Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

子どもたちの階級闘争

2017-10-29 20:32:00 | イギリス


イギリスで保育士と執筆業をされている著者のことは、よくネット記事でお見かけしたものの、読んだのはこの本が初めてでした。

タイトルに「子どもたち」とあるので、私の、今となっては古くなったイギリスの中でもよく知るジャンル育児の話ということで興味を持ったからです。

とはいえ、私がロンドンで育児生活をしていたのは2001-2007年で、著者が保育士となったのが2008年とのことで、見事に時期は私がいなくなってからのこと。

それを知り、逆にあれからイギリスの子供サポートはどうなったのかな?という視点でも読みました。

みかこさんの働いた託児所は、自ら「底辺」と呼んでいる通り貧困地域にあったとのことで、細かく見れば私が住んでいた4箇所-
リッチモンドの近くのMortlake
ヴィクトリア近くのPage Street
キングスクロス近くのGrays Inn RoadとSage Way
とも大なり小なりそれぞれ違うとはいえ、私が子供周りで出会った家族たちと共通する人種が出てきて、「ああ、そうだった、そういうの、いたいた」と頷きながらページをめくりました。

本書に出てくる託児所は、無職の母親(ほぼシングルマザー)がアルコールやドラッグ依存から更正するため政府の助成金で運営されていたとのこと。

私がロンドンで見たのは、当然の事ながらほとんどが「託児所」ではなく(母親である私も同席していないと目撃できませんからね)、親子の集まる育児サポート施設。それとナーサリーと呼ばれる日本の保育園と幼稚園が合体したような未就学児のための教育機関ですが、

ナーサリーに入れる前によく利用していた施設では、親が依存症とまではいかないものの、本書に出てくる「若い白人労働者階級の親」も「インテリ系のちょっと変わったイギリス人」も「外国人」もいました。

ただしリッチモンド近くに住んでいた時は、娘がまだ0歳児だったので当然他の子供と遊ぶ必要もなく、地域の保健センターのお知らせで同じ頃に生まれた乳児の親が子供れで数回集まった程度でしたが、そこではみごとにほぼ白人のイギリス人ばかりでした。唯一インド人のお母さんがいたらしいけど私は会ったこともなくその地域から引っ越してしまったのでした。今思うとロンドンでも珍しい保守的な地域で、やさぐれた人は見たこともなく、私たち一家が一番みすぼらしい家に住んでいました。

そして引っ越し先のヴィクトリア付近で、「労働者階級のイギリス人」や「貧乏な外国人(発展途上国出身)」「ヨーロッパ系外国人」の家族や保育者やナニーと呼ばれる個人で子供を預かっている人などに出会いました。

出会うのは、教会の一部を使用して運営されている児童館のような施設で、1回につき1.5ポンドくらいの使用料を支払うペアレンツ・グループというところ。その地域には3箇所あって、ウエストミンスター・アビーのお向かいと、ウエストミンスター大聖堂の隣にあった方が教会も大きく場所柄華やかでした。

イギリス人の運営者(おそらくヴォランティア)が子供を遊ばせる部屋の外に(と言っても教会の中ではある)大人のためにマッサージ師を呼んでくれて無料で育児疲れを癒すことができましたし、心理学などのコースを親が受けている間に子供を見ていてくれました。

そしてそこで気の合う親子と出会うと、別のリトミックやダンス教室などに誘い合って行ったり、家に呼んでもらったりと、私のように親戚も友人もいない親でもコミュニティで孤立せずに育児ができたものです。

それが教会系ヴォランティアだけだったのか、政府のお金が入っていたのかは当時は考えていませんでした。

本書のような「底辺」にもっと近づいたのが、キングスクロス付近に引っ越してからです。

しかし「底辺」ながら、そこは「緊縮」前のイギリス、貧富の差はあっても、そこをどうにかしようというトニー・ブレア時代の教育改革の一環であるSURE STARTという「子供の貧困をなくす」目的のプロジェクトが始まった時期でした。(1999年〜)

