Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

君の名前で僕を呼んで

2018-04-29 21:12:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


アベンジャーズ新作もいい映画だったけど、今日のこっちもいい映画でした。ゴールデンウィーク公開はレベルが高いなあ!今回もネタバレありで書きます。



私自身がこの映画に興味を持ったきっかけは、脚本のジェームズ・アイヴォリーが「眺めのいい部屋」「ハワーズ・エンド」「日の名残り」の監督だったから。で今回は監督はやってないな・・・と思ってたんですが、調べたら監督としては上記の3映画でアカデミー賞にノミネートされてたんですが、本作で去年の脚色賞(原作付き脚本賞)を受賞してるんです。そっちの方がより得意だったのかな。

物語は、エリオ/ティモシー・シャラメの夏の家(本当の家はどこなんだろう?)に大学教授の父の研究助手みたいな仲間としてアメリカからオリヴァー/アーミー・ハマーが参加して、ふたりが恋に落ちる、という単純だけど変わった流れの話。

変わってるのはなぜかというと、オリヴァーが最初エリオを牽制していた(アメリカ人だから?)のを除き、エリオも彼の親もゲイの恋愛をヘテロと比べて特別扱いしないからでした。とても自然。特にエリオが、恋をしたら言えなくなるような気持ちの表現を自然にするのが良かった。彼は17歳にしても華奢で子供っぽい躰つきなのでもう少し若くも見え、セリフが萩尾望都ぽいピュアさがあって心地よいのでした。

ティモシー君は写真でよりも一層動いているとカッコよく、黒いくるくるヘアと長い睫毛がセクシーでした。80年代ロンドンにマーク・アーモンド(ソフト・セル)というミュージシャンがいたけど、時代のファッションのせいでマークを美形にしたような雰囲気でした。

ところでなぜ舞台が1983年なんだろうと疑問に思いましたが、それは原作の設定だからなんですね。私はてっきり現代だとネットで遠く離れても恋が終わったりしないからかと・・・

でもネットで繋がっても、このふたりのような精神も肉体も全部一体となるような恋愛だったらやっぱり情報だけで繋がってもダメかも知れません。

エリオの家ってお父さんが大学教授で、お母さんは何やってるかわからないけどやはり数カ国語を操り美人で、エリオも自然にフランス語、英語、イタリア語を喋る文化度と知能指数高い家庭なんです。

そういう家にいる美少年と、やはり研究職の美青年が、庭で家政婦の用意した食事をしてプールで泳いでセックスする・・・同じ家の隣の部屋で浴室は兼用という生活だから排泄シーンまでときめく・・・とても羨ましい青春・・・!

それどころか親御さんが理解あり友人にゲイカップルあり(このうちの1人がなんと原作著者ってすごいカメオ)ふたりっきりの旅行までお膳立てしてくれるんですから神親です。

こんな生活環境だったら、絶対に現実逃避とかありえないなーと、私のやることいちいち説教してくる親と比較してエリオへ全貌の眼差しでした。

ティモシー・シャラメ君は6月公開でシアーシャ・ローナン主演の「レディ・バード」でも出演していてその予告も見られました。そちらも大変楽しみです。





アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

2018-04-28 21:47:00 | ベネディクト・カンバーバッチ


マーベルさんの全世界同時公開という粋な計らいに従ってファンみんなが驚いた方がいいと私も思うので、ここから下は、もうご覧になった方かネタバレ大好きさん限定でお読みくださいね。

ラスト5分を見るまでの私の感想は、

「ブラボー!神兄弟も、ストレンジ先生も、社長と高校生も、特別かっこいいと思ったことなかったキャプテンお髭似合う、ヴィジョン肌色できてる、大好きなスター・ロードはメイク厚くない?というほどお肌ツルツルピカピカでみんなかっこいいわ〜〜!スター競演ってバレエのガラ公演*と同じ!!!」でした。

*
元はフランス語で「特別な催し」「社交界のお祭り」の意。従ってバレエ・ガラといえば特別バレエ公演。大勢のスター・ダンサーが競演し、それぞれソロやパ・ド・ドゥを披露する。(鈴木晶 舞踊評論家 / 2008年)


