【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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「自分さがしは消費社会の病理」 (『第四の消費』 三浦展 より)

2012年07月23日 | カルチュラル・キーワード備忘録
(以下、黒字部分は引用箇所)

企業にとっては、消費者に対して、その企業らしさではなく、消費者の自分らしさしか提案できないというのは一種の敗北である。しかし消費者が求めるものが、企業の提案する特定の美しさや女らしさや男らしさやデキるビジネスマンらしさではなく、あくまで自分らしさだというのなら、企業としては、その自分らしさをお手伝いしますよといか言いようがない。
こうして、消費者自身の自分らしさ志向と企業による自分らしさ訴求との共犯関係によって、ますます「自分らしさの神話」が増殖していったのである。

消費の対象だけでなく、仕事も結婚も自分らしくなければならないと信じられるようになった。つまりは、人生全体を自分らしく生きたいと思うようになったのである。

(中略)
何が彼らを自分らしさ主義者にしたのか。彼らを自分らしさ主義者にしたのは間違いなく消費社会なのだ。つまり、自分専用の部屋、自分専用のステレオ、自分専用のテレビ、自分専用の電話、自分に似合う(と言われる)服等々。そうした自分専用の「私物」の私有経験こそが、彼らの自分らしさ主義の土台になっているのである。

(中略)
実際、携帯電話を忘れると不安になる者が多いことは各種調査結果から明らかにされている。携帯電話の場合、単に物として私物であるだけでなく、そこに記録された友人の電話番号や通信記録などによって自分の分身となっているため、持っていないとパニックに陥るのである。人をこれほどパニックに陥れる物が他にあるだろうか? 考えてみると、どうも女性にとっての化粧ポーチがそうらしい。化粧ポーチも女性にとってはまさに自分づくり(make up!)に必須だからであろう。

(同書125~127ページより)

三浦が別の個所で指摘しているけど、流通(小売)の主役が、百貨店からスーパー・量販店、そしてコンビニ、ネット通販へと変遷していったこととパラレルなんだよね(笑)。

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