そこでの育児コミュニティは教会から離れていて、それが政府の助成金で賄われていた証拠でもあり、またSURE STARTのロゴが子供センターに派手に貼られていました。それらの施設に子供を連れて行くと無料で遊具やお絵かきセットなどで遊んだり、音楽のセッションに参加でき、子供や親のためのヨガやピラティス、バレエ、体操、お料理、ハーブ学などのコースに無料か格安で参加できました。またイベントも色々組まれていて、参加は自由、料金は格段に個人で行くよりも安く、バス旅行でサファリ、ビーチ、イチゴ狩り、ロイヤルバレエ鑑賞、農場体験、乗馬体験などに連れて行ってもらえたのです。その時はイギリスはなんていい国だ、と思いましたが、

イギリス経済が停滞し、国から地方への助成金がカットされそのSURE STARTの多くが2011年に閉鎖されたそうです。その後も地方政府も予算をカットし、反対運動もむなしく2017年には残りも閉鎖。

つまり私は大変恵まれた時期に恩恵に預かったのでした。

それでも本書に「ウンウン」と頷いていたのは、イギリス人だけでなく、英語が完璧でなくても外国人の保育士が大勢活躍していて、センター責任者も外国人だったこととか、(日本が外国人に求める日本語レベルの厳しさ、あれは何?)

私を含む外国人と、リベラルなインテリ系やヒッピー系のイギリス人は仲良くなるのだけど、コックニーで喋る労働者階級の若いイギリス人は孤立していたこと。

でもあの時代はおそらくその白人の貧乏人にも手当が厚かったので彼らもそれはそれで幅を利かせていたし、本書に出てくるほど荒んだ家庭は、その昔ジャンキーで悪名高かったキングスクロスでもお目にかかったことはありませんでした。

でもかえってシングルマザーでもなく、だからと言って親や親戚が近くにいるわけでもない低所得層のうちは税金だけ取られてなんの手当ももらえず、家賃補助もなく、1番馬鹿正直な割に合わない生活と思えました。

ですので、政府が働かない人への助成金をカットと聞いた時には、正直胸がすく思いがしたのですが、

本書に出てくるような、更正が必要な人たちを見捨てるのは趣旨が違います。

けど、健康でも無期限に失業手当を受け取る人、

持ち家まであるのに低所得者用の住宅を政府からタダ同然で借りてそれを不動産として収入を得る人、

そういうのだけを取り締まる方法はないのか、と思っていましたがどうなったのでしょう。

それはわからないのですが、現在富む者はパワーもある者、悲しいかなイギリスも理想に燃える国家づくりよりも、富の死守に回ったらしく、

時代は共産主義も社会主義も失敗に終わり、どんどん欠陥を抱えたままの資本主義に逆行していてヴィクトリア時代のような貧民層が出現して、そのうち絶対王政のような政府ができるんでは・・・と思えてきたので

前から気になっていた「チャヴ」という本が、貧富の拡大した現在を読み解くというのでそちらもポチリしてしまいました。







ブレードランナー2049

2017-10-28 12:58:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


公開日の10/27、きのうは会社の創設者が来た職場が緊張感に包まれた特別な日でした。飲食の準備、いつもの仕事もそのVIPの滞在に合わせ時間変更したため私もシフトが遅くなり、時間変更に対応できないエスプレッソマシーンのシステムのせいで振り回されてバッタバタの1日を終えたのでした。

なんだかそんな日こそ「ブレードランナー」の新作を見るのにふさわしい気がして劇場を検索したら、案の定9:00pmの回は終わりが11:55で電車で帰宅には微妙な時間のせいか席がまだ半分残っていたのでスマホで予約、

職場のある丸の内から日本橋まで歩くことにしました。途中、いつも行きたかった「サラベス」(NYでは行ったけど東京では未体験)があったので、ここで夕食を食べていこう!とウキウキ入り口まで行ったのですが、雰囲気はかなりちゃんとしたレストランで50分以内に着席〜注文〜堪能〜会計はムリそうだったので、結局食べたのは場末の天ぷらそば!

