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『BRUTUS』 2015 7/15 「特集 松本隆」

2015年07月08日 | 徒然
「BRUTUS」を買ったのは何十年ぶりでしょうか?
保存版です。

教育学者の齋藤孝氏は「情景で心を描く」というタイトルでこう述べられています。
とても的を得ています。

「近年、自分の心情を直截に描く詞が増えていますが、それは職業作詞家が減ってきたことと無関係ではありません。ミュージシャンが自分で詞を書こうとすると、どうしても自分の気持ちを前面に出してしまう。ところが、作詞家は一歩引いて、情景の中に心を溶け込ませて描くことができます。ミュージシャンの詞は、その主張や価値観に共感できなければ入り込めません。でも松本さんの詞は、情景を通じて心を描写することで、歌い手と距離を取り、誰もが参加できる世界を作り上げています。」

「いきものがかり」の水野良樹も松本隆の作詞法を緻密によ~く研究されてます。
卓越したソングライターたる由縁かなと思います。


博報堂ケトル社長の嶋さんは、テキストマイニングまでされて分析されてます。


群馬県立前橋高校出身の糸井重里は、ずっと生粋の東京人の松本隆に嫉妬してきたそうです。
埼玉県出身の私にもその感情は理解できます。

「でも、もともとそこにいる人というのは、息をするだけで都会なわけで、都会の空気を吸っては吐いて、都会の空気で体ができている」(糸井重里)

逆に都会人の松本隆は、地方から出てきたミュージシャンの「やる気」に圧倒されていたことを、OKAMOTO'Sメンバーとの対談で述べてて笑えます。

松本:じゃあ君たちも東京っ子だ。
ハマ:ひ弱な東京っ子です。
松本:僕らの頃は九州勢がすごくてさ。やる気満々で来るから。
ハマ:いまでもやる気満ですよ。
レイジ:柴山(俊之)さんなんていつも上半身裸ですもん!
松本:東京っ子はそういう人たちと戦うのが大変なんだ。

(80年代からの私は、「博多勢」に憧れ、「博多勢」以外はロックではないと豪語し「埼玉の博多っ子」とさえ呼ばれるようになってしまいましたが、それは余談)

岡村靖幸と松本隆の対談では、松本隆が核心的なことを述べています。

はっぴいえんどは音楽の「質」、その後の歌謡曲では「量」(=大ヒット)。
「質」と「量」で帳尻合わせが出来たというようなことを述べてます。
90年代、松本隆は一線から退き、「小室哲哉にあげちゃって」、もっぱら自分の好きなことだけを追求した。
クラシック、オペラ、バレエ、歌舞伎、能。
で、90年代後半、「硝子の少年時代」を書いた。
今では踊りの詞も書けるし、古事記の世界を詞にしたり、シューベルトの音楽に日本語詞をつけることもできる。
何でも来いと。
次元は違う思うけど、ビイネスパーソンだってインプットは大事だからね。
いいアウトプットのためには。



この特集では誰も取り上げていませんでしたが、私のFavorite Musicは、元はっぴいえんど鈴木茂のソロの「ソバカスのある少女」です。
ソバカスのある少女/南佳孝、鈴木茂


あと、南佳孝「スローなブギにしてくれーI want you」でしょうか。
80年代の懐メロですけど。
(最近の)南佳孝/スローなブギにしてくれーI want you


BRUTUS(ブルータス) 2015年 7/15 号 [雑誌]
クリエーター情報なし
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