深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

『進撃の巨人』が進撃する

2013-05-12 17:20:34 | 趣味人的レビュー

今期のアニメは、一度視たものの何だか続けて視ようと思えないものが多くて、次々に切っったら結局残ったのは『進撃の巨人』、『RDG(レッド・データ・ガール)』の2本だけになってしまった(ただ異様なアニメ『悪の華』は、視ていないものの別枠で考えている)。そして、中でも私が最も期待しているのは、もちろん『進撃の巨人』である。

『進撃の巨人』は、諫山創(いさやま はじめ)が『別冊少年マガジン』に連載中の作品で、以前から非常に高い評価を得ていた。それがいよいよ満を持してアニメ化されたわけだ。


地球上に突如、人間をむさぼり食う巨人たちが出現し、人類は次第にその版図を失い追い詰められていく。そして、ついに高さ50mの3重の壁によって守られた範囲が、人類に残された唯一の生存領域となった。

だが、さしもの巨人もこの50mの壁を越えることはできず、地上の限られた範囲ではあったが人類は100年の平穏の時を迎える。そして巨人たちの脅威ももはや遠い過去の話となったある日、稲妻とともに身長が50mを越える超大型巨人が出現。人類生存領域の最外周の壁、ウォール・マリアが突破され、巨人たちが壁の中になだれ込み、周囲は地獄と化した。

ウォール・マリアが機能を失ったことにより人類は人口の20%と領土の1/3を失い、第2の壁、ウォール・ローゼまで後退を余儀なくされた。そして人類はウォール・ローゼを挟んで、巨人たちと対峙することになった。


「優れたアーティストは、また優れた予言者である」ということを私は信じているのだが、私には、この物語が先の震災を予見していたかのように思えてならない。特に田老町の津波被害の状況が、私の中では『進撃の巨人』で突然出現した超大型巨人によってウォール・マリアが破られる下りとオーバーラップするのだ。

岩手県の太平洋に面した田老町は、過去に明治三陸地震、昭和三陸地震で津波による壊滅的な被害を受けた。そこで町はその反省を踏まえ、住民自らが費用を負担して巨大な防潮堤を作り上げた。Wikipediaによれば、それは

総工事費は1980年当時の貨幣価値に換算して約50億円に上り、総延長2433mのX字型の巨大な防潮堤が城壁のように市街を取り囲む壮大な防潮堤であった。

という。

これにより田老町は「津波に備えた鉄壁の守りを持つ町」として世界にもその名が知られ、津波対策のお手本ともなっていた。

だが、2011年3月11日の地震が引き起こした津波は、その田老町をも飲み込んでいった。その状況を再びWikipediaから引用すると

2011年3月11日の東日本大震災に伴い発生した津波は、午後3時25分に田老地区に到達した。海側の防潮堤は約500メートルにわたって一瞬で倒壊し、市街中心部に進入した津波のため地区では再び大きな被害が発生した。目撃証言によると「津波の高さは、堤防の高さの倍あった」という。市街は全滅状態となり、地区の人口4434人のうち200人近い死者・行方不明者を出した。「立派な防潮堤があるという安心感から、かえって多くの人が逃げ遅れた」という証言もある。



人類は定期的に調査兵団を壁の外に派遣し、多大な犠牲を払いながら巨人の生態を調べているが、その結果わかったのは生物学的に不可解極まりないことだった。

巨人はたとえ頭部を吹き飛ばされても、わずか2,3分で再生してしまう。巨人を殺すには項(うなじ)の特定の部分の肉を削ぎ落とさなければならない。
食べるのはもっぱら人間だけで、他の動物には全く関心を示さない。だが巨人は人間をエサとして捕食しているわけではない。彼らには消化器官がなく、人間を食らっても、やがて吐き出してしまうからだ。

正体不明の敵に対して絶望的な戦いを強いられる主人公たち、というのは『エヴァ』や『ぼくらの』などにも使われた、この種の物語の王道と言える設定だが、それを他の作品の二番煎じになることなく使い切っているところに『進撃の巨人』の凄さがある。

とは言え、まだ作品は連載途中。この先は旧『ハガレン』のように、アニメ版は途中から原作を離れて独自の展開を辿るのか、新『ハガレン』のように、アニメ版もマンガと同じ展開で、マンガと同時終了を目指すのか、それはまだわからないが、どちらになるにせよ、このまま全力で進撃し続けてほしいと思う。

『進撃の巨人』を全く知らない人は、まず『進撃の巨人』PVを視てみよう。


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