Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

STARTER FOR 10

2012-11-25 16:52:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
「Fortysomething」の次は「STARTER FOR 10/スターター・フォー10」です。



欧米公開は2006年、日本では未公開だったようです。原作本が欧米ではベストセラーだったとDVDには書いてあるけど、そちらも和訳されなかったのかな?そして時代設定は1985年というちょいレトロなお話です。80‘sファッションやラジカセ・プレイヤーやレコードなどの小道具、キュア、ザ・スミス、エコー&ザ・バニーメン、ティアーズ・フォー・フィアーズ、スタイル・カウンシルなどの当時のヒット曲に胸キュンです。

そして、今「シャーロック」見てからこうして遡ってベネディクト・カンバーバッチ出演作を見ていて気づくのがキャストやスタッフの繋がり。(何度も書いてますが私は映画も海外ドラマにも詳しくありませんので、そんな奴の感想と思ってお読みください。)メイン・プロデューサーは俳優でもあるトム・ハンクスですが、STUART A Life BackwardsをプロデュースしたPippa Harrisも名前を連ねています。想像ですが、イギリス撮影ですから現場では彼女が動いたのではないかな。

ワッツ先輩

ベネディクトは本作品ではDVDの特典映像のインタヴューにも出ないような脇役(でも存在感は主役級!迷演&怪演で!)主人公の大学の先輩ですが、その主人公ブライアンがジェイムズ・マカヴォイです。
おおう!(←シャーロックの声で)つぐない」でもジェイムズは主役、ベネディクトは脇役(この時も一種の怪演だった)だったし、今収録中BBCのラジオドラマNeverwhereでもベネディクトと共演中、ウィキリークスのジュリアン・アサンジ映画でもふたりの出演を製作会社が交渉中とニュースになっていますよね!

”Some people are born clever the same way some people are born beautiful.
I'm not one of those people. I've had to work at it."
「生まれつき頭のいい奴もいれば、容姿に恵まれている奴もいる。
 そのどっちでもない僕は、努力をしなくてはいけない。」

こちらは映画冒頭のブライアンの台詞です。下にはったトレイラーにも出てきます。労働者階級の普通の若者だということがわかります。でも、面白いことに、今発売中、日本のファン大喜びのMovie Star 1月号掲載のベネディクト・カンバーバッチのインタビューには、こういう発言もありました。

「僕はジェイムズのようにハンサムでもないからね、彼のように容姿に恵まれた俳優がこなせる役をこなせるわけじゃないし、だからこそそれに頼らずここまで努力してきたし、容姿に関係なく自分の演技力のみでここまで来ることが出来たっていうのはとても光栄なことだよ。」
この発言、どこまで謙遜なのかはともかく、STARTER FOR 10では冴えないふたりだったか彼らが、今世界を代表するイケメン俳優と認知されている事実、たった6年の間に何があったのか世界の美意識!!

そして上のポスター、ジェイムズの右はレベッカ・ホールです。Parade's Endでのシルヴィア役では美人の悪妻が板についておりましたが、彼女もこの時は貧乏そうな賢い運動家の女学生役が似合っていました。ブルネットの髪って本当に理知的に見えるんですね。彼女の場合は本当に頭がいいから内面が滲み出てもいるのでしょうけど。

で、ここまでは、メインの配役は知っててDVDを楽しみに買ったのですが、不勉強にも知らなかったのがこのお方!!



老け役だったので、不覚にも私は1度見た時には気づきませんでした。ごめんなさい!ごめんなさい!DVDケースの裏に「The League of Gentlemen's Mark Gatiss」を発見、あ!あの喋り方と声!と思い当たった罰当たりなワタクシ。ぐすん。ゲイティス先生は「シャーロック」の脚本家かつマイクロフト役の多芸にして美的センスのある人格者、現在のノエル・カワードのようだなあと私が勝手に思っている方。

お話はブライアンがブリストル大学に晴れて入学するところから初まります。子供の頃からの憧れだったクイズ番組「ユニヴァーシテイ・チャレンジ」に出るため、クイズ部のオーディションを受け、そこで出会ったのが去年も大学クイズチームのリーダーを努めた(でも負けちゃった)ワッツ先輩。誰よりもクイズ部に情熱を持ち、ケンブリッジ大学への積年の恨みを晴らそうと番組に命をかける勢いが、七三に撫で付けた髪型、いつも学校の制服着た優等生っぷり、何だか演技と思えないのは、演技が上手だからですよね?ね?

