年内まだ書きます^^;
東京/渋谷Bunkamuraで開催中の「英国の夢 ラファエル前派展」に行って来ました。年末の仕事帰りの夕方は、平日昼間よりも空いてて鑑賞しやすかったです。
ラファエル前派というと、絵を見ただけだといったい何時代だか判別不能、「自然そのまま描く」と言ってるのに題材がファンタジーだったり神話だったりしてよくわからなかったのですが、女性の顔立ちが少女マンガっぽくて(マンガが真似たのでしょうが)妙に親近感があります。
と思ってたら今回の展示の解説を読み、ようやく「題材がラファエルより前の時代だけど表現方法や表現しているものはその時代の感性」という基本が頭に入りました。そうかなるほど、やっていることは少女マンガと同じですね?!・・・と妙に納得しました。
↑特にミレイの描く顔は目のパッチリした愛らしい顔で、同じ代表画家のロセッティよりも好きです。今回のメインのひとつ、「いにしえの夢ー浅瀬を渡るイサンブラス卿」も少女(もしや少年が女装して逃走か?ととっさに思いました)の大きな目が印象的ですが、この絵を見て既視感を感じるのは、卿の顔が俳優のカール・ジョンソン(フランケン・シュタイン、ハムレット等のおじいちゃんですよ!)そっくりに見えるからなんです。似てる~~~
↑アーサー・ヒューズの「聖杯を探すガラハッド卿」
ガラハッド!!キングスマンのハリーのコードネームですよ!
画家の名前は偶然でしょうが、「アーサー王伝説」もラファエル前派の得意な題材だそうで、「マーリン」を一気見した成果が早くも表れました。
馬に乗った騎士を天使が導くという図は一般受けするだろうから、ミュージアムショップでグッズになっているに違いない、買うわ!と思ったのに残念ながら絵はがきも見つかりませんでした・・・
↑ローレンス・アルマ=タデマの「バッカス神の巫女(「彼がいるわ!」)
ギリシャ・ローマなどの古代神話もまたこの派に人気の題材だそうです。
「エコーとナルキッソス」「イカロス」など有名な話の絵もありましたが、ピンポイント的に射抜かれたのはこれです。バッカス神の巫女とは「バッカイ」のことですもの!2015年の締めくくりには、古代ギリシャ悲劇の「バッカイ」をがんばって勉強した私にぴったりです。去年だったらまったく反応しなかった絵でしょうw
この巫女はバッカス神=ディオニューソスを窓から見つけて喜んでいますが、そのまんま、その神を演劇「バッカイ」で演じたベン・ウィショーさんを見つけて喜ぶファンの図に重なります。はい、私もそのひとり。
その昔マンガを描いていた頃は、絵画を見る時には構図や色使い、細部の描き方などを参考にしようと鑑賞したものでしたが、絵を描くのを辞めて以来あまり絵を見る意味を見いだせませんでした。
一方、マンガに技法を盗もうなどという下心なしに純粋に絵を楽しむための本なども多く出ていて、知識があると絵画の鑑賞の仕方も深くなるとは聞きますが、かなり偏った知識でも世界の一流の芸術を楽しむことはできるものですね(偏ってるけど)。
こちらは3月6日までBunkamuraザ・ミュージアムにて開催中です。