医療上コロナはインフルと同じ等級の扱いになりマスクや消毒は義務ではなくなり、同時に何となくコロナそのものがなくなったように思ってる人も増えました。私もイギリスでマスクなし生活を1週間送って来て感染もしなかったし、もう特に対策しなくてもいいんでは?・・・と思っていたところに、
「作家のブレイディみかこさんが3度目のコロナ感染の後、プチ認知症になり日常にも仕事にも困る」ということをご自身の記事を読んで知り、やはり、できれば感染したくないものだ!と心を改めました。
これをきっかけに彼女のベストセラー「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んでみました。検索してみて、「2」という続編もあることがわかり2冊続けて。
内容は1990年代から在英で保育士、執筆業をされている彼女の息子さんの学校生活を通したイギリスの日常、家庭やご近所、学校のことから見えてくる世論や階級社会のことイギリスの政治による庶民の生活の変化など多岐にわたっています。
2001~07年にイギリスに住んでいた私が見て興味深かったのは、その後あっという間に15年くらいが過ぎ、その間に政権が変わり、政府による福祉や教育の政策が変わり、国民の生活にも大変な変化があるということでした。
イギリスでは選挙によって政権もよく変わるし、ブレグジットも国民投票で決まったし、政治は国民の暮らしに影響があるものと日本に比べてずっと社会が思っているような気がします。日本だと政治は自分には関係ないもの、誰が政治をしても何も変わらないもの、と思ってる人が多いから選挙への関心も低いんだと思います。まこれは本には書いてない私の感想です。
それから、みかこさんが作家である職業柄もあるでしょうけど、息子さんの学校生活に大変関心を持って会話したり体験して得ているものがとても多く、子供を育てた経験者としては、もっと私も子供の学校に興味を持って今時の日本の教育がやっていることを知ったら良かったのかなと思いました。
日本でも子供の教科書に「メディア・リテラシー」という単語が太字であるのを発見したのに、こういうことを学校で教えてる割には私がテレビに怒ってると「そんなふうにニュース見て文句言うのはうちのママだけだよ」と娘に言われたので学校は何を子供に教えてるんだよ!と私が日本の学校を信用してなかったのがいけないんですけど。
小中学校は公立だったのでそんな調子でしたが、高校はちょっと国際的な私立だったので家計は火の車でしたが、イマドキの概念を習って海外に進学できるようなリサーチやプレゼンを2年間教わり高校3年から海外の学校に通えたので、もっと学校で習っていることを聞いておけば私の錆びた頭も活性化されたであろう・・・
と今頃思っても、そういう関心ごとがあるなしからして人間の素養とは出来とはこうも違うのだなあ、と2冊の本を読んで感じました。みかこ氏がモリッシーのファンでイギリスに行ったらしいことを知り、(そのモリッシーはスパークスのファン)親近感も感じましたが、文章力で作家となられている有能な方に比べ、ただファンガール道を続けている私は何?でも人間したいこと、できることしかできないしなあ、とじっと手を見る。