・・・丸の内〜日本橋を歩くと東京駅八重洲付近を通り、ピカピカのビル街で高級店しかないかと思うと、その谷間にまだすぐに食べられるお蕎麦屋さんがあってさすが元祖ブレードランナー東京です。


いい加減本編のお話に。。。

まず元祖ブレードランナー「強力わかもと」の世界にはハングル文字が加わり、新宿歌舞伎町というよりも台湾とか(行ったことないけど)香港やマレーシアなど他のアジアの都市みが強化されていた感じです。思えばあれ以来、歌舞伎町にちょっと誇らしげに外国人のお客さんを連れて行けるようになりました。

でも相変わらず西洋人にとってディストピアはアジアのイメージなんだと良くも悪くもレトロな気持ちに。

それはAIの喋る言語が日本語だったり、成功した巨大企業創設者ウォレス(ジャレッド・レト)が着物を来ていたりと、この映画の美学なのですね。

そのウォレスが目玉はないんですが、かっこよくて、美形悪役バンザイな感じです。

1番素晴らしかったのは音響で、これが魂に刺さるような、潜在意識に響くような音なんですね。映像もSF映画の中でも一流感はあるんですが、この映画にしかない、と思えるオリジナリティを感じたのは音の方でした。

物語の流れが淡々とゆっくり進んでいくのもよくて、他のSFのスピード感とは対照的に、トム・フォードの前作「シングル・マン」や「裏切りのサーカス」の時間に近い。

さて、前作から続く「レプリカント」と「人間」の差は・・・というテーマですが、私はあまりその辺には興味がなく、レプリカントという、作中の言葉でも的確に表されていましたが、「奴隷」階級について考えてしまいました。

主人公K(ライアン・ゴズリング)は新型レプリカントで人間に従順にできていて人間のためによく働くー

・・・それって社畜・・・

って日本人は思ったのではないでしょうか?

折しもその日私が体験した、NYからのVIPのためにせっせと働いた自分。生きるお金を得るために仕事が必要だからVIPが飲むかもしれないコーヒーを遅くまで稼働させて、コーヒーマシーンがいつもの時間になってもミルク容器の洗浄がされないため「ミルク洗浄!」とアラートを出してピコピコ点滅して働きを止めてるのに、意志があり融通がきく人間の方はそれに翻弄されて。。。

貧富の差拡大の時代、労働者こそ奴隷として生きるしかないレプリカントだよと、2049始まってすぐ、画像も出る前の文字を読んですぐに思いました。

雇い主に従順に生きていたらKのように悪態で叫びたくなる人たちが、日本の社畜以外にも、日本人から見たら人権と尊厳を持って生きられるように見える英語圏の白人の男性にもいるということなのかな、とも思いました。


ところで、1983年のレイチェルはこの新作の中でどうやって撮影されたのでしょう。

私は、多分、1作目も映画館で見たと思うのですが、あの時も、昨日も、レイチェルは完璧に美しいと思いました。あの説得力に匹敵する美女が今回出なかったのは残念でした。

ラブはスケ番風で怖いし、ジョイは隣のかわいこちゃんぽくて、やはりレイチェルが完璧なキャラなので同じタイプは出せなかったのか、

記憶鑑定をするアナ博士は役柄のためかあまり見た人の記憶に残らないようなキャラになっていましたし。

まったくどうでもいいことですけど、アナ博士の境遇が、シャーロックの妹ユーラスを思い出しちゃいました。












美味しい会社

2017-10-25 21:35:00 | 異文化
メゾンカイザーのパン

8月に始めたお仕事は、自分に合わないというか出来そうもないので3ヶ月で契約は更新しないことにしました。

でもせっかくですので、ユニークなそのお仕事のことを皆さんに報告しちゃいます。

私の仕事は、とある外資系企業内のフード部門を請け負っています。

ところが、これが他に類を見ない形で、社員食堂でもカフェテラスでもなく、一軒カフェのようなスペースで、社員さんがセルフサービスで取りに来るフード&ドリンクを提供しメンテナンスするというものです。

