https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180618-00000105-asahi-soci
夜になっても主要な鉄道路線で運転が再開されず、淀川にかかる新淀川大橋は、大阪市中心部から府北部へ歩いて帰ろうとする人と中心部に戻ろうとする人で大混雑した。大阪メトロ御堂筋線は午後9時40分に、JR大阪環状線は午後10時10分に運転再開したが、それまで駅では運行の再開やタクシーを待つ人の長蛇の列ができた。この日、JR在来線では約3800本が運休や遅延、計約240万人に影響した。
気象庁によると、震度6弱を観測したのは大阪市北区や大阪府の高槻市、枚方(ひらかた)市、茨木市、箕面(みのお)市の5市区、震度5強は大阪市都島区や大阪府の寝屋川市、京都市中京区など18市区町。震度5弱は滋賀県南部と兵庫県南東部、奈良県で、関東から九州までの広い範囲で震度4~1を観測した。
大阪府北部では18日午後10時までに震度3を1回、震度2を5回、震度1を11回観測。揺れが強かった地域では1週間程度、最大震度6弱程度の地震に注意が必要という。近畿では19日夕から雨となる見込みで、気象庁は、地震で地盤が弱まっている可能性がある地域では土砂災害への警戒も呼びかけている。
大阪府災害対策本部などによると、高槻市で市立寿栄小学校のプールのブロック塀が倒れ、4年生の三宅璃奈(みやけりな)さん(9)が下敷きになり死亡。市教育委員会は、この塀は高さが2・2メートルを超え、補強のための「控え壁」がなく建築基準法に違反していると明らかにした。大阪市東淀川区でも民家のブロック塀の下敷きになった安井実(やすいみのる)さん(80)が死亡し、茨木市では倒れた本棚に挟まれ後藤孟史(ごとうもとちか)さん(85)が亡くなった。高槻市で死亡したもう1人は坂勝枝(さかかつえ)さん(81)で、倒れたタンスに挟まれているのを家族が見つけたという。
総務省消防庁によると負傷者は大阪府260人、兵庫県26人、京都府15人、滋賀、奈良、三重の3県で各2人。大阪府と兵庫県で火災が計7件起きた。
建物の被害も相次ぎ、大阪市によると半壊1棟、一部損壊62棟、市施設の一部損壊が55棟。京都府でも住宅被害が64件あった。
大阪府内で約17万戸、兵庫県内で約500戸が一時停電したが、18日夜までに復旧。国土交通省によると、午後5時現在でエレベーター内の閉じ込め事案が大阪や京都など5府県で計214件起きた。大阪ガスによると、大阪府内のガス供給の全面復旧は26~30日を見込む。
厚生労働省によると、高槻市では断水などで約14万人に影響。水道水が漏れるなどしている地域もある。
大阪府吹田市の国立循環器病研究センターでは貯水タンクが破損。症状の重い患者40人を転院させた。
JR西日本によると、午後10時20分現在、学研都市線とおおさか東線は18日中の再開を目指して作業。嵯峨野線や奈良線など4路線は19日始発からの復旧を目指しているという。
阪急電鉄によると、18日午後10時45分に、運転見合わせが続いていた京都線の高槻市―長岡天神駅間で再開。全線が復旧した。
空の便も乱れ、関西エアポートによると、18日午後3時までに大阪(伊丹)空港で82便が欠航した。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180618-00000020-sasahi-soci「南海トラフの前兆か、大地震が現実的に」と専門家 大阪地震女児ら3人死亡〈dot.〉
18日の通勤時間帯に震度6弱の揺れが大阪を襲った。専門家は、南海トラフ地震が起きる前に西日本で内陸型地震が頻発することを挙げ、大地震がいよいよ現実的になったと話す。
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気象庁によると地震の規模はマグニチュード6.1。高槻市など大阪府北部で震度6弱を観測し、近畿地方の広い範囲で震度5を記録した。大阪府内で震度6弱の揺れを観測したのは1923年以降、初めて。この地震で外壁の下敷きになった9歳の女の子と80歳の男性ら3人が死亡。住宅火災も発生した。
今回の揺れをもたらしたのは「有馬―高槻断層帯」の東端近く。地震学者の都司嘉宣氏は、1995年の阪神・淡路大震災で動いた「六甲・淡路島断層帯」の北側の延長上に当たり、その影響かも知れないと話す。
「六甲・淡路島断層帯は、有馬―高槻断層帯と重なるように高槻を経由して京都付近まで伸びています。95年の地震では揺れが六甲付近で止まっていたので、そのとき残されたエネルギーが今回放出されたのかも知れません」
同じく地震学者の島村英紀氏は「大阪府の枚方市から羽曳野市まで南北に延びる生駒断層帯とも近く、そちらの可能性もある」という。
今回の大阪の地震に加えて、ここのところ千葉、群馬で地震が発生し、桜島では爆発的噴火も発生している。これらは一見無関係に思えるが、東日本大震災でプレートが大きく動いたことで日本列島全体の地震活動が活発になったことが遠因にあるという。
気になるのは、今後30年以内に最大でマグニチュード9クラスが見込まれる南海トラフ地震との関連だ。
「南海トラフ地震のサイクルは100年に一度。すでに前回から72年が経ち、プレート間のひずみがかなり溜まっています。南海地震が起きる前には、近畿地方で地震が多くなることが知られていて、今回もその一つと捉えることができます」(都司氏)
「詳しいメカニズムはわかっていませんが、前回の南海トラフ地震(1946年)が起きる前にも北但馬地震(1925年)、北丹後地震(1927年)、鳥取地震(1943年)といった内陸直下型地震が続けて起きています。同様に5年前には兵庫県淡路島でM6.3、3年前には徳島でM5.1の地震が発生していることを考えても、今回の大阪での揺れは南海地震の前触れだと考えられます。今後も西日本での大きな直下型地震に気を付ける必要があります」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180618-00000116-mai-soci<大阪震度6弱>「水、食料を」買い物客殺到 品切れ相次ぐ
震度6弱を観測した地震の震源地となった大阪府北部のスーパーには、飲料水やカップ麺、冷凍食品などを買い求める客が殺到し、商品が品切れになる店が相次いだ。