今回のエピは「Canticle」意味は「キリスト教の讃歌」とのことですが、60年代後半のヒッピーバンドのお話でした。
最初のシーンのポップなクレージュみたいな衣装の女の子たちのダンスが可愛かったです。
ロックバンドの仲間が殺された事件と、脅迫された若者文化に対抗する運動家のおばさまの保護で大忙しのオックスフォード警察・・・
なのに、なぜかこのエピでのモースはぼーっとしていて、ボディガードの仕事中なのに、おばさまの娘に誘われて彼女の部屋でウォッカを一緒に飲んでしまいます。
この娘、服装はお嬢さん風だけどメガネが派手でメイクも濃く頭の固い威圧的な母に抑圧されてる感じが出てますが、まさかこんなに大胆に部屋に誘うとは驚きましたけど。
その頃、おばさまの運動の手伝いをしている牧師が、もらったチョコレート(毒入り)の箱を開ける時に嬉しそうに口ずさんでいた歌が、昼間おばさまとヤンヤヤンヤと対立したバンドの曲だったのには苦笑・・・
使用済みグラスを目ざとく見つけたおばさまは「女性の部屋に男が入るとはいやらしい!」とブライト警視に電話でクレームされてしまいます。
おばさまがクレームつけてるようないやらしいことはないとは言え、ボディガードとしての勤務中にアルコールを飲んだのでサーズデーも渋い顔。
このクレームが起きる前に、思考に良くないとドラッグを非難してたモースはサーズデーに「ならビールもやめろ」と言われて「あれは脳の栄養」と言ってたのも痛い。
それなのに、その娘がモースのフラットに訪ねてきたら部屋に入れてウィスキーを勧めてしまうという反省のなさは一体???
ー その娘にいきなり愛の告白をされて、かなり懲りたと見え ー
その後は、仕事中に飲み物を勧められても断り続けたモースでした。
それなのに、ああ、それなのに、
(昔のイギリスでは珍しく猛暑だったとはいえ)また仕事中に、しかも犯人を追いつめるという肝心のところでドリンクを飲んでしまうのにはスクリーンに向かって「モース!」と叫んでしまいました。
しかし、サーズデーとストレンジがいてくれて、良かった
のだけれど、これでモース=向こう見ずなプリンセス
という烙印を警察署に押されてしまったのではないでしょうか(涙)。
サーズデー警部は、おばさまの娘が出て行った時も自身の娘ジョアンと重ね合わせて(ジョアンもこのエピに出てきたバンドのファンだったけどレコードを取り上げたことがあった)悲しそうな顔をしていたけれど、
同じような顔でモースが目覚めるのを待っていたのには胸が痛くなりました。
モースの自宅にコレクトコールをかけてきたのは、運動家おばさんの娘だったのでしょうか。
その後あの電話機に当たったモースの癇癪は、ジョアンが戻らないことへのサーズデー警部への良心の呵責なのでしょうか?
アルコールと女性に弱い中年モースの片鱗が見えたエピでした。ボディガードも務まらないし、こうして同期のストレンジ(後にモースの上司になる)と組織の中で差がついていくのね社会不適応者モースよ・・・
見ていてハラハラするモースだったけどなんだか可愛かったです。
・・・そんなダメ男をおおめに見てしまうそんな私が情けない。