自己実現手段はクイズと、それからワッツ先輩と同じギークとは言え青春映画の主人公ですもの、女の子もね。ブロンド美人のアリスとクイズ部で出会い、何やらいい雰囲気の関係に!でも知的なレベッカも気になるし、もててるのか?もててないのか?女の子に翻弄されてたら大学の先生には「最近の君はどうした?」と注意されるし、田舎の親友スペンサーまで出てきちゃって、せっかく「ユニヴァーシティ・チャレンジ」の夢が目の前にせまっているのに大変なことに!

ワッツ先輩の自宅ではさすがに大学の制服は着てません。ミッソーニ風(?)のセーターにケミカル・ウォッシュ・ジーンズ姿。

10月に入学してクリスマスに初めての帰省したブライアン、TVで女王のクリスマス・スピーチを聞きながら(つまり新年の天皇のお言葉のような改まった雰囲気)ママと恋人の前で「実は発表することがあるんだ。1学期にそれは起こった。。。」と夢だったクイズ番組に出ることを告白する。聞いた後にママ、「ああ、ゲイだと告白されるのかと思った。」一同「わはははは。」

11/27追記
Are you trying to seduce me Mrs Harbinson ? (僕を誘惑なさるおつもりですか、ミセス・ハビンソン?)ジェイムズの部屋に貼ってあるポスター「卒業」からの引用。このためにアリスの苗字はこれにしたのね。w ちなみにポスターには「ゴッホのひまわり」「ハムレット」「ROYAL COURT THEATRE」等ベネディクト縁のお品も w

11/27追記
ブリストル大学はイギリスでもランキング・トップ10以内の優秀な大学だそうです。チャーチル首相が学長を勤めていました。ジェイムズの部屋にも本がありました。サイモン・ペッグは卒業生。



私が初めてロンドンに行った時、同じ家の下宿人だったイギリス人の男の子に大学のパーティーに連れて行ってもらいました。その当時UKロックかぶれだったもので、家で聞いてた曲が大学という身近な公の場でかかっている!そこに感動。UKロックなんだから当たり前なんだけど、ネット普及以前の時代です。外国の情報ははるかに少なく遅く、日本で自分が手に入れている情報が発信地ではどういう位置づけなのかなんて想像できませんでした。この映画の冒頭でも、都会に出てきたブライアンが、ハウスシェアする部屋を見に行ったら、女装の学生がふたりパーティーへとブライアンを引っ張って行くシーンが出てきます。実はあそこでかなり感情移入しました。同じイギリス人でも田舎と都会の違いにドキドキするんですからね、あの頃ロンドンへ行った日本人もカルチャー・ショックがあって然りです。

11/27追記
そう言えばブリストルには行った事があります。ロンドンから行くとあと1歩でウェールズかな?!っていう感じの西の方です。港から坂を登ったあたりに大学や博物館/美術館があり、その途中にカフェやキャス・キットソンなどのお店が。ああ、あの時にここで撮影したと知っていたなら、大学の中も見て来たのに!ちなみにコーチ(バス)で日帰りも頑張ればできます。料金は往復でも15ポンド、Offerというキャンペーンや早めの予約でもっと安いチケットもありそう。http://coach.nationalexpress.com/nxbooking/journey-list#


Fortysomething

2012-11-23 20:06:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
「Fortysomething」の感想です。
「Parade's End」や「Tinker Tailor Soldier Spy」などの濃い作品の合間に「Starter For 10」やこれなどのコメディを見てこそ本望だと思えて来た日々、着々とファンの泥沼王道に足を踏み入れています。ベネディクト・カンバーバッチは貴族か天才の役が似合うと信じていたあの頃が懐かしい。。。。



