Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

New 「ドクター・フー」

2023-12-26 20:09:35 | その他の映画・ドラマ・舞台

デヴィッド・テナント復活の3話に続いて、初の女性ドクターとなったジョディ・ウィテカーの次、チュティ・ガトゥ演じるドクターが主役のエピソードを見た。ディズニー+配信のおかげさまでイギリスと時差なく日本語字幕付きという完全体で。難なく見れる環境も感動だし、今回の俳優さんは、好きでリアタイで見続けたネッフリドラマ「セックス・エデュケーション」のメインキャストの見慣れた人だけに生まれて初めてドクターをとても身近に感じた・・・いや勝手なこちらの設定ですけども。

チュティはドクターを演じる初めての非白人俳優となったけど、ジョディが女性で初ドクターになった時よりはその「初」が話題になってないような。「セックス・エデュケーション」ではクイアの高校生役だったので、マット・スミスほどの若いドクターだなあと思ってたらなんと31歳だったので改めて彼の演技力に気づきました。高校生役のはじけたイメージを想像してたら、ドクターとしてはかなり落ち着いてると言えるほど深みを出すキャラ発進という感じがし、今後がどんなキャラを見せてくれるのかが楽しみ。

コンパニオンにはキューティー・ブロンド、ルビーちゃん。今までも生き方の不器用な人たちがコンパニオンとして登場してましたが、明るく良い子を頑張って演じてる若い女子、というのが良いなあ。

予告編にはビートルズがモデルと思われるバンドが出てきてたり定番の時代劇コスプレもあり、続きは来週じゃなくて春のようです。今回はクリスマススペシャルが全4回と長いクリスマスが楽しめたわけでした。

 


Wonka ウォンカとチョコレート工場のはじまり

2023-12-14 09:53:52 | その他の映画・ドラマ・舞台

スタッフ&キャストのニュースを聞いた時から楽しみにしていた「チャーリーとチョコレート工場」の前日譚を見に早速土曜あさイチのIMAXシアターに行ってきました。週末なのに朝一とはいえ半分以上空席で、快適に観れたけどWonkaそれほど人気ないの?と心配してしまいましたがランキングでは1位を取った様子、まあ、良かった。

宣伝コピーでは「パディントンの監督」「ハリポタのプロデューサー」とわかりやすく集客してましたが、そのメジャーヒットスタッフの色通り、ジョニデ&ティム・バートンの怪しさはないけど、そこそこにマジカルでドキドキしてハートウォーミングなストーリーでした。

キュンな要素はストーリーよりも、眼福なティモシーをずっと観られること、彼のかっこいい系ではない歌のお兄さん的な歌声が目一杯聴けること。地声のファニーボイスがかわいい!そしてどう出るか想像もつかなかったヒュー・グラントのウンパルンパも大変良かったオレンジ色の小さな紳士でちょっと意地悪なところが更に魅力なのはピーター・カパルディの域に達した感がありました。若い頃は綺麗だとは思ったけど魅力は感じなかったのに、ついに私もイケオジ押しの域に達したのでしょうか。スパークスでオジどころかジジイ枠にまで広がったせいかな。

脇役もオリヴィア・コールマンにサリー・ホーキンスにジム・カーターにマット・ルーカス、ローワン・アトキンソンとなんて贅沢。そしてパディントンでも図書館やセントポールの警備員として出てきて女装のおっさんに恋する役目だったサイモン・ファーナビーが今度は動物園の警備員に!なんなの?!なんでこんなことが嬉しいの?!

若ウォンカがお店を開く場所は、予告編にも出てくるこれぞヨーロッパなアーケードなんですが、私の限られた旅経験であれはミラノのヴィットーリオ・エマヌエーレ2世ガレリアではないかとロケ地情報を検索しましたがヒットせず。セットかな。そして限られた旅経験でも高割合を占めるオックスフォードがたくさんロケされてて嬉しい。そうだ、原作ロアルド・ダールなんだから、架空の地とはいえイギリス色強めなのは当然だった・・・他にティム・バートン版のしか知らなかったので、アメリカのお話と間違った先入観を勝手に抱いておりました。

そして元々チョコレート中毒である私、ますます抜けられません。

 

 


ゴーストワールド

2023-12-03 08:11:34 | その他の映画・ドラマ・舞台

「伝説的傑作」というコピーにこれは見なくては?!と映画館に行ってきた・・・ことを忘れてた映画・・・

つまり私にはあまり響かなかったということです。なぜか?アウトローの、つまりかつては社会に違和感感じてる若者だったはずの私にもピンとこない理由を考えてみた。

確かに楽しそうにしている田舎町の人たちにテンションが合わなくて親友と顔を見合わせてうんざり、というシーンには共感するのだけど、でも私の高校時代は自分が少数派として限られた仲間内でしか真に楽しめないということがわかっていたので、すでに諦めていて、田舎町ではなくて都会に行けばそういう人も数多いのだと高校卒業してすぐ家を出たから、この映画のようなフラストレーションには陥らなかったからかな。

