深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

キネシオロジーで未来のことを聞く 4

2017-07-18 20:14:21 | 一治療家の視点

「キネシオロジーで未来のことを聞く」ということに関してふと思いついたことがあり、2014年にこのタイトルで書いた3本の記事の続編ではないが、一応同じテーマなのでその第4弾として記事を書くことにした。

なお、「1」では因果律という切り口から、「『原因と結果(因果)』という概念は人間がつくったものであり、世界の側に客観的に存在しているものではない」ということについて述べ、「2」ではそもそもキネシオロジーはどこから情報を得ているのか、というところから、場というものについて考えてみた。「3」では、「キネシオロジーで未来のことを聞けるのか?」という問題について、最適化という観点から述べた。

この「4」では、この問いへの考察をそれらとは違う形で展開してみようと思う。

「『なんちゃってイマジナリー・ギア(虚数運動機関)』の話」の中で既に書いたことだが、特殊相対性理論によると、時間と空間とはローレンツ変換によって相互に変換することができる。つまり、時間と空間は(ローレンツ変換を介して)実質的に同じもの、と見ることができるわけだ。

ということは、「キネシオロジーの筋反射テストを使って未来のことを聞けるか?」つまり
「キネシオロジーによって時間的に離れた事象の情報を得ることができるか?」
という問いは、実質的に
「キネシオロジーによって空間的に離れた事象の情報を得ることができるか?」
という問いと同じことである。

ところで、物理学的に空間とは一様に広がったものであるのだが、時間もまた一様に伸びたものであって過去とか未来という区分には特別の意味はない。だから私が上に書いた「キネシオロジーによって時間的に離れた事象の情報を得ることができるか?」という問いは、実は未来だけでなく過去の事象まで含んでのものであることに注意されたい。

──と、そう書くと疑問に思う人もいるかもしれない。「未来のことはともかく、過去のことがキネシオロジーで分かるのは当然じゃないか!」と。だが、果たしてそうだろうか?

あなたがキネシオロジストなら、試しに3.14…で始まる円周率πの小数点以下20桁の中に0という数字(あるいは1でも2でもいいが)は何回出てくるかを筋反射テストで聞いてみてほしい。筋反射を使ってπの値を算出しろ、というのではない。πの小数点以下20桁までの値はもうずっと昔に出ていて未来永劫変わることはないのだから、筋反射を使ってそれを読み取れ、ということだ。数値はネットにも出ているから、筋反射の結果が正しかったかどうかはすぐに確認できるはず。結果はどうだった?

え、筋反射テストはそんなものを調べるのに使うもんじゃない、って? じゃあ、何を調べるのなら使ってもいいのだろう?
例えばホーキンズは『パワーかフォースか』という著書の中で世界の様々な事柄を筋反射で数値化する、なんてことをやっているが、そこで出てくる数値は正しいかどうか判断できないものだ(ホーキンスは間違いなく正しいと主張しているが)。
筋反射テストは、そういうどこまでも真偽不明のものになら使ってよくて、後で真偽が分かるものには使ってはならない、などというなら、そもそもそんな検査法は使い物にならない。それこそ「キネシオロジーなんて信用できませんよ」と言って歩くようなものだ。

さて、ここまでことから分かるのは、「未来のことだけでなく過去のことも含めて、キネシオロジーで全てが分かるわけではない」ということである。

経験的に、現時点から時間的に隔たっていればいるほど、また術者やクライエントとの直接的な関連が薄ければ薄いほど、筋反射で得られた結果の信頼性は低下するように思われる。そしてそれは、上の「時間的に」を「空間的に」に置き換えても同じである。例えば上の試みは、πの数値がわかるものが手元になかったから筋反射テストで正しい結果が得られなかった、とも解釈できる。

つまり「時間的にだけでなく空間的にも、キネシオロジーで分かることには限界がある」ということだ(実は、これは「筋反射は宇宙意識とつながっていて、筋反射を通じて宇宙の情報全てが分かる」というキネシオロジーにまつわるトンデモ論への反証でもあるのだが、それについてはバカバカしいのでこれ以上は立ち入らない)。

そういうわけで、「キネシオロジーの筋反射テストを使って未来のことを聞けるか?」という問いは、
・情報を得ようとする事象との時間的/空間的/心情的(?)な隔たりは筋反射テストの結果にどのように影響するのか?
・その影響はどうすれば、どの程度まで抑えることができるのか?(「できるだけニュートラルな状態で筋反射を行う」などといった、どうでもいい解決策は却下
という問題へと帰着することになるのである。


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