こちらは、2003年のテレビドラマで50分×6エピソード。監督・主演ヒュー・ローリー
タイトルの意味は「40代」。中年の危機に差し掛かったポールが、3人の息子達が成長して仕事に復帰した妻となんとかロマンチックな関係を取り戻そうと悪あがき・妄想・空回りするお話です。ポールはGP(地域の公クリニック)の医者、舞台はチューブの駅が出て来るからロンドン郊外です。

ベネディクトの役は長男ローリー、真面目な親思いのいい子、弟に彼女を盗られ冷静なフリをしつつも黙ってはいない。パパの左側に写っているのが次男ダニエル一番要領いいタイプ、私がとっても気に入ったのは末っ子のエドウィンで左下です。ブロンドの女子ふたりは、姉妹で上ふたりの息子達のガールフレンド。

まず、上の2作品に比べて日常会話の英語なのでほっとします!さらに台詞わからなくても見るだけでもかなり理解できると思います。だってヒュー・ローリーの顔があまりに可笑しくて。。。
いえそれだけじゃなく、妻がゲイの女性の上司と働いているからと関係を心配したり、同僚の医者(この人がすごい!怪演!)に妻を狙われたり、息子達が女の子を家に連れ込んで居場所がなくなったり、近所の人から変人と誤解されるような出来事が次から次へと起こりますので、あまり英語のことには考えずに楽しめます。

長男らしく落ち着いて一家でママの次にまともなキャラなんだけど、どこかヘン。それは役のキャラなのか、俳優さんのせいなのか、たぶんどっちもですね。


ヒマなボランティア先でクリップの仕分け。。。


この組み合わせもね。。。いや、家族の話なんだからアリなんですけど小道具が浮いている・・・気がする

そして集合写真では写りがあまりよくないのですが、すごくかわいかったのが三男のエドウィンでした。パパに書類を届けるのに、70年代っぽい茶色のスーツを着てるところなんてモデル君みたいでした。まだ少年体型なんですけど、この時のこの人にはそれが良かった!もう9年前の作品だから今ごろどうなっているのか。実は彼の恋愛が、このドラマの中で一番お気に入りのシーンです。もう1度ティーンになったらこういう男の子と恋愛したいとさえ思った。



最後に、同僚の怪医者が黄色い靴下をはくシーンがありまして、それは女性から愛の告白をされたテキスト・メッセージ「Wear the brightest socks you can find...(できる限り派手なソックスを身につけてね...)」に対する彼の反応なんですね。それって、シェイクスピアの「十二夜」にも出てくる、道化のお笑いシーンなんです。それを、21世紀の道化は、ビートルズを歌いながらやってのけるんですよぅ!

ヒュー・ローリーはイートン~ケンブリッジの高学歴コメディアンでもあるので、きっと私の知らない元ネタのあるパロディもあるんだろうなあ。わかる方、ぜひ教えてくださいませ。

そうそう、彼と仲が良いらしいスティーヴン・フライが魚屋で出て来るのも笑えました。



巨匠たちの英国水彩画展

2012-11-22 20:01:00 | いろいろ
渋谷は東急文化村で開催中の「巨匠たちの英国水彩画展」に行って来ました。
Hedgehogさんのブログで、Parade's End原作者のフォード・マードックスの
祖父フォード・マードックス・ブラウンの絵もあると知ったからです!
BBCドキュメンタリーで、小説家は祖父ブラウンの絵のモデルをしていた話や
絵そのものも何点か見てますし、今、日本に来ているそのブラウンの絵を
孫の小説のドラマ化作品の主演俳優のファンである私が見逃してはいけない!
という謎の使命感に燃えて行ってきました!

2点あるブラウンの1点がこちら「ロミオとジュリエット」↓

有名なバルコニーのシーンですが、忍び込んだロミオはジュリエットの肩に腕をまわし、首筋にキスをしています。で片足はまだバルコニーの手すりに乗ったまんま。ジュリエットも両腕をロミオの胴体にまわしてますよ。見ていた60歳くらいの女性ふたりが「変なポーズねえ」と話してましたが、ロミオ達って確か15歳くらいなんですよね。情熱で我を忘れて恍惚となってるんじゃないかなあ。画家も小説家と同じく女性には情熱的だったとドキュメンタリーで言ってたから、シェイクスピアのイタリアのお話を借りて、彼の内面が表れているのかもしれません。。。