ちょっと似てるのに「レディ・バード」というシアーシャ・ローナン主演のアメリカ映画もあって、あれも地元でもがく女子高校生が都会の大学に出るまでのお話だった。あれも田舎町にさえティモシー・シャラメがいるんだからいいじゃん!!と思った始末。

なぜアメリカの高校生は地元でもがくのかな、と思ってみると、日本の地方住みの若者よりもそこそこ自由もあって恵まれてるから一応そこで生きよう、自分自身でいようと思うのかもね。実家の親も日本の昔の親ほど厳しくないし、気弱な男友達が車に乗せてくれたり、彼を揶揄って遊んだり、フリーマーケットに行ったり自分で開催したり。ダイナー?カフェ?に行くくらいはお金あって。好きな可愛いファッションで歩く。私の田舎町は一応県で第二の市だったけどそんな楽しいことできなかったな。古着なんて売ってなかった。あ、逆に自由だとそこで幸せじゃないことにフラストレーションが湧き起こる、ということかもしれません。

カフェでバイトする時にマニュアル通りに働けなくて1日で首になったこと。これはなんでそんな仕事に自己主張をしないと自分を許せないのかと見ている時には思いましたが、私も東京のチェーン店の洋服屋で学生の時にバイトしてて『けっくだらないことさせんなよ』って店長に思ったから、若いとなぜか自分は「そんなくだらないことには関係ない高級な人間である」と思うもので、そうは思ってもバイトとはそういうものであると割り切れるかどうかの問題なんでしょう。ロンドン生まれ東京育ちの生粋の都会っ子の私の娘なんかはすごく割り切りがいいです。

良かったのは主役の女の子を可愛いスカーレット・ヨハンソンではなく、メガネで愛想もなく可愛くない子(別のキャラを演じれば美人さんの俳優なのでしょうけど)にしたこと。これは意味がありますよね、はみ出し者のバイブルとして。スカーレット・ヨハンソンならばどこにいても受け入れられて幸せなのかはまた別テーマとして書きませんが。

 


「ナポレオン」「メモリア」

2023-12-01 19:12:32 | その他の映画・ドラマ・舞台

リドリー・スコットの新作「ナポレオン」を初日に見てきた。昔ナポレオンには思い入れがあって、パリ郊外にあるジョゼフィーヌが晩年に住んだ館マルメゾンやローマのナポレオン博物館にも行った身としては先入観なしに見たかった。

映画は正統派らしくフランス革命でマリー・アントワネットがギロチンにかけられた処刑場にいた若き日の一将校時代から始まり、彼のターニングポイントとなる戦争を描きながらフランスの国の移り変わりと最初の妻ジョゼフィーヌとの愛の歴史がエルバ島への流刑まで時系列で語られる。

私の思い入れはナポレオンだけではなく、hedgehogさんに教えてもらったオーディオドラマ「warhorses of Letters」のおかげで彼とウォータールーでの敵指揮官ウェリントン公爵の馬、マレンゴとコペンハーゲンにも多大なる思い入れがあったので、その視点からは、最悪の映画であった。良くも悪くもリアリティを追求しているので軍馬への仕打ちも見せられるからだ。あう・・

ナポレオンの肖像画は多く有名なものが多いが、映画にはそれらがそっくり現実が再現されて、これは予算の許される巨匠にしかできないよね!という感動はあり、またホアキン・フェニックスがナポレオンに元々似ていたとはさっぱり思わないのに、見ている時間の経過と共に段々と肖像画にそっくりになってくるのには驚いた。

しかし、それなのに、ああそれなのにマレンゴとコペンハーゲンは名前さえ一度も登場しないし、そこは歴史画や肖像画にも堂々と登場してるんだからもう少しスポットを当ててくださいよ〜

でもジョゼフィーヌ皇后役のバネッサ・カービーは好きなので、ナポレオンのファム・ファタールとして描かれていたのは良かった。ただ彼女が美しいのは見れば分かるけど、それ以外の、一応貴族なんだけどどこかぶっ飛んだところがあるアウトローな部分も見せて欲しかったな。そうすれば支配階級=貴族中心の上流社会で田舎出身の粗野な男が心の拠り所にしたことがもっと分かったのではないかな。