それぞれのソロ映画でのヒーロー同士の初対面や再会の会話が宝塚レビューのように華やかでした。

ufoソーに対抗意識ビシバシのピーター・クイルを冷静に解説するマンティスの「ほらまた!」というトドメ
breakそのふたりの家庭内ドロドロ自慢合戦
scissorsキャップとソーの髭と髪型褒め合い
「僕はグルート」「僕はスティーブ・ロジャース」


プロモーションでやたらと「最強の終わり」「アベンジャーズは最後」「終わり」と言われ続け、まずオープニングから「いつもの勢いのいいあの音楽がない」ってことで「最後は違うな」といちいち着地態勢を整えていたというのにです!まんまとそのつもりで見ていて、最初にコロッと姿を消したロキちゃんがいったいいつ駆けつけるのか、「NOOOOO!!!」と出渋ってたハルクがいったいいつスクリーンを緑で埋めるのか、と楽しみに待っていたら、この仕打ち・・・・・

ポカーーンとしたままエンドクレジットを眺めて、

いつもの通り最後の最後に「returns」の文字を見たときの喜びと「なんですってえええええッェェ?!」が入り混じってこみ上げる感情!!

この落とし前をつけていただくには「最後」の「次」を作るというおつもりでしょうか、マーベルさんっっっ!?!







カタール航空体験記

2018-04-25 00:00:00 | イタリア
かつてロンドン行きを安くあげようと南回り飛行機に乗った時、その辛さにもう二度とやるまいと誓ったことがあるのですが、今回のイタリア行きではその誓いを破ってしまいました。

なぜって格安だったからです(涙)!
以前のタイ航空でのロンドンは夏とは言え確か13万くらいもして、その翌年の夏はBA直行便で12万というパラドックスだったのですね。しかし公式ページのキャンペーンで見つけたカタール航空でのイタリア行きは、6.5万円・・・この値段だったからこそ旅行そのものを決行したくらいです。

結果は大正解でリピしたいくらい。

ではなぜタイはダメでカタールはOKなのか。
理由
その1;乗り継ぎの待ち時間が2〜3時間と適切
    (あまり短いと最初の飛行機が遅れた時に困る)
その2;乗り継ぎのドーハ空港は24時間オープン
その3;日本発は夜の便、日本着は夕方、イタリア発着はどちらも午後
      
このような基本に加え、ゴハンが美味しい、CAさんが親切、飛行機&空港が新品などなど最大の欠点『時間がかかる』を船旅にでも出るような大らかな気持ちで臨めればかなり補えるレベルだったのです。

では写真とコメントで細部もご紹介します。

夜10時は成田最終便。あれー地下鉄よりも最終が早い。こ、これは羽田を国際空港にする必要に深〜く納得。



座席は購入した日からオンライン指定ができ、その後チェックインまで何度でも変更が可能です。私は機種から調べた座席表と睨めっこしながら指定しました。変更可能ということは、埋まってた席が空くこともあるので前日まで何度も何度もチェックしてじりじりと変えるのが楽しかったです。私は閉所恐怖症ぎみなので絶対に通路側。

果たしてお隣は空席でした。1隻向こうの窓側にはイギリス人のお兄さん。周りはほぼ満席なのに私のところは楽チン。ラッキー。

機内食。メニューが配られ3種類から選びました。私のはタラのクリームソース、豆のサラダ、抹茶オペラケーキ。横のお兄さんはヤキソバ頼んでました。どうやら2種は肉か魚とか鳥か牛、それプラスベジタリアンぽいので合計3種と成っています。特別食はオンラインで選べますがその種類たるやベジタリアンだけでも何種類もありました。味も添え付けの塩コショウは全く必要ないほどしっかり付いてます。そうそう、日本発の肉メニューは和食でした。

寝る体制なのでジントニックでアルコール投入。



寝るといいつつ映画はチェック。アラビア語映画やボリウッドのチャンネルもありますが、洋画も大充実です。日本未公開のは「ファントム・スレッド」「アイ、トーニャ」「犬ガ島」etc,.最近のは「ジュマンジ」「SW最後のジェダイ」「グレイティスト・ショーマン」「リメンバーミー」「ウィンストン・チャーチル」「スリー・ビルボード」「シェイプ・オブ・ウォーター」「マイティー・ソーバトルロイヤル」「パディントン2」それに加えてアガサ・クリスティ特集もしてました!