水彩画の発展した理由のひとつに「グランドツアー」という良家の子女の
個人的な修学旅行みたいな外国旅行があったと展示にも解説がありました。

ああ、まさしく「眺めのいい部屋」だ!あの映画でも、イギリスのお嬢さんが
イタリアに旅行したのが物語の始まりでした。そして、お嬢さんルーシーの
気取り屋の婚約者(ダニエル・デイ・ルイスだよ~♫)が、歩いていた彼女に
「Don't move!」とかなんとか言って指を合わせたフレームごしに彼女を見て
「イタリアの絵画のように美しい」と賞賛するシーンがありましたっけ。。。

当時グランドツアーに画家を同行させ行った場所を絵に描かせたそうです。
写真がなかった時代、絵で外国を思い出にしたり、未知の国に憧れたのでしょう。
19世紀になるとイギリス画家の作品にスフィンクスや中国も登場します。
ツタンカーメンの墓を発見したのもイギリス人でしたね。

18世紀頃の風景では、イギリスにも、イタリアで今も見るような古い橋があり、橋の上にずらっと石造りの建物が並んでいました。そうか、イタリアはフィレンツエなんて最低500年は建っているというくらい古い建物が残っているんだけど、イギリスは産業革命の時にそういうのが最新の建築物に一新されていたからだったんだ!

「ピクチャレスク=絵のような」は美しい風景の修飾語だそうで、そこに必要なアイテムに、城、教会、聖堂、険しい自然がありましたが、建造物は、城跡のように朽ち果てていても可だそうです!水彩画にもたくさん出てきました。それでわかったのが、イギリスの地方へ行くとよく荒涼とした城跡が観光名所として保護、公開されているわけです!そうか、メインになったり、遠景に配されたりと、名画の必須アイテムだから今もそのまま大切にされているんですね。

義母の生まれた北アイルランドに旅行した時に訪れた「ダンスール城」が描かれた絵を見つけました。そこも城と言っても絶壁の上に建っていたほとんどは戦いで焼け城主の一家は崖下に落ちて一族が滅んだ。。。という冷たい風が草の上をなめて行く北アイルランドの荒野にあまりにぴったりなお話つきの古城でした。

↓ 下のクリアファイルの絵が「ヒナゲシ越しのダンスール城」byアンドリュー・ニコル


写真はショップで買ったもの。スケッチブックは水彩画が趣味の義父に。ダンスール城のクリアファイルは義母に。クリスマスプレゼント用です。ロミオとジュリエットのカードは自分に。スケッチブックは金のロゴが綺麗です。



こちらの動画で展示がひととおり見れますよ。

[[youtube:_RSSumO-AOs]]



お泊まり

2012-11-20 08:17:00 | 異文化
我家にはよく外国からのお泊まりのお客さんが滞在します。
友人達が来てくれるのは、私にとってもまた楽しい時が過ごせるのですが、
よくブログにも愚痴をこぼすのは、夫の友人の友人というポジションの人達です。
思い出深いのはオーストリアからの夫婦で、2、3日くらいと思っていたら
日本に1ヶ月半くらい滞在する間、地方から東京に戻ったらまた泊まりたいと
いう話にいいよと返事したら2~3週間くらい結局はいた、という件。
ドイツ語圏の人達は、こちらの消極的なYESを100%に受け取るので、
気がついたらこういうことになってしまうのです。
あれ以来私の脳内には「ドイツ語民族注意報」が点滅。
彼らは遠慮というものを知らない
ま、向こうにしてみれば「いいって言ったのになぜ不機嫌?」なんでしょうけど。

私がこうして時々辛い目にあいながらも友人の友人まで受け入れるのは、
自分も過去に友人の友人にお世話になったことが多々あるからです。
このことを、いつもお邪魔しているYOKOさんのブログを読んで思い出しました w
YOKOさんのは、飛行機で隣に座っただけの人に泊めてもらった経験でしたが、

