Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

DAVID BOWIE IS

2017-01-20 16:37:00 | いろいろ
デヴィッド・ボウイ大回顧展を見てきました。

会場「寺田倉庫」は「モノレール」か「りんかい線」で行くモチベーションが上がらない場所なので行こうかどうか迷ったのですが、とっても欲しいグッズがあったので一大決心しました。

天王洲アイル駅の階段下にてさっそくお迎えが!



モチベーションが上がらなかったのは、前売りチケットが時間制のせいもありました。日にちと時間も予約が必要な縛りがあり、いつでもの前売り券だと3000yenと高額。

でも今日は雪のちらつく寒い日、どの時間に行っても定員に達してないので即入場可、という私の予想大あたり。

チケット売り場のすぐ横に等身大ボウイがいたので、スタッフさんにお願いして記念写真撮っていただきました。



1階でチケットを買ったら、5階の展示室に行く途中で私の大好きなブルーのスーツ姿のスクリーンが。「ライフ・オン・マーズ」のPVの衣装とメイク。すごいアンドロジナスな表情。

このスーツそのものも展示されていました。ケイト・モスもヴォーグの撮影でこれを着たんですよね。



ウダウダ迷いましたが、結果は「行ってよかった」でした。

何と言っても衣装がとても多かったんです。70年代からのステージ写真やレコードジャケットで見かける有名なものがほどんどあったのでは?という充実ぶりです。

本当にあの写真のあれ?と疑うほどに有名な衣装が綺麗な状態でシミや傷がない。

数年前にクイーンの回顧展を見た時、70年代の衣装はボタンが紛失していたり生地が傷んでいたり、マネキンより服のサイズが小さくて着せ付けが不完全なものもあったんです。使用後スーツケースに押し込まれて放置されていたらしかったです。

それに比べボウイのは、マネキンが本人の複製になっているので、シルエットが完璧なんです。

ものによっては有名なステージ写真のポーズに作られたマネキンも。

特に70年代のぴたっとしたジャンプスーツや、ホットパンツや、蜘蛛の巣のようなネットでできたレオタードは、本人にしか着られないと思います。

なぜなら、ボウイはとてもコンパクトな体型なのです。カタチやサイズ感を実感として見てわかるだけでも、この展示を見た意味があると思います。

ボウイが初めてテレビにぴったりしたジャンプスーツを着て現れた時、イギリス中が「A boy? Or a girl?」と驚いたと言いますが、本当にアンドロジナスな体型なんですよ。

普通の体型の男性がガリガリに痩せてもああにはならないと思います。筋肉ムキムキというのではないけれど、骨と皮ばかりに痩せてるわけではない、のに細い。

テイラー(洋服屋)の手帳に" DAVID"という1ページがあるのが展示されていて、そこにサイズ一覧が書き込まれていました。記憶があっていれば

チェスト 35 1/2インチ
ウエスト 26 1/2
SEAT(HIPじゃないのw)お尻 36 1/2
股下  35
ウエストから床 45

とこれだけは網膜に焼き付けてきたつもりです。

ね?インチだから2.5をかけるとcmになるのですが、ウエストなんて66cmくらい。身長は178cmと言いますから、細いです。そして脚が長い。

そして肩も小さくチェストも丸みを帯びて立体的なのにこじんまりした感じなんです。露出の多いマネキンがそういう形でした。

その体型で上半身がピタリと体に沿ってズボンがハイウエストでゆったりしたスーツ(フレディ・バレッティーというデザイナーでした)を着ると、それはもう芸術のように美しいのですよ。

淡いブルーやマスタードなどの現実離れした色もいいし、白いシャツに黒のスーツの禁欲的なものこの世とは思えない美しさでした。

展示はもちろん衣装だけでなく、ボウイの生まれた時からの世界、イギリス、ロンドンの時代背景も垣間見れる作りです。

イギリスの住宅事情の紹介、1945年の食料や衣料の配給チケットの実物も初めて見ました。

1975年のおもちゃみたいなシンセサイザーも可愛い。

圧巻は終わりの頃の1番大きなコーナーで、この空気感は、本場V&Aで見た「アレクサンダー・マックイーン展」でのクライマックスと共通するものでしたので、オリジナルの展示を再現する試みがされたのだな、と感じました。

その広く天井の高い部屋は、中央に大きな柱がありその周りがベンチになっていて入場者がゆっくり座って鑑賞することもできます。

ボウイの曲に合わせて壁とネット状のスクリーン一面、つまり大きな白い箱の内側いっぱいに編集されたライブ映像が現れたり、消えるとスクリーン越しに衣装の展示が2階だてにされているのが見えます。(だから上の階に展示された衣装は至近距離では見られないのですけど)

この部屋には、比較的新しい衣装も展示されています。

今世紀になってからのものは、ボウイらしいという第一印象はないのですが、デコラティブかつシャビーな加工が新しく若いセンスだと思ったら、アレクサンダー・マックイーン、エディ・スリマン、ティエリー・ミュグレなどファッションデザイナーの作品でした。

70年代にも山本寛斎の服をかなり着ているんですが、あの時は「ボウイの衣装」として世の中に出て行った。

今世紀デザイナーの服には、ボウイの常にNEXTへと挑戦する姿勢は感じられるのだけれど、個人的にはボウイの良さを活かし切れているとは思えなかったです。

大きな部屋を出た後に、イッセイミヤケの服もありそれも70年代のものでした。キルティング状に刺し子のしてある生地でできたキュロットにサテンのジッパージャケットがとってもキュートでした。イッセイの服がこんなに可愛かったなんて。

初期には日本の浮世絵にヒントを得た兎さんプリントのロンパースもあったし、ボウイは日本的なものが似合うことは確かだとわかりました。なぜだろう?そういえば日本のデザインは西洋的な意味での性の記号に乏しく中性的要素が強いかも。そういうところがボウイの個性に馴染むのかもです。

5階の展示室を出ると、エレベーターの手前にボウイ出演の動画があって、

「ボウイおじさんから『お誕生日おめでとう』のメッセージだよ。これを毎日聞いてれば必ず本当の誕生日に当たるよ」

とニコニコ顔で言ってるんですよ。スーパースターなのに、なにこれ和む。受けに受けて顔がニヤケテしまい、エレベーターのドアをスタッフさんが押さえててくれてるのに恥ずかしい・・・

1階に戻ると、カフェとストアが。こんな看板娘も。



ところで私が欲しかったのは、このイナズマのネックレスだったのですが、なんと品切れで予約受付中?!

2/11に入荷予定で、予約すれば1週間取り置きしてもらえるけど、寺田倉庫まで行くのが唯一の入手ルートで通販はなし。なし。グググ・・・

もう一つ欲しかったイナズマのポーチも売り切れで、なんと明日入荷予定だというものの、そっちはネックレスと一緒に取り置きはしてもらえないという?!

寺田倉庫まで行くことが最大のネックで行くのが遅くなってしまったのに、とはいえまだ初日から13日目なのにこんな仕打ちに会うなんて。

ああ本当に、上野の博物館のどこかとか、六本木のどこかでやってくれてたら、何回も行くのが苦にならないのですが。V&Aは王立なんですから、日本でも国立や恩賜と名がつくところでやればピッタリだと思うのよ。



実際は、JR山手線「浜松町」駅からモノレールに乗り換えたら1つ目の駅が「天王洲アイル」駅、下車徒歩ですぐです。文句を言ってすみません。