深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

コミュ障たち

2021-10-09 20:37:27 | 趣味人的レビュー

NHK夜ドラ枠で放送中の『古見さんは、コミュ症です。』が面白い。夜ドラでは『ここは今から倫理です。』に続いてのマンガ原作である。

登場人物は高校生のはずだが、それをドラマでは20代~30代の役者たちが演じていて、そのことでネットでは一部で叩かれているようだ。けれど逆に高校生を20代~30代の「なんちゃって高校生」がやることで生々しさが薄れ、ある種のファンタジーとして見ることができる良さがあると思う。

主人公の古見硝子は、周りの人が全員振り向くほどの美人だが、実は極端な人見知りで、人と普通に会話することができない。そんな彼女が、それを知ってなお、ごく普通に接してくれる只野仁人(ただの ひとひと)と出会い、心を開いていくところから物語は始まる。

彼らの周りには、中学では病欠をキッカケに不登校になり、高校では舐められないようにキメてるはずが、凶暴なヤンキーにしか見えない片居誠、母直伝のヤマンバ・メイクを今も続けていて、周囲から完全に浮いてしまってる万馬木留美子、周りが汚く見えて、いつも手を洗っている超潔癖症の生徒会長候補、潔清子(いさぎ きよこ)など、人とのコミュニケーションが上手く取れない人たちが集まってくる。

NHKの『古見さんは、コミュ症です。』PR動画

私自身、学生だった頃は「グループを作ってください」などという時はいつも、どこのグループにも入れなかった連中をまとめたグループに入れられてたような人間なので、彼らの抱える疎外感はとても良く理解できる。

そんなコミュ障な人たちの中にあって、幼なじみの長名(おさな)なじみから、「スクールカーストの底辺にいる」と酷評される只野君。だが、彼の誰に対してもニュートラルなあり方こそ、実はこの物語を駆動するエンジンであり、物語の核心でもあるのだ。そして只野君という存在が触媒となって、彼らが必死で人間関係を構築していく姿が、たまらなく愛おしい。

ところで、古見さんを演じている池田エライザは個人的にとても合っていると思うのだが、その反面、池田エライザの古見さんを見ていると、どうしても彼女が演じているもう1人の女子高生、実写版『賭ケグルイ』の私立百花王学園生徒会長、桃喰綺羅莉(ももばみ きらり)が頭に浮かんでしまい、つい心の中で「さすがです会長、ここまで完璧に擬態なさるとは!」とツッコミを入れてしまう俺がいる。

実は『古見さんは、コミュ症です。』は、この秋期からアニメ版の放送も始まっていて第1話を見たが、ドラマ版とはまた違った解釈で作られているので、ドラマ版を見ていても新鮮である(古見さんと只野君の前に現れるコミュ障な面々もドラマ版とは異なるようだ)。何よりエフェクトがムダに凄いww。こっちもオススメだ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カバラと「生命の木」 26 | トップ | 女であること »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

趣味人的レビュー」カテゴリの最新記事