私のお泊まりで一番強烈な思い出があるのは、友人の元カレの家に泊めてもらったこと。



友人のSちゃんと出会った時、私は約1年のロンドン語学留学(という名の放浪)から
東京に帰っていて、やはりロンドンに数年住んでいたというSちゃんと意気投合。
Sちゃんは在英数年の間クラブ活動の女王だったらしいと紹介してくれた友人が
言ってましたが、そのクラブが「ポジティブ・パンク」「ゴス」と呼ばれる
ハードコアな分野だときいて私はそんなに詳しくなかったので
詳しく突っ込んで聞いていませんでした。が一緒にいると楽しいので
「ロンドンにまた遊びに行こう」となったのでした。

で、めでたく一緒に飛行機に乗ったSちゃんが言うには、
元カレの家に泊まれるかもしれないとのこと。私も一緒でもたぶん大丈夫とも。
元がついても彼氏だった人に会うのに私お邪魔じゃないのかなあと
思いながらも、ありがたい話だ。

この時、1990年、インターネットと携帯電話が存在しない世の中でした。
ヒースローに着いてから元カレに電話したSちゃんはOKとの返事をもらいました。
安心した私達はそのカレのフラットへとスーツケースをゴロゴロ。。。。

そしてフラットについて、まず私達を出迎えたのは、リビングに鎮座していた
「マーク・ボランの巨大書き割り」(上の写真のような顔のアップが私の背丈以上)
むむむ。。。イベントかなにかのPOPか?さすがロンドンだとなぜか感動。

ガウン姿で出てきた元カレのアンディさんに会い、
「この部屋なんだけどいいかな~」と見せられた部屋は、なんと!
2、3畳くらいの物置のようなミニミニサイズ!?
同じ島国でもイギリスの家は総じて日本よりは大きいんだけれど、
なぜか間取りにそういう極端に小さい部屋はよくあるのです!!
そこにシングルサイズのマットレスがあるだけ・・・・・

そこにいくらヤマト民族の小柄な女子とは言え、ふたり寝かせる発想は、
日本にいたらないに違いありません。
でもそこは、パンクの国、トレインスポッティングの国、なんでもあり!
屋根があって荷物を盗まれる心配もないし、
私にいたっては見ず知らずの人に泊めてもらうんだよ!文句言えた義理かい?

「Yes! We are fine!」と返事しましたとも!

で、ちらりと見えるメインベッドルームのでかいダブルベットをチラ見しつつ
ちょっとアンディさんとご挨拶と自己紹介などして、
同居してるらしい今のフランス人の彼女も紹介してもらって、
ふむ、今も外国人の彼女で昔は日本人女子とつきあってたってことは
エキセントリックな女の子が好きなんだな、とSちゃんに後でカレのこときいたら
びっくりしたことには、そのアンディさんは
SAX GANG CHILDRENというバンドのリーダーAndy Sex Gungだったのです。


これが一番有名なヴィジュアルだったと思います


たぶん1番右の人がアンディさん

私はゴス系の音楽はほとんど知らなかったけど、バンド名くらいは知っていた。
メジャー大ヒットしたカルチャークラブのボーイ・ジョージや
ソフト・セルというバンドが大ヒットしたマーク・アーモンドや
マルコム・マクラーレンとも音楽の繋がりがあったミュージシャンです。
どわあ!そりゃ、自宅だからガウンなんて着ちゃってぼーっとしてるけど、
なんか、ちっさい部屋でも泊まらせてくださり、光栄でございますー!


80年代前半の音楽誌、表紙はスージー・スーで、セックス・ギャング・チルドレンの名前も
表紙に見えます。それくらいにはメジャー誌にも出ていた。


で、アンディさんのキッチンで、Sちゃんと私は朝ごはんに、
プリプリしてないので有名なフニャフニャのイギリス・ソーセージや、
ビーンズの缶詰をあっためて食べました。
その時に使ったのが今ではだいぶ少なくなった旧式のクッカーで、
ガス台の上の方にグリル、下には小さいオーブンが2個ついているもの。
これがBBCシャーロックのキッチンにもついているのです。



ベイカー・ストリート221Bのキッチンが映るだび、このクッカーを
見てはアンディさんちを思い出す(他の家にもまだあるけど、初めて
上のグリルでトースト焼いたのがそこだったので印象が深い)のでした。

