_/_/

野澤様
富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
シモフリヌメリガサとフユヤマタケのことについて書かせていただきます。

最初はこの2つを表す学名の話です。
フユヤマタケは、初め本郷先生によって1954年に新種記載された種で、その後本郷先生は1958年にこのきのこをシモフリヌメリガサの品種とす るのが良いと組換え論文を書かれています。
このため、「種」というレベルではシモフリヌメリガサがあり、この中にあって傘の径が3cm未満のグループをフユヤマタケと呼ぶ訳です。ですから、3cm以上のグループがある場合、狭義のシメフリヌメリガサとして、Hygrophorus hypothejus (Fr.) Fr. f. hypothejusのように品種をあらわす「f.」の後に種形容語を重ねて表します(これを自動名と言います)。
もしHygrophorus hypothejus (Fr.) Fr.しか書かなければ、傘のサイズは大きかろうと小さかろうと全てを含むシモフリヌメリガサを表します。

次に実際の屋外でこの2つの分類群がどう分布しているかです。
皆さんはこれらのきのこを採られた時にどんな感じがしますでしょうか?もしもだいたい3cmを基準にして、小さいものや大きなものが別々に見られるでしょうか?それとも大きなきのこも小さなきのこも混ざって発生して いると思われるでしょうか?

私の感想は、まだよくわからないというのが本当のところです。
もしこれらのきのこがたくさん見られた場合、全てのきのこを採集し、1本づつ、傘の径や柄の長さ、太さを計測してデータを集め、他の場所に見られ るものと比較する必要があります。また同じ場所で何度も採集して、その計測データにまとまりがあるか、ということも調べる必要があります。雨の多い時に採れた個体と、雨の少ない時に採れた個体では、当然サイズに違いがあるだろうと思えるからです。
このように分類には、気が遠くなる程のデータを重ねる必要があります。

_/_/_/_/_/_/  富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


近くの公園にもなめこが発生

2010年12月05日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

当方の近くの公園でもナメコが発生しています。
昨年まではせいぜい数個程でしたが今年は、爆生とまでいきませんが、カシナガ被害で伐採したコナラの積木に結構な量が出ています。
ただし一株のみナメコなのか疑いたくなるようなものがイイギリの柔らかい木に出ていました。

ナメコ[Pholiota microspora (Berk.) Sacc.]
2_2 Gf1_5

スギタケ[Pholiota squarrosa (Fr.) Kummer]
Photoその他、地上からの発生でスギタケと思われるものがでていました。橋屋さん確認よろしくお願いいたします.

ムラサキシメジ[Lepista nuda (Bull.:Fr.) Cooke]
Photo_2
ほかにムラサキシメジもでていました。

四ツ木 丈司


きのこ狩りPart6

2010年12月04日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

昨日の暴風も過ぎ去り、雨は残っているけれどもきのこ狩りの天気となりました。
今日は、永瀬さんと大谷さんとともに、御鷹山⇒須原・笹津山へ噂のナメコ狩に出撃しました。山には昨日降った雪がまだ残っていました。
須原・笹津山はヤマドリタケの仲間やホンシメジ(この辺りでは、カブシメジと呼ばれているそうです)が出そうな環境です。来年のターゲットフィールドになりそうです。

ナメコ[Pholiota microspora (Berk.) Sacc.]
Dscn1074 こちらも、医王山と事情は同じようです。立ち枯れのコナラの木に発生しています。
Dscn1068 Dscn1071ゴム質のツバが最大の特徴。永瀬さんらは3週続けてこっち方面に出撃されているようで、昨年からナメコが発生し始めたとのことです。

ヒラタケ[Pleurotus ostreatus (Jacq.)  P. Kumm.]
Dscn1077 ここでは、ムキタケの後に一番遅く出てくる様で、これから…の様子です。

ムキタケ[Panellus serotinus (Schrad.) Kühner]
Dscn1069 ここらではもう遅すぎるくらい。

ヒイロタケ[Pycnoporus coccineus (Fr.) Bond. et Sing.」]
Dscn1073 森林組合が伐採した後に残したコナラの木に大量に発生していました。

11時からスロースタートして16時30分に戻ってきました。メスのカモシカに遭えました。
本日開催予定の植物園での定点観察会は諸般の事由により11日に延期となりましたので…宜しくお願い致します。

_/_/_/_/_/ Sola1one _/_/_/_/_/


何でしょうか?

2010年12月04日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様

何でしょうか?
草むらに数本ありました。場所は草島です。
101204_0003 101204_0004 101204_0005 101204_0006
カサ 色:白、径15cm、粘性あり、半球→中高扁平、
ツバ なし、ツボ あり、カサの条線 なし?
柄 直径約20mm、中実
ヒダ 密、白→ピンク
肉 青臭い(大根おろし?)

_/_/_/_/_/ 野澤 _/_/_/_/_/

イグチさんよりコメントが届きました。

⇒ オオフクロタケの白色タイプ、と同定してよいかと思います.道ばた・草むら・堆肥上などに生えるものですが、関東では、降雨量が乏しい時期を除けば,ほぼ一年じゅう発生しているようです.
 この白色タイプは、従来はシロフクロタケの和名で呼ばれており、オオフクロタケは「シロフクロタケの暗色型の一変種」として扱われてきていましたが、最近では両者は同一種の変異にすぎない、とされています.

_/_/_/_/_/ ここまで_/_/_/_/_/