メインは朝食で、日替わりで有名ベイカリーのパンやサンドイッチ、ベーグル、パンケーキ、おにぎり、サラダなどが出され、毎朝のレギュラーでもパンが数種類にバターやジャム、チーズ類、ナテラ、ベジマイト、半解凍のフルーツ類もあります。

フルーツ、シリアルやナッツ、ドライフルーツも数種類1日24時間常備してあり、

コーヒーはエスプレッソマシーンとドリップの2種類の他にインスタント、一人用フィルターコーヒー、ファミレスのフリードリンクのような、数種の紅茶、日本茶、中国茶、ハーブティー、ジュースサーバーから出るコールドドリンク、日本ではまだなじみの薄いインフューズドウォーター(フルーツ、野菜、ハーブ入りの水)、

冷蔵庫にはジュース、ヨーグルト、デザート、牛乳、豆乳、コーラ、ミネラルウォーター、ヤクルト、etc.

シリアルバーを始めとするスナック類も、羊羹やおまんじゅうからプレッツエル、ビスケット、クラッカー、ポテトチップス、チョコ、昆布、のど飴、ポッキーとなんでもあり、

カップ麺やカップスープ、インスタントスープも、和洋中華が揃い(チゲも)、

果ては青汁やビタミンCドリンクまで揃っています。

その常備食以外にも、1日1回、野菜と果物3種類が出ます。

つまり、社員さんは美味しくボリュームのある朝食を楽しみに出社することができ、

コーヒーブレイクはいつでも、

ランチも、外食するチャンスがなかったり、お弁当を買いに行く暇がなくても、サラダやカップ麺なら無料で手に入るし、

午後、疲れてきたら、チョコレートやシリアルバーで栄養補給できるし、

食生活に気を使っている人でもフルーツ、ドライフルーツとナッツはいつでも好きなだけ食べられるのです。

さらに時々特別にアイスクリームが提供されたりして、

この会社では朝をメインにしているあたり、効率よく人間の能力を発揮できるよう考えられてると思います。

そのため会社が負担する福利厚生費は社員食堂が無料とか補助金が出るとかレベルよりも何倍もかかっていますが、それだけの利益を社員が生むシステムになっているのですよね。

それと、その昔アップルコンピューターのデザインは完璧だったように、この外資系企業のインテリアデザインもとても徹底して未来的でカッコよく、いわゆる事務所っぽいところはありません。一流の仕事は一流の空間から生まれる、というポリシーが無言で伝わってきます。

ただし、そのポリシーがアウトソーシングの社員までには及ばないのが辛いところで、私たちは納品業者さんからサンプルを頂いた場合には試食もできますが、基本、自分たちの扱っているものを食べたりできません。

それはクライアントさんであるその企業のポリシーではなく、フードを請け負っている方の会社のポリシーかも知れませんけど。

ポジティブな福利厚生を請け負う会社もそのポジティブな姿勢に影響されてくれればいいのですけど、残念ながら長時間労働に有給休暇なしでも頑張る社員さんが温存されているようなのです。私はもうすぐいなくなるけど、スタッフの人たちみんないい人だから良い条件を勝ち取ってほしいです。











フォーシーズンズのアフタヌーンティー

2017-10-22 21:06:00 | たべもの
日本列島が台風警戒に入る中、東京駅お隣の「フォー・シーズンズ・ホテル」レストラン&バー「モチーフ」にてアフタヌーンティーへ行ってきました。

東京は風はなく、ただの雨降りの日と同じで電車も通常運行・・・

ですがそこは日曜日、ただでさえ迷宮並みに広い東京駅地下街の、楽しそうに散策する旅行者の間をぬって、丸の内側からホテルのある反対側の八重洲側を駆け抜けた私。

しかし7分では東京駅横断はならず遅刻して席に着きました。同席者の皆さん、すみませんでした!

初めてのフォー・シーズンズ、地下からの出口がわからなくて、聞く駅員さんにも会えずになんとなく方角で地上に出たら、神様ありがとうございます、まさしくホテルに出られたのですよ、奇跡です!

