深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

2023年秋アニメの感想と評価 2

2023-12-24 12:50:02 | 趣味人的レビュー

2023年秋アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。「1」では特別編として放送された『進撃の巨人The Final Season 完結編(後編)』と途中切りした2本について述べた。この「2」では1月以降も放送が続く4本について。

ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。

以下、並びは50音順で、評価はA~E。

『葬送のフリーレン』第1クール

昔『Fate/Zero』が初回1時間スペシャルでやったのを見てスゲー!と思ったものだが、それが『【推しの子】』は初回が1時間半になり、この『葬送のフリーレン』ではついに初回は「金曜ロードショー」枠を使って2時間になった。「金ロー」では以前からジブリ作品や『ルパン三世』をやっていて、視聴者もこの枠でアニメを見ることに抵抗はないだろうから、『葬送のフリーレン』のキックオフにこの枠を使うというのは上手いやり方だったと思う。ただ、『Fate/Zero』や『【推しの子】』はあそこまでを1回で見せることに、ある種の必然性があったが、『葬送のフリーレン』は単に放送枠に合わせるためと話題作りのための2時間SPでしかなかったと感じた(それでも確かに話題にはなったので、目的は果たしたと言えるだろう)。
『葬送のフリーレン』はいわゆる「異世界ファンタジー」だが、他とは違い、フリーレンを含むパーティ一行が魔王を倒してクエストを終了したところから物語が始まる。1000年を超える長い寿命を持つエルフのフリーレンが再びかつてのパーティのメンバを訪ねると、人間である2人は既に老いさらばえていた。その時、フリーレンはずっと旅をしてきたはずのメンバのことを自分は何も知らなかったと気づき、弟子となったフェルンとともに人間を知るための旅に出る、という物語だ。
だから「異世界ファンタジー」といってもハラハラ、ワクワク、手に汗握る冒険活劇というものではなく、描かれるのは、人より長い時を生きるフリーレンによるパーティの仲間だったヒンメルに対する、言わば「喪の仕事」。静謐で、そこはかとない悲しみをたたえた話であり、初回2時間SPでワーッとお祭り騒ぎして一気にスタートダッシュ、というのは作品の性質と合わない。むしろこれは、普通に1回30分ずつ淡々と見るのがふさわしい作品である。
とにかく作りが上品で、そこには好感が持てるが、その一方で作者の「こんなキャラを出して、こんなことを言わせれば感動するでしょ」的な作為がそこここに見え隠れするのが、ちょっとイヤらしい。
評価はB~B+。

『範馬刃牙』「野人(ピクル)戦争編」

秋アニメの中で唯一、私が原作を読んで先の展開を知っている作品。それでもつい見てしまうのが「バキ」だ。「野人戦争編」はジュラ紀に生きていたという原人を、バイオテクノロジーを駆使して現代に甦らせた、という設定。かつては恐竜とも戦っていたという、その野人(ピクル)の強さに現代の格闘家たちが引き寄せられ、ピクルと死闘をくり広げる。
もはや格闘技マンガでも何でもなくなってしまっているのだが、そのハッタリを交えた異様な迫力と想定外の展開には、引きずり込まれずにはいられない。とにかく余計なことは何も考えず「バキ」という魔術にかかって、その世界に浸っていればいい。これはそういう作品なのだ。
後半はついに刃牙が父にして史上最強生物、範馬勇次郎との親子喧嘩に臨む、「史上最大の親子喧嘩編」。これが「バキ」という物語の最終的な帰結になるはずのエピソードだが、原作マンガの方は今も『刃牙らへん』というタイトルで「少年チャンピオン」で連載が続いている。
評価はC+~B-。

『め組の大吾 救国のオレンジ』第1クール

消防隊特別救助隊(レスキュー)の活躍を描く、まるでNHKの『プロジェクトX』か『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見ているかのようなアニメ。ちなみにサブタイトルにある「オレンジ」は、特救隊員の着ける制服の色を表す。
特救隊員になるための訓練内容から、日頃のルーチン、現場への出場風景、実際の救助作業まで、徹底した取材に基づいてリアリティを持って描かれている。もちろんアニメ/マンガ的な誇張も含まれているのだろうが、土曜17:30という放送時間にふさわしい、かなりよくできた「お仕事もの」作品である。
物語は十朱(とあけ)大吾、斧田俊、中村雪という、厳しい研修をパスして新たに特救隊員の資格を得た若手3人を軸に描かれる、と思われるが、現時点では十朱と斧田の活躍が主で、中村雪はまだ特救隊にも配属されていない。
評価はA-。

『ラグナクリムゾン』前半

人間が竜の脅威に直面する世界。その中で唯一、竜を殺すことができるという銀剣を振るい、報酬を得る者たちが「狩竜人(かりゅうど)」だ。最弱の少年狩竜人、ラグナにとって、彼がバディを組む、若干12歳ながら天才の名をほしいままにする少女、レオニカ(レオ)は憧れだった。「強くなれなくてもいい。レオのそばにずっといたい」というラグナの願いは、しかし圧倒的な力を持つ上位竜の出現によって、あっけなく打ち砕かれた。だがその時、レオは自らの「強さ」とつながり、彼の唯一無二の盟友にして怨敵でもあるクリムゾンと「再び」出会い、彼らの「竜を狩る旅」が始まる。
──というのが初回1時間SPの内容。最弱だった主人公が何かのきっかけでいきなり覚醒して最強に生まれ変わる、というのは、この手の異世界ものの定番の展開で、定番過ぎてちょっと萎えてしまうが、この『ラグナクリムゾン』は最強になるまでの過程がとても興味深い。これは量子論における「時間対称化された解釈」に基づいているのか?
前半は、ラグナとクリムゾンが「銀器姫」の異名を持つスターリア・レーゼ率いる銀装兵団と手を組み、竜の中のアルティマティアを血主とする翼の血族との全面戦争に入るまでが描かれた。ラグナ&クリムゾン+銀装兵団も、翼の血族も、それぞれに弱点を抱える中でどのような戦いが繰り広げられるのか楽しみだ。
評価はA-。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1年前の食べかけのシュトレン... | トップ | 2023年秋アニメの感想と評価 3 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

趣味人的レビュー」カテゴリの最新記事