劇場公開終わる前に駆け込み成功!だんだん「配信でもいいかな?」とも思い始めたのですが、なかなかスケールが大きいのでやっぱり劇場を逃さず正解です。
私がこの映画を楽しみにしていた理由は3つ。
1 大好きなジェンマ・チャンを大きいスクリーンで見られる!
2 世界の中のアジア人(中国人)がどう描かれているのか
3 私の勤務先はシンガポール1の不動産会社関連なので
さてさて見終わって・・・
面白かったあああ!!です。
見る前は、レイチェル役のコンスタンスさんがどうも主役ぽく美女らしくない点が疑問だったのですが、それも解決。彼女は大学教授、お母さんはシングルマザーでふたりともNYで自立した女性。シンガポールのセレブ美女(ニックの元カノ含む)は確かに華やかで綺麗な人が大勢いますが、顔とお金以外のツールで成功した女性が主役なのです。バカでかわいいだけじゃない現代的な女性のロマコメいいですね!
ジェンマ・チャンはレイチェルの恋人ニックの従姉妹で女優の役。群を抜いてゴージャスです。美しく地位も富もあるのに愛に恵まれないという影の部分もあり、陽気でストレートに強いキャラの多い中国人社会の中で、その神秘的で繊細な存在感が光っていました。
彼女と正反対のキャラに、ソノヤ・ミズノ演じたニックの親友の婚約者がいて、美人でキュートで派手なソノヤさんを初めて見ました。これまでアジア人としてエキセントリックな役ばかりを見てきたのでオールアジア人キャストの映画の良さはこれだな!と納得。
そうです、今まで欧米映画のアジア人は大体エキセントリックだったり物静かだったりイロモノが多かったのですが、オール・アジア人ならば普通の人もいれば意地悪な人、おしゃべりな人もいれば寡黙な人、笑える人、強者に弱者、勝ち組に負け犬、ナードな人と全てアジア人。
中国を出て台湾やシンガポールを開拓して200年、不動産で富を築き世界中の不動産を抑え、子供をイギリスの全寮制スクールに入れ、シンガポールの社交界を牛耳る人たちがいる。映画冒頭で、ロンドンの会員制ホテルに1995年足を踏み入れ冷たい門前払いを受けた中国人の女と子供たちが、イギリス人オーナーから本日からのホテルの所有者としてスイートに直々に案内されるシーンはとても印象的でした!
・・・一方、アメリカ生まれ育ちで個人の努力で成り上り皮が黄色で中身は白いバナナと呼ばれる中国系アメリカ人もいる。
『アジア人のブラックパンサーだ!』の意見も納得です。
クレイジー・リッチさで印象的だったのが、NYCからシンガポールへの飛行機がファーストクラスでレイチェルが「パジャマが自分のどの服よりも高級」とおそらくシルクのパジャマが用意されていて、客室乗務員が「ベッドの用意を致します」とベッドメイキングをするらしいこと。へええ!自分でフラットにリクライニングするのじゃないんですね?!キャセイ風の架空エアラインでしたが。そして日本ーNY間は太平洋から行きますが、シンガポールへは大西洋とヨーロッパやインドを飛び越えて行ってて、映画の冒頭でニックが「東の方へ行かない?」の通りになってました。
それからレイチェルの大学の親友ペク・リン(オークワフィナ)の家が最高にキッチュで家族全員イロモノなのが良かったです。
予告で見た時、ペク・リンは高級ブティックで働いているのかと思ったんですが、そうではなくママの趣味でベルサイユ宮殿を再現したのだそうで!
彼女の服が大体アニマル柄なのがまた似合っていて、このウォークインクロゼットにも犬柄の服が入ってます(笑)。
でお父さんも(たぶん)ヴェルサーチェの派手な柄を家で着ている。オッさんのヴェルサーチェ、街全体が派手なシンガポールならいそうだと思わせるものがあります。
最後についでに少し書きますが、個人的に、シンガポール系の企業が職場なのでこの映画の舞台がそうだと聞いた時に興味度が上がったんですよ。
私も30年近く前にはシンガポールへ行ったことがあるのですが、アジアにしては清潔で近代的で高層ビルも多かったですが、この映画ではまるで未来都市のようなアイアンマンのスターク社のような豪華絢爛モダンビルですごい成長ぶりでした。東京もロンドンも今世紀のビルは変な形が主流ですので驚きはしませんが。
私が職場でシンガポール人に会う機会はほとんどないのですが、母体はシンガポールの不動産屋なのでそこの社長さんは中国系シンガポール人です。去年働き始めたばかりで忘年会がありそこで社長とは知らずに会話したのですがとてもフレンドリーで機嫌のいいおじさんでした。スーツはパリッとしてます。うちの会社のスーツの人は日本人でもエラいパリッとした空気の人が多く、そういう人種同士で呼び合うのか。
しかし私が働く会社はその不動産企業の子会社で、なぜか社長はイギリス人、社員はほとんど日本人で、ただ同じホテル&アパートメントは世界中にあるので短期で外国人社員が研修に来ることもあるようです。それと監査はシンガポール本社から来るのですが、お調子者で信じられないくらい意地悪な人がいます。中国文化圏では自分の有能さをアピールしたもの勝ちで手段選ばず(査定にウソも書いた)もあり。
また、私が日々の仕事で会うのは宿泊しているゲストさん達ですが、現住所がシンガポールから来る人は中国系をはじめ、イギリス人、インド系の人と幅広く国際都市のイメージ強しです。