アレもコレも見たいものの、夜も更けてどれもちょっとずつお試ししてるうちに意識が遠のく。。。

夕食中から機内は薄暗かった(写真がうまく撮れない)けど食事後は「消灯」って感じの暗さでした。うとうとしてハッとするとお兄さんが真ん中の席も使って横になってる。私も座ったままだと眠れないのでその気持ちわかる。しかしさすがにその日は普通に勤務したので、ぐっすり寝た記憶はないけど起きてた記憶もあまりなく、気付いたら2回目のゴハン、つまり着陸前の体制に。ちなみに途中でポテコやチョコレートのおやつも配られました。

ドーハ着は朝の4時ですから、朝食です。パンケーキにフルーツのコンポート、アングレーズソース(要するにカスタード)のパンケーキ。他にはお粥や卵料理が選べました。コーヒーや紅茶にはクリームじゃなくて小さいミルクがもらえてポイントが高い。



着きました〜。11時間50分とは思えない。



広くてモダンな構内に巨大なアート作品。ちょうど今六本木で個展開催中のKAWSによるもの。なんか、こういうキレイさ、ゆるキャラ、って日本のお家芸のはずが、お金持ち国家に本気を出されてもう数段上のレベルに進化してました。他に、Urs Fischerというアーティストによる有名な「ランプ・ベア」という巨大なクマもあります。空港という公共の空間のために、アーティストに、オイルマネーが使われるのは限りある資源の正しい潤滑のさせ方かと。



トブラローネは、普通のも、黒いのも白いのもピッカピカに揃ってます。



3時の朝食の後は、離陸が7:35でブランチが9時くらいかと軽食を買いました。カードでOKなので両替は必要なし。フードコートがあり、こういうのもテーブル席で食べられるのでWiFiを使いながらひと休み〜免税店もざっと見たし。



はいはい、いよいよドーハからイタリア便に。今度のシートは3:3:3で日本からの便よりやや小さい機体です。

乗り込んだら私の席に大きいおんなのひとが座っているではありませんか。そこは私の席よ!私は通路側のCでその人はBに移りました。Aには彼女のお連れの男性で、今度は6時間ぎゅうぎゅう詰。彼らはイタリア人で片言の英語で私に窓際に座りたいかきいてきました。たぶん体の大きい人が通路側に座りたいのか。だから、私は閉所恐怖症なんですってば!大きい人が通路への出口を塞いだらパニックになってしまいますわ。

ブランチは卵料理にしました。それとクロワッサン、バター、苺ジャム、ヨーグルト、マフィン、オレンジジュース。



機内エンターティメントのソフトは成田ードーハ間と同じでした。

この後ミラノ到着前にサンドイッチがきました。今思うと、あれも写真に撮っておけばよかったな。チキンを裏ごししたようなものが挟まった丸くて平たいパンを半分に折ったものだったと思います。

ミラノ/マルペンサ空港に到着。ドーハに比べて古くて小さくて、成田の旧友って感じ。カフェや自動販売機もあって、なんか馴染みますわ。豪華なトランジットもテーマパークぽくて楽しかったけど、「ああ、知ってるところに着いた」感。着いたよ〜〜〜〜


さあ!いきなりの帰りの便です。

イタリアでは色々なアウトレットショップも訪ねたので、マルペンサの免税店でも戦闘体制に入りました。・・・だがしかし、その日の午前中はミラノ郊外のレニャーノという小さな町(と言っても高級ブティックはあるんですよ!貧乏ではないんですよ!)のスーパーで買い物をした時の価格設定に脳がなっていたので、免税店の物価にかなりのアドレナリンが撃ち落とされた感。食品と、ミラノのプチプラコスメ「KIKO」のリップだけという可愛いお買い物客に。あ、それと大好きなアプリコットジュースも飲み納め。

来た時と逆に、ミラノードーハ、ドーハー成田と短い旅が最初です。ここで嬉しいことに気づきました。来る時は11時間50分だった日本とカタール間が帰りは10時間20分に減ってる!1時間半も短くなってる!実はイタリアとカタールの間も30分短いので、合計2時間も飛行機に乗ってる時間が短くなります。

ミラノを出るのは16:25なので寝る気を出すのは乗りかえ後が良さそうですね。

ゴハンはイタリアで積んだものですから期待できます(今までもずっと美味しかったけど)。コールスローサラダ、ビーフのチーズマッシュと野菜添え、パンとバター、レモンポゼット、それにチョコレートと固形パルメザンチーズも。ビバ!



