書とお寺が大好きな春逕の「日々是好日」

日々思うこと、感じた事をつづります。

熊本城・頬当門横長塀と武者返しの石垣

2007-11-25 21:49:28 | 思う事
昨日息子の恩師で、私も心から慕っている安永健二郎先生の個展に県立美術館分館に行った。

先生は中学校の美術の先生で、学校を退職されてから描きためられた100点以上の油絵が飾ってあった。

先ず、奥様がにこにこ私を迎えてくださり、私はゆっくり先生の作品を見せていただいた。
作品は四季を通しての風景画が多く、作品の一つ一つに季節の色、そして香りそして音も優しく感じることができた。
額の中の作品は、あたかもその季節に自分もその場所に立っているような錯覚におちいるようだった。
わたしが一番気になった絵は、題名が『夏草と駅』だったかな。
無人駅のまわりに夏草が生えている絵だった。

先生にその事を話すと・・・。
「何で?」
って聞かれた。
私は、
「先生の目に映ったものが、ただの風景だけではないはず。先生の目には何かが映っていて、何かを考えていらしたはず・・・。」
と、答えた。

先生は、
「絵を通して何か深いものを追及したいし、それを感じる人と同じように感じあいたい。」
って話された。私は何かは感じたが、もちろん先生の思い、先生の考えまでにはまだ到底至らない。
何年か先で、その作品を描かれた思いをたずねてみようかな。

それから、先生の言葉で印象に残った言葉は・・・。

阿蘇の根子岳が脇に描かれていた作品の前で、
「エネルギーのある根子岳は脇役にするのです。何気ない山を主役にして、脇役に強い根子岳を置くと、主役がとっても映えるのです。」と・・・。

やはり先生は凄いと思った。
「きっと書も同じでしょう。」と。

今日もとてもいい日だった。

帰りは、まわりを見回しながらゆっくり歩いて帰った。
熊本城の頬当門の横の長塀と武者返しの石垣が何か主役に見えた。

ここの道は、私が中学時代に通った道。
何気なくみていた風景だった。