小さめのホテルでもそこはホテル、1階スタッフの男性が、私の濡れた傘をたたんでビニール袋に入れてくれました。私はあの作業で手が濡れるのが大変に苦手なので、ここでググーッと高ポイント。

7階のホールに着くと、今までに訪れたホテルの中でも一番に小さなフロアですが、モダンでデコラティブなインテリアとガラスから見渡せる東京駅付近の風景に豊かな気持ちに。

そしてお食事も、ティーというには大充実のメニューでした。

最初は甘くない一皿。

和牛ハンバーガーに、バーニャカウダ、蟹パイとお魚。



そして洋風茶碗蒸しとポップコーンは上から見てね。
ポップコーンはトリュフ味。



そしてお菓子の一皿。

これとは別に、バニラとカボチャのスコーンも来ました。



お茶は30種から好きなだけ注文できます。

今回、3段トレイという形式ではなかったものの、甘くないお料理が充実していたのがたいへん好ましかったです。

ハンバーガーと茶碗蒸しのサイズがアフタヌーンティーにしてはやや大きく、そこが満足感につながるポイントだと発見しました。

「美味しいものを少しずつ」とは言っても、私の場合、少量すぎると味わえないで終わってしまうのです。3〜5口くらいで「食べました」と脳が認識すると思います。

かと言って全てのお料理が大きくてはお腹がいっぱいになって全種類制覇できないので、自分の好きなものが大きめだったら大当たりというものです。

それと、ホテルのアフタヌーンティーでは、会食中にも話題に出たのですが、男性が給するのもポイントが高いです。

貴族のお屋敷のディナーでは執事やフットマンがサービスをし、メイドにはやらせない問いう感覚に近いのかしら。

同じ女性として軽んじたくはないですが、男性スタッフで重厚なサービスを期待してのホテル料金とも思います。




アトミック・ブロンド

2017-10-21 14:10:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


シャーリーズ・セロン、この役の髪型とメイクが今までで一番好きなので、次から次へと肉弾戦が続いても見て入られました。

しかも彼女は身長177cmの足長さんということでモデル並みに服を着るとカッコいい・・・分、脱いだ時はあんまりセクシーじゃなかったですが、そこが「最強の女スパイ」としてリアルでよかったかもです。

私が見た劇場では、男性一人客がかなり多く、姐さんのセクシーシーンもそれは楽しみにしておられたでしょうけど、彼らの落胆具合はいかがなものでしょうwww

強い女戦士としては、お尻の重そうなスカーレット・ヨハンセンの方が個人的に好み。多分、女スパイのイメージとしては峰不二子ちゃんが子供心に刷り込まれているからですね。現実的には胸やお尻が大きかったら機敏な動きが苦手そうですけども。

セロン姐さんはずっとかっこよく、ちょうどベルリンの壁崩壊の時が舞台なので、その当時のヒット曲がずっと軽妙にかかって血生臭いシーンを清めてくれた感があります。

スパイだからアクションがもれなく付いてくるのですが、

私は正直こういう肉弾戦に刃物よりも、ボンドやM:Iみたいに華麗な作戦と組み合わせて欲しかったかなあ。女性なのに挌闘技が得意ってのは意外性があってそこはいいんですけどね。

あと、まかぼい君が得意のキレた危険人物やってますが、イケメンに飢える映画でした。まかぼいのドイツ人仲間ってのがかろうじて美男子でした。

MI6、CIA、KGBの大物たちはおじさん揃いですが、おじさん役の配役はイギリス映画だったらもっと良かっただろうなあ〜と、ついつい「裏切りのサーカス」とか思い出して高望み。

ストーリーとして捻りも用意され、ベルリンの壁崩壊が冷戦を無意味な殺し合いにしたという目の付け所はとても面白かったです。

最初の曲がデヴィッド・ボウイのキャット・ピープルで、最後はボウイとクイーンのコラボのアンダー・プレッシャーというのが、ボウイのイメージのひとつである「ベルリン」をうまく使ったと思います。ボウイは実際にはベルリンに住んでたのはほんの数年でしたが、ボウイとベルリンの関係は強烈なイメージであるには間違いありませんから。