深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

VMキネシオロジー 2

2012-08-11 13:01:14 | 症例から考える

キネシオロジー連続セミナーの第1回が終わったが、セミナーはまだ続くのでまた宣伝を兼ねてキネシオロジーについて書くことにする。なお、これは「VMキネシオロジー 1」の続きなので、未読の方はまずそちらをご覧下さい。用語の説明は、1で述べたものについては今回は省略。

BGMは1と同じくアニメ『ギルティクラウン』のOSTから「Bios」だ。


1では「そもそも相手の身体情報をPL/スタックすることは、関節受容器にせよ仮想空間にせよ、メモリ空間上に1人の人間を仮想的に構築することである。」と書いたが、今回はそのことについてもう少し詳しく述べたい。

「メモリ空間上に1人の人間を仮想的に構築する」といっても、その人を構成している要素──ここでは情報──の全てをメモリ空間に持っていくことはできないし、もちろんそんな必要もない。あくまで治療目的で行うわけだから、そのために必要な情報要素だけでいい。

ここに今、ある物体があったとしよう。その物体の化学式と運動方程式は、どちらもその物体の情報要素だが、それが表すのものは明らかに異なる。その物体がそのような分子構造をしているのかを知りたければ、まず必要なのは運動方程式ではなく化学式だろう。でも、知りたいのが「その物体の所有者がどのように変わったか」だとしたら、化学式も運動方程式も情報としては役に立たない。

このことから、情報要素を使ってメモリ空間上に1人の人間を仮想的に構築するにしても、どんな情報要素を使うかによって、構築されるその仮想的な人間(virtual mankind=VM)は大きく異なるものになることがわかる(それでも、そのVMは元の人間のある側面を表していることに変わりはないのだが)。

だから、(メモリ空間に仮想領域を使うか関節受容器を使うかはともかく)PLやスタックを用いるキネシオロジー治療の正否は、どのような情報要素を選択してメモリ空間上にVMを構築するかにかかっている、といっても過言ではない。実際、VMの中に本当に必要な情報が上手くピックアップされていないと、治療しても全く結果がでないものになってしまう(そういえば以前、松原次良(じろう)先生は「ウチの治療は奇跡かスカか、だから」と言ってたっけ)。


で、ここで問題になるのが「では、どんな情報要素によってVMを構築すればいいのか?」ということだが、現時点での私の答は「何が必要な情報かを判別できる確実な方法はない」である。

なぜなら、それは施術者がどのような観点から人の体を見、検出した問題にどのような方法で対応するかに大きく依存するものだから。それに人の体というのは想像を超えて複雑なもので、全く無関係かと思っていた情報が、その人のある状態(症状)に深く関わっていた、なんてこともしょっちゅうだ。

そういわけなので、施術者にできるのは「少ない操作でいかに多くの情報要素を得るか」ということに尽きる。そして、そのための強力なツールとなるのが第2回でやるγー2ニューロン・テストによる筋力テストであり、第3回でやるパーム・モード、フィンガー・モードといったモードである。それらは全て、表面的に現れている現象だけでなく、そのの背後にある情報要素まで取り込むための手段として用いられる。

そして、筋力テストやモードはもちろん単品としても十分使えるツールだが、それらを使って取り出した情報要素を使ってメモリ空間上にVMを構築するのが、第4回でやるスタックやポップといったメモリ空間上での情報操作の技法なのだ。

私がこの連続セミナーでやろうとしてるのは、実はそういうことなんだよね。


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