大作に相応しい巨大スクリーンのIMAXシアターで見てきてスケールの大きさもガッツリ美術も衣装も戦闘も宮殿の豪華さも堪能できた・・・そして分かったんだけど、私が今、見たい映像って、もうそういうものじゃないのかな。

18世紀フランスの軍服は美しいと改めて思ったものの、かつてそういうものに萌えた私はどこかに行ってしまった。帆船が登場したことで、今家で見てるドラマ「海賊になった貴族」を思い出して、あれで充分です、と思っちゃった。

イングランドのウェリントンは、ナポレオンを破って一躍人気者になり、彼の博物館もロンドンのマーブルアーチに見に行ってそれはとても楽しかった。はい、オタクの愉しみとして歴史は楽しめるけど、自分が若かった頃には憧れだったヨーロッパの貴族文化には自分がかなり冷めていたことに気づきました。ウェリントン公爵はルパート・エヴェレットが演じたけど全然魅力はなかったし、チャラいロシア皇帝がちょっと可愛かったくらいで私の俳優の好みがリドリー大先生には合わないからかしら。

あと重箱の隅ですが、フランス軍も英語なので、ウォータールーの戦いではイングランドなのかフランスなのか混乱しました(笑 でも潔くフランス語訛りの英語とかではないのは良かったかも。オーストリアやロシアの皇帝たちも劇中では英語でしたが、きっと現実にはかつての公用語はフランス語のはずですよね。

 

それと最近見た映画(配信ですが)にティルダ・スウィントン主演の「メモリア」があります。

これがとても変わった映画で、ティルダ様なので頑張って眠気と戦って見て、クライマックスでミステリーの謎解きのシーンではぶっ飛びました。

ずっとスパークスの絵を描いて映画やドラマに集中できない日々が1年以上続いてきたけど、今スパークスが10月のオーストラリア公演を最後にワールドツアー後の休み(でも働き者の彼らのことなので映画制作など別の仕事してると思われ)に入り、私もずっと放ったらかしにしてたそれ以外の事もちゃんとやらなきゃなという気持ちになってます。でもちゃんとやらなきゃってのが映画ですかね?

 


ワム!

2023-07-11 21:13:07 | その他の映画・ドラマ・舞台

ネットフリックスで80年代に活躍したデュオ「ワム!」のドキュメンタリーを見ました。と言っても私はまったくワム!のファンだったことはなく、80年代前半のヒットチャートにいつも入っていて、イギリスのティーン音楽誌(とじこみで人気ミュージシャンのポスターがついていた)にもよく出ていたので知っていた程度。後にジョージ・マイケルがソロとしても人気があったようですが、私はもう1人のアンドリューの方が見た目で好きだったくらいです。

ですのでメンバーのジョージとアンドリューが子供の頃からの親友で、当時はジョージはギリシャの名前で学校では浮いていて、アンドリューが逆に目出す存在だったことはもちろん初めて知りました。2人はルックスも人気がありましたがドキュメンタリーを見て2人ともエキゾチックな顔立ちだったんだ、と思いましたがジョージはギリシャ人の父、アンドリューはイタリア人の父が、そして2人ともママがイギリス人なのだそうです。

ワム!の曲はめちゃ明るいのが印象として強く、ケアレス・ウィスパーなど日本でも西城秀樹がカバーしたらしいスローな曲に至ってはキャッチーで忘れられないけどオルタナ系の暗い音が好きだった当時の私にはアイドルにしか見えず、曲のタイトルやサビが巨大ロゴで入った衣装などふざけているとしか見えなかったです。でもそれが今見るとエルトン・ジョンも絶賛というのも頷け、あのダサいロゴとスポーツアイテムのステージ衣装も2023年の若者ファッションで繰り返されているのでなかなか可愛く見えてしまいました。

ドキュメンタリーで初めて知ったのは初期の彼らの作品は政治的だったということ。それがイギリスの評論家には受けていたよう。それとジョージ・マイケルって歌のうまさも後年になってフレディ・マーキュリー・トリビュートコンサートで知ったくらいですが、彼の音楽にかける熱意は、当時まだゲイをカミングアウトするのは社会的にもキャリア的にも困難だった時代に自分を偽るマイナスのエネルギーをクリエイティブなエネルギーに昇華して生まれたものだったんだと知りました。しかし彼に熱意があったこと、作曲やプロデュースの才能があったことも知らなかった私。

ワム!の活動期間はわずか4年ほどと短かったにもかかわらず「ラスト・クリスマス」はクリスマスの定番曲となっているし存在感は大きい2人のバンドを始めた時から解散までを本人の声で語った「ワム!とはなんだったのか」がわかる良いドキュメンタリーでした。