帰りも隣はイタリア人女性でした。今度は大きい人じゃないけどラップトップとiパッドとスマホを全部出して何かやっててオマケに私の方まで組んだ足やら床に置いたリュックがはみ出してるの。オマケのオマケに、通路を超えたブロックに仲間がいて私の頭越しにその人たちとコミュニケーション取るものだから、なんかこう、イタリア人って他人との境界線って意識薄いんですかね?その後の10時間に比べたらたったの6時間フライトだと思うからガマンできましたけど。

乗客は多少アレでもCAさん達は優雅で礼儀正しく適切なサービスをしてくれます。金髪の人もいれば肌の色が褐色の人も、私たちみたいな平たい顔族も。カタールの労働人口はカタール国籍が20~30%しかいないとか。多国籍の優秀な方々がこうして働いておられるのが目に見えます。資源のある裕福な国の世界とのつながり方・・・「ワカンダ・フォーエバー」って呟きそうになちゃう・・・

ドーハに着く前にまたサンドイッチを食べて無事着陸。よく食べますね。



ドーハでも免税店を巡りました。夜中の12時過ぎてもスタッフさん大勢いてショップの店員でも男性も多くアラブ人が多いですから皆さん黒いスーツが濃い顔立ちに映え、アラブ♥な気持ちに。せっかくの旅の記念にラクダグッズが欲しくなってきました。日本土産の富士山に当たるのがラクダ。しかしぬいぐるみなどは大きいものしかなくて断念しました。

私の贔屓目なのか、カタールの品揃えはイギリスものにも強いです。例えば香水のペンハリガンのショップがあります。機内免税のカタログにもペンハリガンとジョー・マローンも出ています。それにハロッズショップもあります。

さて最後のフライトだ。イタリア滞在中に座席指定の最終チェックをし、来た時のようにお隣が空席になったら嬉しいなと、その時点で横3列空いていたCに変えました。これが運良くAとBには誰も乗ってこなかったのです?!やったー!足元も楽々スペースだし横になれるし、恐怖の窓際シートも通路まで誰も遮る人がいないなら怖くない。



ということで窓から空港の夜景を撮影できました。上の光っているものは翼の先端のライトです。

離陸!午前2時のドーハもキラキラ光ってる。



お食事では、せっかくの中東なのだからとパエリヤのような味のビリヤニというご飯にしたのですが、後で調べたらパキスタン料理でした(笑)。夜中なので照明も暗めですが、闇夜にGODIVAのチョコが輝いてます。



2回目はもうベトナム、上海を過ぎてほぼ日本という頃に、午後遅い時間なのですがもはや昼食なのか夕食なのかもわからないお食事。多分、ドーハ出たのが夜中ですので一晩明けたとみなし朝食です。しかしこの時私は重大な過ちを犯しました。メニューは3種類だったのに一番下の「ブレッドバタープディング/ラズベリーのコンポート/アングレーズソース」というのを共通のデザートだと思ってしまい、どれを頼んでもついてくるものと勘違いしてメインを「フリッタータ」にしてしまったのです・・・ああ、食べたかったブレッドバタープディング!

デザートにはヨーグルトのみ(涙)



夜中に出発しても着く頃にまた日が沈む不思議。成田には18:40着です。
窓の外でお日様がみるみる地平線に隠れていくので撮ってみたら窓についた氷の結晶。



ああ、もう太陽が見えなくなる・・・と思ったその時、水平線に突起物が。



飛んでたのは太平洋の上でしたが、日が沈んだのは陸でした。この形は富士山以外に思いつかない・・・



日出ずる国は、沈む国でもあり。



THE HAPPY PRINCE トレイラー

2018-04-24 01:09:00 | コリン・モーガン
ややややあああっと、英語版の公式予告編が見られるようになってました。



コリン・モーガン、ピッカピカのヘアメイクでいつもの黒髪のイメージと全然違いますね!このお姿で一体どんな演技をしてくれるのか、日本に来ますように!!

