Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

グルメツアー本の仁川編

2022-09-03 19:10:54 | 異文化

前の記事「サウンド・バイツ フランツ・フェルディナンドの世界グルメツアー」の中の、p199「仁川」のページに書いてある韓国人のジーンさんの言葉が気になりました。

『私たち韓国人はイタリア人みたいで、日本人とはかなりちがう人種なのよ。日本人は基本的に感情を隠すの。でも私たちは気持ちをどんどん出して、大声で表現することを好むの』

これは市場がいかに賑やかかを説明したセリフなのだけど、その前後に日本も日本人も一切出てこないので「韓国人は日本人みたいなものと思われている」前提にジーンさんは話したと思われます。

これがガーディアン紙に掲載されたのは2005年なので、BTSもカンナム・スタイルも世に出てないので韓国人が国際的にいまいち認知されていないという憤りを感じますが、日本にも西洋で中国人と間違えられると心外という人もいますので、どこにでも地理的歴史的な近親憎悪を持つ人がいる(その割合はさておき)と私は解釈しています。

さて、肝心のジーンさんの発言を読み、私は職場で今トラブルメーカーとなっている韓国人スタッフSさんそのものだ!と思いました。

何かにつけ大袈裟に感情的に話すので初めは額面通りに受け取って失敗しました。その後、彼女の事実と客観的事実が違うのであまり信用して話を聞くのをやめました。でも悪い人でないのは感じるので、彼女の言ったことで仕事の判断をしない、というだけです。

マネージャーに至っては、Sさんの言うことがその時々で事実が変わるので困る、と言っていますし、

私の後輩はまともに突っ込んだ話をしてしまうので他の人に対しての失礼な発言で精神的に参ってさえおりました。

日本人の感覚だと上司やマネージャーに向かって何様だと思ってるんだろうという態度や発言も多々あるのですが、何か前提が違うのだからそこがわからない私には判断不可能、と言うことであまり私はカウントしておりません。私に攻撃して来ない限りは親切にしたいと思っています。

『気持ちをどんどん出す』のを全国民がやってるようには映画「パラサイト」見た時には思わなかったけど、韓国には韓国人同士の距離のルールがあるんだろうし、世の中には考えてもわからないことが存在するので、「考えたら負けだ!」と後輩にはアドバイスしたんですが、それを聞くかどうかは彼の選択なのでまたそれも彼に任せるしかないです。世の中には落ち込むと分かっていても考えたり話したりしたい人がいるのもまた事実。


オタクの色々

2022-08-15 19:43:57 | 異文化

ニューズウィーク日本版が今「世界が賞賛する日本の暮らし」と言う特集をしています。

「え〜?!外資メディアまで『日本すごい万歳』な記事?」と思いリードを眺めてたら「オタクにとって日本ほど居心地の良い国はない」と言う中国出身のオタク女性の記事に目が留まりした。

そのはちこさんは、日本に就職して本も出版されて外国で好きな分野で活躍されている立派な方です。

一口にオタクと言っても色々な分野があり、当の私も2次元の映像見て家にいるの大好きだからオタクと自認しているのですが、その記事でのオタクとはアニメ、特に同人誌、特にカップリング関係のようで、そうなると全く私とは被ってない他人の世界。

でも外国人の方が日本のアニメが好きで、中国でも今や同じコンテンツをほぼ同時に観れるから日本に行く必要ないと思っている中国人オタクも多いけど、やはり本場は掘れる深さも違うと中国の人は知らないとおっしゃって日本に住んでることが幸せなことを知り、

過去にイギリスの音楽が好きでロンドンに遊びに行って、本場の音楽シーンに触れた興奮を思い出し、わかるわかる!と共感してしまいました。

日本でも輸入盤レコードは買えるけど、ロンドンでは音楽の場に入っていけるのがすごい、ミュージシャンみたいなかっこいい人がマーケットをウロウロしてるし、インディーレコード屋の雰囲気、マーキーだボーダーラインだとSOHOで、パブでライブが見れる、有名人も来てるクラブに行く、突然現れる空きビルを占拠したアシッドパーティーに行く、貸切バスに乗って田舎のレイブに行く、あの頃は「ここに来るために私は生まれてきたのだ!!!」と3次元のロンドンにいることに酔ってたっけ・・・

はちこさんも、日本でアニメ関係のイベントに行くとゲスト登壇などファンサがよくできてる、と感動してらっしゃいます。3次元レベルになるとやはり本場の物量と中の人に触れる機会は外国ではなかなかないですもんね。

