深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

サラリーマンNEO

2006-05-10 13:01:09 | 趣味人的レビュー
最近の密かな楽しみは、NHKで火曜の夜やっている『謎のホームページ サラリーマンNEO』である。とにかく、番組の壊れっぷりが素敵だ。私も10年以上、サラリーマンをやっていたから、何となく、身につまされるところもあったりして…。サラリーマンの皆様、本ッ当にご苦労様です。

『サラリーマンNEO』は去年、ある日の深夜に突然始まり、3回だけ放送された謎の番組。私はその2回目から視たのだが、およそNHKらしくない、思いつきで作ったとしか思えない無目的な内容と、何だかよくわからないギャグに「何だ、コレ?」と。それは3回で終わったのだが、年末には新たなネタを加えて3回分が一挙再放送。もう視るまい、と思っていたのだが、見逃した第1回と追加されたネタというのが気になり、結局、全部視てしまった。

その『サラリーマンNEO』が、この4月からの番組改編でレギュラーになってしまったのだ。世の中、一寸先は闇と言うが、まさかこんなことが…しかし、現実は現実として受け入れなければならない。私は火曜日の夜、HNKにチャンネルを合わせることを決めたのである。

とにかくバカバカしいのだが、妙に癖になるのだ、コレが。中身は、小劇団系を中心とした俳優が演じる、サラリーマン・ネタのコントなのだが、例えば、スキットを使ってサラリーマンに役立つフレーズを学ぶ「サラリーマン語講座」(もちろん、NHK教育の語学講座のパロディ)に出てきた、会議などの場で他人のアイディアを自分のアイディアにすり替えるトリッキーな表現「私も同じことを考えていました」や、会社や仕事の不満をグチってきて仕事の邪魔になる新人を軽くいなす表現「それ正しいよ」などは、実際の現場でも使えそうだ。

ほかにも、出世に役立つ動作を学ぶ「サラリーマン体操」、面接やプレゼンなどテーマを決めて、サラリーマンの生態を観察する「会社の王国」(言うまでもなく、昔、民放でやっていた「野生の王国」のパロディ)、川上君(演じるのは沢村一樹)がサラリーマン生活の悲哀を味わいながら成長していく(?)「連続テレビ小説 がんばれ川上くん」、ある女子社員から送られてきたメールに、どう返事を書けばいいか、苦闘する男の物語「Re:」(こんなもの20回連続でやるなよ)、過保護の部長が親同伴で、夜、家まで抗議にやって来る「部長の親」、知らずにチャンネルを合わせた視聴者が本物のHNKニュースと間違えたという「NEOエクスプレス」(一応、画面隅にIt's a comedy.って出てるんですけどね)、社員食堂を訪ねる「世界の社食から」(ナレーションからBGMまで「世界の車窓から」にそっくり)など、内容は盛りだくさんだが、サラリーマン生活を快適に送るのには、多分、ほとんど何の役にも立たない。

しかし、フザけた中にも「はたらくおじさん」では、哺乳瓶の乳首の研究にいそしむ人(人間の乳首にどれだけ近づけられるかが課題だという)や、キャビアを取るためのチョウザメの飼育を担当している人などが取り上げられていて、一口にサラリーマンと言っても、世の中にはさまざまな仕事があるモンだと、改めて「仕事」というものの奥深さに気づかせてくれる。

私はサラリーマンをやめてしまった人間だが、エンディングに流れる、ウルフルズの『ええねん』を聞きながら、その日視た、『サラリーマンNEO』を思い出していると、サラリーマンであったことが、たまらなく懐かしく、そしてたまらなくいとおしくなる。そうして、その夜もまた布団に入るのである。

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