ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

竜王戦第3局 芸術家・広瀬か?研究者・豊島か?

2019-11-12 19:26:23 | Weblog
9日、10日に行われた竜王戦第3局は、豊島名人が広瀬竜王を157手で破り3連勝としました。これで豊島名人が竜王を奪取する可能性は極めて高くなりました。いよいよ名人・竜王の大二冠が近づいてきました。

広瀬さん勝勢で迎えた最終盤、豊島さんが持ち前の粘りを発揮しながらも、徐々に差は広がっていきました。しかし、広瀬さんが守りの金を攻めに参加させた手が、結果的に豊島さんの逆転劇を生みました。個人的には広瀬好きなので残念な結果となりました。

それにしても最近の豊島さんは本当に土俵を割りません。かつては早熟の天才と言われた豊島さんも今はすっかり、最先端の研究を取り入れた努力型の秀才に変貌しました。少し永瀬二冠の将棋にも似てきたような気がします。本来は攻めに使いたい駒を自陣に惜しみなく投入し、勝負を長引かせながら、最後に相手が攻め疲れたところで勝ちにいきます。この第3局も157手ですし、王将リーグの藤井聡太七段戦も170手を超えていました。だから、豊島名人に7番勝負で勝った木村一基王位は改めて神懸っていましたね。

それにしても広瀬竜王の将棋も素晴らしい内容でした。個人的には芸術性の高い棋士を3人挙げるとしたら、谷川九段、藤井七段、そして広瀬竜王です。それぞれ世代もタイプも違いますが、美しい将棋を指すことでは共通しています。芸術肌の天才が研究熱心な秀才に敗れるという意味では谷川さんと羽生九段の関係性を思い起こします。ここまで来たら広瀬さんに1勝はしてもらいたいです。

そして王将戦。広瀬さんと藤井君という現代将棋を代表する芸術家が最終局で激突します。できれば藤井君が久保九段を破り、1敗同士の決戦を見たいです。ここでは広瀬さんには悪いですが、藤井君に勝ってもらいたいです。最後はやはり藤井君の応援で終わってしまいましたが、どちらにしても楽しみな対決です。そしてまだ豊島さんにも他力ながらチャンスは残っています。
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