とそう言うふうに自分の経験と照らし合わせて、日本のオタク文化が大好きで日本で外国人が幸せになのはいいことだ・・・とは心底思うのだけど、

その日本文化に当の日本人である私はまったく興味がなくて、かつて日本語教師になる勉強に多大な時間とお金も使って資格取って先生になったのに、生徒さんとの話題に合わせるためにアニメやマンガを見る気には1ミリもならないから向いてないや!と辞めてしまった私です。

はちこさんが記事で書いてますが、「アニメオタクの中でもカップリングの好みが色々で自分の好み以外は見たくもないと言う心理に、日本の同人誌専門店は配慮して分類がすごい」とのこと、

自分の好みじゃないものには1秒も使う気がない私もやっぱり立派なオタクだったのだな。


キャトリン・モラン「女になる方法」

2022-03-15 22:10:00 | 異文化


映画「ビルド・ア・ガール」の原作小説の著者キャトリン・モランの別の本「女になる方法」が北村紗衣訳で何かで聞いたことがあったのでそちらも読んでみました。

映画とこの本はどちらも自伝的なのでかぶる内容もあり、先にビジュアルで見たので本も読みやすくなり助かりました。

乱暴に一言で言うとフェミニストのガイド本で、タイトル「女になる方法」もボーヴォワールの「人は女に生まれるのではない。女になるのだ。」の言い換えでこの言葉も出てきます。

13歳の誕生日の思い出から始まるのですが、13歳とは、つまりティーンの始まり。日本語だと10代と訳される英語のteenagerには、11歳と12歳は含まれてないのです。eleven, twelveでthirteenとかforeteenとかteenが付いてないし、まだ子供なのです。

で、ティーンになった途端に女の子はセックスの対象としての視線にさらされ魅力的であることを期待される、ということに違和感と反逆を唱えるところから始まります。

この作者の特徴でかつ売れてる(ジャーナリストで作家でテレビ司会者で『タイムズ』のコラムニストという輝かしいキャリア)ポイントは、他の人には言い難いオープンな下ネタをあの手この手で表現し、その中には自分にも思い当たることもあり、それに音楽ジャーナリストならではのミュージシャンとかセレブネタが溢れてることだと思われます。

フェミニズムというテーマからして性の話題は避けては通れないとはいえ、途中あまりにもしつこく長く下ネタが登場するので閉口し掛かりました。しかし、著者がアンダークラス、訳者あとがきによると労働者階級より下の福祉で生きてるクラス出身(例えば、自分で働いてお金を得るまで家が貧乏すぎてパンツはママのお下がりデカパンだったという!)ということがある時ストンと腑に落ちました。

そして読んでて、イギリス(西洋)と日本(アジア)の文化の差を最初はより感じたのは、女の子のカースト上位タイプがセクシー系なイギリスに対し、一世代前の日本では未だ優等生タイプでセクシー系はヤンキー姉ちゃんしかいなかったので、不良グループにでも入らない限り13歳とか14歳とか15歳とか16歳でいつもセックスする時の心配なんてしなくて良かったから思考も違うと思いました。

とはいえ、納得できるところも随所にあり、笑えて、うなずけました。

例えば、「男性フェミニストは進化の最も素晴らしい最終形態」とか!
ボヘミアン・ラプソディーも録音された「ロック・フィールドでフレディになったつもりではしゃぐ」とか!
「女は結婚式の日1日だけ主役として生涯最良の日を過ごす。しかし全ての結婚式は、奇行の絶頂期だったマイケル・ジャクソンみたいに振舞うことに行き着きます。」!

そして最も共感できた部分は、あとがきの「わたしはプリンセスになりたくなかった。アーティスト(ミュージシャン)のミューズになりたかった。」でした。

・・・わたしもそう思ってた!!!なれなかったけど!それを読んで、わたしがティーンだった頃自分でも気づいてなかった願望に今気づいてしまいました。ミュージシャンと付き合いたかった。

ティーンをちょっと過ぎて22〜23歳の頃、音楽系の男子も含めて数人でクラブに遊びに行き仲良しグループができて、その中に密かに好きな男子ができました。私は彼の注意を引きたくて、UKインディーズに凝ってた当時の持てる知識をペラペラしゃべりまくって得意になり彼に尊敬されたかもしれないと思っていたら、女子だけの時はよくしゃべるけどその時寡黙だった女子といつの間にか付き合っていたのです。