シングルマットレスに大人ふたりで寝たのはキュウキュウでしたが、
特大マークボランもかわいかったし、レストランに行かなくても
テイク・アウェイ・フード買ってティーを入れてゆっくり食べる家庭が
あるのは幸せなこと。

夫に「~~が◯日に来るんだけどいい?」と言われるたびに
私を泊めてくれたアンディさんを初めとする多くの人の顔を思い出して
「いいよ」と返事するのです。



くるみ割り人形

2012-11-18 19:53:00 | いろいろ
なぜかバレエの発表会に出ることになりました。
「なぜか」と言うのは、大人になって、しかも子供を生んでから始めたんですから
「ステージに立ちたい」が目標ではないわけです。
ダンサーにはなれなくても自分が楽しめればいいと思って早数年。。。
それが、「発表会大人クラス全員参加」という掲示を鵜呑みにしたばかりに。
(フタを開けたら全員いなかったんですけど~
そりぁ大人には皆都合ってものがありますよ~。お仕事や、家庭の用事がねえ。)

演目は「くるみ割り人形」でクリスマス・パーティーのお客人の役が「全員参加」
の部門です。先生がおっしゃるには「歩くだけだから簡単」・・・のはずでした。
冒頭のお屋敷でのパーティー・シーン↓



ところが、「歩くだけ」でもステップはありますし、
音をたてない歩き方、頭、肩の向き、手の位置、場面に応じた演技、
貴婦人のお辞儀、と覚えることはいっぱいなんです!!!
舞台を見ると、それはそれは簡単そうです。そうです、彼らはダンサーなんです!
舞踏会での踊りは、よく時代ものの映画にも出てきますよね!
あれも伝統的な基礎があるのです。貴族の教養と思うと習うのは楽しいですが
できるかどうかとなるとまた話は別です。。。

ところで、私がバレエを始めたきっかけは、ロンドンはコベント・ガーデンの
オペラハウスでロイヤル・バレエを見始めたからでした。



当時、育児真っ最中で、講演は7時からなので、夫に子供を渡してひとりで。
1歩足を踏み入れれば、赤いベルベットの壁に金縁の額に入った歴代の舞台の
写真や衣装が飾られていたり、見に来ている人達も年齢層が高く男性客も多い。
バーへ行けばそこは大人の社交場です。観客席でも、知らないお隣の人と
気軽に会話ができるのがイギリスですので楽しめるのです。

DVDにもなったこの講演にも行きました。



そこでお隣の紳士がサー・アンソニー・ダウエルのことを教えてくれました。
その時は確か2002年、ダウエルはその前年までロイヤルバレエ団の芸術監督を
していたのです。もとはダンスール・ノーブル=王子様キャラの人気ダンサー
でした。イギリスのバレエ界の大御所です。その講演では、特別出演だったので、
終わりの挨拶では会場はスタンディングオーベイション、ただならぬ盛り上がり!
無知の私でも「このおじさんすごい人なんだ」とわかり、後で若いころの写真を
見つけて「王子様」に納得しましたよ~~↓

若かりしサー

この講演は「金平糖の精」に吉田都さんなどロイヤルのオール・スターでした。
同じキャストではありませんが、娘のMが4歳の時いつも行ってた児童館のような
施設が同じオペラハウスでの「くるみ割り人形」に連れて行ってくれたこともありました。
セントラル・ロンドンの特権だったかと思います。
バレエ団新人による子供のための講演で、席は上の方とは言えたったの5ポンド!
今なら700円くらいです。Mは残念ながら覚えていません!

イギリスでは正統派のロイヤル・バレエだけではなく、
マシュウ・ボーンの「くるみ割り人形」も見に行きました。



マシュー・ボーンと言えば有名なのは男の白鳥が踊る「白鳥の湖」。そっちを先に見て
大大大感動したので「くるみ」も、とウィンブルドン、とちょっと郊外まで
足を伸ばしたのでした。あの辺は高級住宅地でもあります。行ってみたら、
有名なクリスマス前の家族でのお楽しみ企画らしく、子供もすごく多い!
あの人達は、マシュー・ボーンを、バレエでは異端だと知っていて見に来てたんでしょうか・・・・???