深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

呪法セラピーに関する考察 5

2011-07-24 09:41:33 | 症例から考える

呪法セラピーはこれまで理屈にばかり偏った話を書いてきたので、今回はテクニカルな部分を少し述べたい。

呪法セラピーでキモとなるのは、どの言葉を、体のどの部分に、どういう形で送るか、ということであり、私の場合、それらは全てキネシオロジーの筋反射テストを使って決めている。そして大抵の場合、それ以上のことを考える必要はないのだが、ごく稀に頭を使わなければならないケースがある。

と書くと、治療では頭を使っていなさそうに聞こえるが、全くその通りだ。治療していると、ふと「多分よその先生たちは頭を使って、もっといろいろ考えて治療しているんだろうなー」と、あまりにも考えなしにやっていることが申し訳ない気持ちになることがある…。

で、その頭を使ったケースだが、その続きは『鋼の錬金術師 Fullmetal Alchemist』のOSTから「Lapis Philosophorum」でも聴きながら。ちなみにLapis Philosophorumは「賢者の石」という意味のラテン語。

今まで2例しかお目にかかったことはないが、体の深い部分に複数の呪文を、しかも同時に送らなければならないケースに遭遇したことがあった。

送る呪文が一つなら、その言葉を送るべき部分にフォーカシングの変形のようなものを使って意識を向けさせ、そこに向けてその言葉を繰り返し唱えさせる、という方法を主に使う。使う呪文とそれを送るべき場所が適切ならば、それだけでかなりの効果を引き出すことができる。

しかし、複数の呪文を同時に、となると、その方法は使えない。

そこで思いついたのが、

「3次元空間で、互いに平行でない3平面はただ1点で交わる」

という数学の定理だ。これは中学か高校で扱う初等幾何の基本的な定理の一つのなので、これを読んでいる大半の人には説明は不要だと思うが、「平面上で互いに平行でない2直線はただ1点で交わる」という定理の3次元バージョンだと思ってもらえばいい。

この定理を応用し、「体の中の1点に対して、そこで交わるような3平面を考えればよい」というふうに考えた。

その3平面は「互いに平行でない」という条件さえ満たせば自由に選ぶことができるが、わざわざ変な平面を選ばなくても、人体は矢状面、前額面、水平面という互いに直交する3平面で考えるのが基本なので、それをそのまま使えばいい。

そして、目標となる1点で交わる矢状面、前額面、水平面を与えるような体表面上のそれぞれの切断線(の、もちろん一部)に乗るように、それぞれの呪文を書いたテープを貼ってみた(この時、体表面上でテープが重なっている必要はない)。すると思惑どおりの結果が出たのだ。

この方法は、体の(1点でなく)ある一定の範囲に複数の呪文を、しかも同時に送らなければならないケースにも応用することができる。この場合は3平面ではなく2平面にすれば交わる部分は直線になるので、それを使えばいい。ただこの場合、使う平面は矢状面、前額面、水平面というわけにはいかない。

もちろん、こんなことをしなければならない患者がザラにいるわけではない。こんなのを使うのは本当にレア・ケースだが、知っておくと役に立つ、私にとっては秘中の秘とも言えるテクニックだ。

──だが、そもそも呪法セラピーなんて使っている人、他に誰がいるんだ、と考えてみると、これを読んで利益になる人がいるかどうかは、ハッキリ言って謎である。


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