ちなみにイギリスでは6月15日、そ、そ、そして何とIMDbによるとイタリアでは4月12日ってなってるんですが・・・わ、私その日イタリアにいたじゃないですか、一体どこでやってたっていうのでしょう?!ポスターあったら絶対見逃さないはずはずはず・・・・

Ordeal by Innocence 2,3

2018-04-23 23:19:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


犯罪ドラマなので、犯人のネタバレは最後に警告後触れます。下の方にネタバレと出てきたら、その先はお好みでお読みください!

このお話は、作者クリスティ自身のお気に入りの一つだそうですが、設定だけでも充分にそれだけのことはあります。

エピ1でも書きましたけれど、

・裕福で美しく独裁的な母、レイチェル
・その夫、穏やかだがどこか冷たい紳士、レオ
・夫妻の5人の養子それぞれが個性的
・レイチェルの死後レオと結婚する元使用人のグェンダ
・なぜか負の存在感を放つメイド、カースティン
・投獄先で死んだ養子のひとりジャックのアリバイを証明する科学者アーサー

同じシリーズの前作「そして誰もいなくなった」もそうでしたが、この設定だけでも良くないことが起こりそうなのに、役者が曲者ぞろいで、豪邸に家族が集まり子供達はお互いを枕に寝そべっているのに、幸福そうな絵の細部で全員が異様な影を背負っているのです。

俳優が上手いのもありますが、見せ方も雰囲気たっぷりで、早い話が皆、どこか精神異常者なのでは?という演出です。つまり全員が犯人に思える仕掛け。

特にアーサーはルーク・トレッダウェイの血走った目と青ざめて汗ばんだ表情が尋常ではなく、エピ1ではそのあまりにも思いつめた様子に死んだジャックと関係があったに違いないと思ったら私の考えすぎと判明。

彼の役割は、すでにジャックが犯人で解決したと思われたレイチェル殺しは、真犯人が他にいると掘り起こすことでした。

それとこの設定があれ?と思ったのは、資産家なのは妻であるレイチェル(アンナ・チャンセラー)でそれ故彼女は感情的&支配的、夫レオは穏やかで理性的です。

対照的に彼らの養子の長子メアリー(エレノア・トムリンソン)は母の抑圧のせいか自信に欠け、その夫フィリップ(マシュー・グード)が逆に妻に対して異常に支配的なんです。しかも彼も劇中死んでしまうのですが彼は一体なんのために彼女に辛く当たっていたのかなーっと不思議だったのですが、

やっぱこれは女の方に経済力があるため、その夫達が彼女達の資産を手中に得るための両極端な表れ方なのかなと思い当たりました。


さて、この辺からストーリーの核心に関わるネタバレが出ますよ!
物語の謎を避けるにはこの先シャットダウン〜〜〜












アーサー、フィリップ、とかっこいいものだから必要以上の存在感を放っていた男達ですが、

もう一人ドラマに常に影を落としていた人物がカースティンという女中でした。

彼女は奥様が亡くなった後、旦那様の再婚のためにウェディングケーキやご馳走を作っているのですが、なんと彼女は死んだ養子ジャックの母親だったんです。そのことは養子のひとりへスターのレイチェルから強制された妊娠中絶手術後に手厚くお世話をする様子からピンとくる仕掛けになっていて、

そしてではジャックの父親は誰なのかという問題ですが、これも、レイチェルの生前からレオが美人使用人のグェンダと浮気をしていたことが露わになるため、想像がついてしまう仕掛けになっていました。

カースティンは子供をその実の父親に保身のために殺され、その男は自分と同じ使用人にまた手を出して結婚までしようとしている・・・こんなひどい目にあう女性はなかなかいないと思いますけど、その男を演じられるのもビル・ナイ以外にはなかなかいないでしょう。これがジェレミー・アイアンズやピーター・カパルディでは最初から黒幕だとわかりやすすぎるではないですか!かといってあまりにも平凡なおじさんでは凄みも何もないし。

実は犯人は原作と違うそうで、つまり脚色が色々となされている可能性が高いのですが、本当のラストシーン、幸せそうなカースティンの措置、1950年代当時あったであろう核シェルターは原作にもあったのかドラマのオリジナルなのか、なかなか精神病的な色の濃いトーンにぴったりでした。