私は密かにUKロックの知識では女子にしてはなかなかなんじゃと思っていたのに、猫をかぶっていたあの人と〜?!その後も、音楽系のイケてる男子と付き合ってる女の子って決して派手ではなくても小綺麗でスッキリしてて、そして喋らない!という共通項を発見してしまい、いったい彼女たちはなぜ私が得られないものを得ているのか?!どんなマジックがあるのかと落ち込みました。

この本は「じゃあ自分も喋らないでおとなしい女子になろう」なんて間違った方向に行かないためにも読んでおくといいんじゃないかと思いました。




聖パトリックの祝日

2021-03-17 17:28:00 | 異文化


今日はセント・パトリック・デー、アイルランドの祝日。

通年なら世界中で緑色のパレードが行われる日です。

私はキーボードを緑色にしました!

clover

アイルランド映画のお話ひとつ。
ブルックリン」はシアーシャ・ローナンが好きで見に行きました。その2週間ほど後にNYの「るつぼ」ステージドアでシアーシャに会えたので、「日本でブルックリンも今月見ました」と声をかけたら「Did you enjoy it?」と聞いてくれました。ブルックリンもアイルランドとNYの二つの場所が舞台なので、そのうちのひとつの場所で主演女優に会えたという嬉しい思い出に。

羊飼い猫の日記/アイルランドの四季と暮らし

2021-03-07 10:19:00 | 異文化


こちらの本を知ったのは、アイルランド大使館のつぶやきがきっかけでした。アイルランドに羊飼い犬ならぬがいるよ、というつぶやきをRTしたら、相互さんでステキな友人のMayumiさんが返信でこの本を著者のアカウントを入れて教えてくれたんです。

その後、著者にもその返信が共有されたため、Mayumiさんへのお礼返信が私にも共有され、ほかにもその会話を目にとめた見ず知らずの方々が、この会話を「いいね!」したりして、アイルランドの羊飼い猫を巡り一瞬にして本の著者とも繋がってしまったというワクワク体験でした。

日本のツイッターだと第3者が会話に入る時に「フォロー外から失礼します」と挨拶するのをよく見かけますが、元々SNSは誰にでも開かれている場なので失礼でないと私は思いますし、時々私も英語でつぶやいたり返信しますが、知らない人同士でもまったく問題ないどころか、その広がりこそがSNSの意味ではないかと思うのです。

というわけで、著者に「ご紹介ありがとう」と言われたら本を読まずには生きていけない、とさっそく読みました。

いえ、正しくは、著者は牧羊猫ボディシャス、そして彼の代筆を務めたのが飼い主のスザンナ・クラプトンです。

とは言え、ボディシャス本人(猫)の牧場の暮しでは、相棒のスザンナさんから彼女の経験の話をたっぷりと聞いているのでその話も登場します。現在のアイルランド、キルケニーの話と、スザンヌさんの生まれ育ったアメリカの話、アイルランドに引っ越してからの話と、ボディシャスとスザンナさんの体験談が盛りだくさん。

アイルランドに比べたら広大で自由の国のはずのアメリカバージニア州での子供時代、ディスレクシア(読み書き障害)と訛りとイギリス英単語でいじめにあった。

アイルランドの畜産農家は、自分の牧場に侵入して家畜に危害を与えようとするいかなる犬についても、これを殺処分する権利を認められている。

スザンナさん=羊飼いさんがNYCで俳優を志望していたころ、多くの友人がエイズの犠牲になったこと。

ボディシャスの先代のボス猫オスカーの死を出先で知らされた時、悲しみを耐えるのに、イギリスからの独立を目指して敗れた兵士たちのブロンズ像の周りを、アイルランド反乱軍の歌を歌いながらぐるぐると歩いた話。

1年の季節の移り変わりを、アイルランドの神話ではヒイラギとオークの両王が覇権争いをして日と夜の時間が変わるとか。

田舎のクリスマスの朝は、トーストとジャムと濃い<バリーズ・ティー>で始まる話・・・

と、羊のお産の冬のクライマックスまで農業を地位眞としたいろんなお話が聞けますよ。アイルランドの農業には羊や馬や犬、猫、鳥にラマまで出てくるので、日本の田植えよりも単純に楽しそうだと、極寒の中の動物の命を預かる仕事は楽しいだけでは済まないことを含めても、そう思います。そして羊飼いさんの動物への愛情が、愛することが、愛する対象があって、それを仕事とする生き方が羨ましいです。