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『絶望の国の幸福な若者たち』 (2)

2011年12月17日 | カルチュラル・キーワード備忘録
いや、あれですな(何が「あれ」なんだか???)、この本の備忘録の1回目を書いてから、別の本を5冊読んでましてね。
今6冊目と7冊目を読んでるところです。
で、2回目の備忘(美貌の方が好きなんですが、私・・・)録です。
(*黒字が引用部分)

世代論が流行するのは、階級論がリアリティを持たなくなった時である。
世代論というのは、そもそもかなり強引な理論だ。
階級、人種、ジェンダー、地域などすべてを無視して、富裕層も貧困層も男の子も女の子も、日本人も在日コリアンも外国人もひっくるめて、ただ年齢が近いだけで「若者」とひとまとめにしてしまうのだから。
(「第一章 「若者の誕生と終焉」50~51ページより)


著者が読売新聞電子版での全文検索結果を集計された「世代」の使用頻度の変化(50ページの【図3】折れ線グラフ)を見ても、60年代前半に「世代」の使用頻度が高まり、70年代前半から爆発的に高まっていますね。
著者は「一億総中流社会」と「世代論」の流行はパラレルと指摘されてますが、やはり、人口ボリュームの多い「団塊世代」が社会ででかいツラ、いや、前面化していったことともパラレルではないかと私は考えます。

「世代論」を、ずっと昔からあったもの、普遍的なものと考えてしまうのはちょっと危険、という意味で著者の指摘は貴重です。
「世代論」そのものじゃないんですけど、われわれのマーケティングの世界では、当たり前のように「性年代別」という軸で解析をします。
「性年代別」だけじゃねぇ・・・というのは昔から言われてますし、世帯年収、個人年収、可処分所得や生活満足度、サイコグラフィック、ジオグラフィックといった軸でクロス集計とかしますが(他にも色々ありますよ・・・。私のオリジナルとかは内緒です・・・)、それでも「性別」「年代別」「性年代別」という軸は基本です。
ただし、そういった軸って当たり前で、昔も今も将来も、という思い込みは危険なんですね。
ポスト消費社会ですしね。

絶望の国の幸福な若者たち
古市 憲寿
講談社

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